身近な絶景 2023年1月21日

センター北の崖に刺さっているたくさんの棒

横浜市のセンター北にある遺跡公園のそばに、崖に刺さっている鉄の棒がたくさんある。

崖に刺さっている棒ってなんなんだという話なのだけど、桁というか梁というか、とにかく崖にたくさんの鉄の棒が横に刺さっているのだ。説明が難しい。一回見てほしい。

シリーズ・身近な絶景
わざわざ言うほどでもないけどちょっと面白い景色、ついでのふりして人に見せたい景色を短く紹介する記事シリーズです。
記事一覧はこの記事の末にあります。

1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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崖に刺さっている謎の柱と謎の棒

場所は横浜市都筑区の港北ニュータウン。センター北駅のそばである。

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センター北駅からちょっと東へ。左にあるでっかい建物がショッピングモール「ノースポート・モール(通称ノスポ)」。今回の主役は道路を挟んで右にある木々がこんもりしたところ。
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写真を撮った歩道橋。こういう横断幕があると、「この街には暴力団がいるのかな……」と身が引き締まる。

さっきの道路沿い、左側に高い崖があるのだけど、その下にある歩道にたくさんの金属製の柱が立っているのだ。

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これです。歩道沿いにずっと「「「「「「「「って感じで柱が立っている。
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通行人と比べるとその大きさがわかるでしょうか。なんかアウトラン(セガ,1986)でこんな光景みた気もするな。
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縦の写真でもどうぞ。

歩道沿いに柱がたくさん立っていて、その上部では横に桁がわたされ、先端が崖に刺さっている。

これ、上のほうが照明になっているのかな……と思うけど、そんなこともない。夜にここを通ったことがあるけど、真っ暗である。

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見上げてみてもなにもない。
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照明をつけるためだとしても、この密度で棒が刺さっているのはおかしい。
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ただ、柱の最下部は金網が扉状に開くようになっていて、ひょっとしたら電気設備を入れたりしようとした可能性も。

そしてこの柱、立っている間隔も一定じゃない。真ん中でぎゅっと集まっていて、両端にいくほどばらけている。とにかくなんだかわからない。

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道路を渡って向かい側から見たところ。柱の間隔が一定じゃないのが分かる。あと壁になんか模様が描いてあるな。
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そもそもあの壁はなんだ

ちなみに、この崖の上には、弥生時代中期の遺跡である大塚・歳勝土遺跡公園がある。

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大塚・歳勝土遺跡公園は、以前書いた「駅徒歩8分で竪穴式住居に入り放題」で訪れたところ。ちなみに近くには都筑まもる君もいます。

航空写真を見ると分かるのだけど、実はここ、遺跡があったこんもりした山を、港北ニュータウンの開発によってスパッと削った形になっている。

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1970年後半。真ん中辺りにあるバイオリンの胴体みたいなエリアが調査中の遺跡。※出展:国土地理院Webサイト
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時は流れて2007年。ニュータウンの開発で山がスパッと削られた。遺跡も半分いっちゃってる。※出展:国土地理院Webサイト
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その結果、できたのがこの壁ってワケ。

遺跡は残さないといけないけど、この辺に道路も通したい。そんなアンビバレントな思いの果てにできたのがこの崖、そして巨大なコンクリートの壁である。

なんかすごい無理して作った感じがしてきた。ひょっとしてあの棒って、この壁を押さえるために作られたのもの??

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壁が倒れないように押さえている……?

気になったので都筑区土木事務所に電話して聞いてみると「構造上それは考えにくいです」だそう。でも、なんのためにあるかは「ちょっとわからないですね……」とのこと。すいませんお仕事中に。

じゃぁこの壁っていつできたのだろう……と、港北ニュータウンの資料を漁ってみると、完成当時の写真があった。

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壁が白い……!そしてこのときから柱がある! ※出典:『港北ニュータウン 四半世紀の都市作りの記録』(住宅都市整備公団 港北開発局)
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ほぼ同じアングルからの写真もどうぞ。

資料によると、この壁(道路擁壁)は最大高さ18m、全長220mという強大なもの。

遺跡への影響を最小限となるような工法を検討し、擁壁の設計に当たっては「景観を重視した構造とするためデザインに配慮」したという。

「なんの意味が」と息巻いていたものが、実は「景観に配慮したデザイン」の可能性が出てきた。なんだか恥ずかしくなってきた。

そして結局、柱の成り立ちは分からないまま。もし完成当時の姿など知っている方がいたら優しく教えてください。

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それにしても全長220mは長い。

※参考文献
『港北ニュータウン 四半世紀の都市作りの記録』(住宅都市整備公団 港北開発局)
『港北ニュータウンまちづくり館情報ファイル』(住宅・都市整備公団港北開発局)

 身近な絶景 

友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。

2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。

 

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