特集 2017年4月3日

駅徒歩8分で竪穴式住居に入り放題

通勤通学に便利な竪穴式住居のご紹介です
通勤通学に便利な竪穴式住居のご紹介です
竪穴式住居と高床式倉庫。歴史の教科書のスタート地点に位置し、まだ記録力に余裕があるため誰しも覚えている弥生時代の2大建造物である。

その竪穴式住居を復元した公園が、横浜のニュータウンにある。1軒だけならまだしも7軒も復元する大盤振る舞いで、おまけに高床式倉庫まであるのだ。弥生時代の集落フルセットを見てきた。
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)


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駅徒歩8分、買い物便利、ワンルーム、インフラ無し

弥生時代の集落に現代人が侵入します
弥生時代の集落に現代人が侵入します
やって来たのは横浜市都筑区にある大塚・歳勝土遺跡公園。弥生時代の環濠集落の遺構が発掘された遺跡で、現在は公園として入場無料で開放されている。

この集落は竪穴式住居が27軒、高床式倉庫が10棟もあったそう。ちょっとした町内会クラスだ。回覧板を回すなら一ヶ月くらい余裕をみたほうがいい。
竪穴式住居の後ろにショッピングモールがある
竪穴式住居の後ろにショッピングモールがある
さっきからちょいちょい後ろに白い建物が見切れているのだけど、実はこの遺跡、真裏に「ノースポート・モール」という巨大なショッピングモールが建っている。最寄り駅のセンター北駅からも徒歩8分くらいで、「港北ニュータウン」として知られる新興住宅地なのだ。

2000年の時を超え、通勤通学やお買い物に便利な立地になってしまった大塚遺跡。竪穴式住居と書いて「ワンルーム」とルビを振りたくなる。
入り口がぽっかり開いている
入り口がぽっかり開いている
竪穴式住居はどれも入り口がフルオープンで入り放題。セキュリティの概念が無い。「ムラ社会」のプラス面。
申し訳程度に置いてある弥生土器がかわいい。
申し訳程度に置いてある弥生土器がかわいい。
中の空間は8畳から10畳くらいと広く、天井も高い。しかし、入ってすぐは真っ暗で、目が慣れるのに時間がかかるほど。そういえば竪穴式住居って窓が全然無い。屋根の端のほうに明かり取りがある程度で、外の様子が全くわからない。外敵が来たら怖かっただろなぁ。
高そうで高くない、少し高い高床式倉庫
高そうで高くない、少し高い高床式倉庫
集落の片隅には高床式倉庫も復元されている。教科書で見た高床式倉庫って、階段で2階くらいの高さまで登るイメージだったけど、これは胸ほどの高さしかない。高床とは!?と思ったけど、風通し良く穀物を保存するなら確かにこれくらいの高さでいいのだ。

なんだったんだ、あの高すぎる高床式倉庫。見栄か。虚栄心か。「高ければ高いほどエラい」という文化があったら遺跡発掘にも張りが出たろうに、とも思う。

彼らなら8軒目を作れる

一緒に行った息子6歳は高床式倉庫を指さして「これ『鉄腕DASH』で見た!」と興奮気味に教えてくれました。木造建築だし、TOKIOならやりかねんな……。
「ネズミ返し」もちゃんと復元
「ネズミ返し」もちゃんと復元
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