身近な絶景 2022年11月19日

芝公園のペリー像が似てない

誰?

芝公園に「ペルリ提督の像」という胸像がある。

だが、教科書で見たペリーと顔が違うのだ。

連載・身近な絶景
わざわざ言うほどでもないけどちょっと面白い景色、ついでのふりして人に見せたい景色を短く紹介する記事シリーズです。
記事一覧はこの記事の末にあります。

 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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シュッとしている
おなじみのこの顔ではない
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「カイコクシテクダサーイ」とか言わなさそう(たぶん本物も言ってない)

この像の作者はフェリックス・ド・ウエルドン。ペリーの出身地であるロードアイランド州から送られたと銘板に書いてある。

像にも名前が彫ってある。Felix de Weldon 1953 Newport R.I.

1953年はペリー来航100年なのでその記念だろう。作者のFelix de Weldonさんを調べるとこんな彫刻も作っていた。 

アメリカ海兵隊戦争記念碑(硫黄島記念碑)(Photo by Famartin CC BY-SA 4.0)

これ有名なやつじゃん。見たことがある。 

アメリカの極地探検をした軍人 Richard Evelyn Byrd の胸像 (Photo by Sergey Tarasenko CC BY-SA 3.0 )

1950~60年代に軍人や記念碑的な像をよく作っていた。どれもギリシャ彫刻のようなキリッとした顔をしている。鼻が細くて目が大きい。
それを知って再びこのペルリ像を見ると確かに同じ作風だ。

「でしょ」

そしてペリーは有名なあの顔だけではなく、若い頃と思われる肖像画も残されており、それだとずいぶん印象が違うのだ。 

Naval History and Heritage Command(海軍歴史遺産司令部)より。少し大和田伸也似

芝公園の像のネクタイやもみあげはこの肖像画に近いが、実際に参考にしたのかどうかは分からない。

本稿タイトルの「芝公園のペリーは似てない」は正確に言えば「元ネタの違いと作者の作風もあって、いつもと違う」である。

幕末の日本人が描いたペルリを元ネタにしないでよかった
「ほんとにね!」

 身近な絶景 

友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。

2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。

 

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