以前、スズキナオさんが新幹線から見えたすき家でカレーを食べてみるという記事で、そのタイトル通り、新幹線から見えたすき家でカレーを食べていた(名作!)
あれを僕の通勤電車だった東急東横線でやってみたい。
当時勤めていた会社は、りんかい線品川シーサイド駅が最寄りだった。東急東横線から東急大井町線に乗り換え、終点の大井町まで行き、りんかい線に乗り換える。りんかい線ホームは地下深くにあり、毎日地底探検をしている気分だった。
なので、東急沿線は僕にとって日光を摂取する機会でもあった。僕のセロトニンは東急とともにあったと言っていい。
東急東横線は横浜と渋谷のあいだを走る電車であり、途中には武蔵小杉や中目黒といった主要駅がいくつもある。
となれば、そりゃぁすき家のひとつもあるだろう。でも駅前に見えたすき家に行っても徒歩数分だ。それはなんというか旅情がないよなぁ……と車窓をぼんやり眺める。
写真だとわかりにくいけど、確かにすき家の看板が見えたのだ。赤いバックに白い字の「すき家」があったのだ。本当だよ。
この日、僕は朝から都内へ取材に向かう途中だった。
取材が終わったら、あのすき家でお昼ご飯を食べよう。そう決めて取材に向かい、それはそれは滞りなく終え、お腹を空かせて戻ってきた。そこは元住吉駅である。
元住吉駅前の商店街は「モトスミ・ブレーメン通り商店街」といい、1991年にはドイツ・ブレーメン市の商店街「ロイドパサージュ」と友好提携を結んだそう。
そんなわけで商店街のあちこちにブレーメンの音楽隊モチーフがある。
さっきのすき家はあっちの方角だったな……と駅を出て左に歩き出す。ここは限界まで地図に頼らずに近づいてみよう。
平日の昼間なのにブレーメン商店街は人でいっぱいだった。元住吉には数えるほどしか来たことがなくて、確か数年前にIngressのポータルを奪いに来たとき以来だけど、住みやすそう街だなぁと改めて思う。
さて、電車から見えたすき家は、この商店街の南側(向かって左側)にあったはずだ。頃合いを見て左に曲がってみる。
車1台通れるくらいの道幅で、住宅街がしばらく続く。
平日の住宅街はとても静かだ。遠くで小さい子どもたちが騒ぐ声がする。保育園があるようだ。いい天気だから園庭ではしゃいでいるのだろうな。
なるべく真っ直ぐに向かうことを心がけて、住宅街をつっきると、急に視界が開けて幹線道路に出た。
すき家からの竪穴住居跡
そこは「すき家 川崎木月店」だった。さっそく入ってカレーを食べよう。お昼どきなうえに長い距離を歩いたので、受け入れ体制はもう整っている。
カレーに大きなチキンがドーン!と乗っている。ナイフとフォークがいるのでは……と思ったが、スプーンひとつで身がほろほろと崩れた。そのままカレーと一緒に口に運ぶ。
女性ボーカルがカバーした「ラスト・クリスマス」が流れる店内には、さまざまなお客さんがいた。小さな男の子を連れた家族に、たぶん近くに会社があるワイシャツ姿のサラリーマン、ガテン系の兄ちゃん2人組、隣のテーブルには老夫婦。
みんなそれぞれの生活があって、お昼を食べにやっていきている。バラバラの人生が店内でほんのひととき交差する。飲食店を営む醍醐味ってこういうところにもあるのかもしれない。
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