2022年ゴールデンウィークとくべつ企画 身近な絶景 2022年5月2日

キメラ橋、阿波しらさぎ大橋が美しい

橋の形が手前と奥で違う……!

先日訪れた徳島県徳島市。その市内を流れる吉野川に架けられた阿波しらさぎ大橋が、環境にも配慮した素晴らしい絶景だったので紹介したい。

変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。

前の記事:京都府左官技能専修学院のビルは自己アピールがすごい

> 個人サイト 海底クラブ

image2.jpg
南側はこんな形。

橋の南側約3分の1は斜張橋(ケーブルの張力で橋を支える吊り橋のような構造)にケーブルトラスを足した、とにかく珍しくてすごい構造。

image1.jpg
そして奥の方(北側)はこんな形。手前(南側)のようなケーブルがない。

そしてそのまま斜張橋が続くのかと思いきや、なんと北側のはケーブルのないラーメン橋(橋脚の上に橋桁を固定して支える構造の橋)なのだ。なんで!?

image3.jpg
干潟を保全したい。

斜張橋が採用された理由は橋の下流にある干潟を守るためだ。

干潟は水鳥やシオマネキなどいろいろな生き物にとって貴重な生息地だが、上流に橋脚を大量に設置すると水や土砂の流れが変わって消滅してしまうかもしれないのだ。橋脚の数を少なくできる斜張橋は干潟への影響を最小限にできると考えられた。

そして、干潟は南側にしかないので、北側には安価に設置できる(けれど橋脚の数は多い)ラーメン橋が採用された。

ここに、世界でも珍しいキメラな構造の橋のある景観が生まれたのだ。

image5.jpg
斜張橋のほうは橋脚が全部で2本しかない。橋の上を飛ぶ鳥に配慮してケーブルの数も極限まで減らしたという徹底ぶり!

左右非対称な変わった形だが、自然環境への配慮とコストの削減を両立させた機能的な美しさがあると思う。

「人間、やるじゃん」

と何目線かわからない感想を漏らしてしまったのだった。

 身近な絶景 

友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。

2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。

 

11/6

9/25

8/28

4/29

4/30

5/1

5/2

5/3

5/4

5/5

▽デイリーポータルZトップへ
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ