身近な絶景 2022年12月24日

大阪・梅田にある隠れすぎたスポット、宙に浮いた看板

座標がバグってる?

大阪の中心部・梅田を歩いていると、宙に浮いた看板を見つけた。いや、実際には浮いているわけがないのだけど、浮いているみたいに見えるのだ。しかし、手前の建物に隠れていて、半分しか見えない。

目立ちたいのか、目立ちたくないのか。そして、いったいどこからなら見えるのだろうか。

シリーズ・身近な絶景
わざわざ言うほどでもないけどちょっと面白い景色、ついでのふりして人に見せたい景色を短く紹介する記事シリーズです。
記事一覧はこの記事の末にあります。

1983年徳島県生まれ。大阪在住。散歩が趣味の組込エンジニア。エアコンの配管や室外機のある風景など、普段着の街を見るのが好き。日常的すぎて誰も気にしないようなモノに気付いていきたい。(動画インタビュー)

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違和感がすごい看板

矢印の場所に、その看板はある。場所は「アニメイト梅田店」や、サウナの「大東洋」がある辺り
少し近づいてみる。どうなってるんだ、この看板
3Dのプログラムがバグって、変な座標に出力されてしまったやつ?

最初に見つけたとき、なんだこれ!? っていう素直すぎる感想が口から出た。狙って突飛な看板を作ったわけではなく、素でこうなっていると思われるあたり好感度が高い。

高い位置にあって見上げないと発見できないし、スマホのカメラだと遠すぎて撮影が難しい。よってSNSでも話題になりづらい。長年、自分だけの隠れスポットとして心の片隅に置かれていた。

しかも隠れているのは、その存在だけではない。看板の半分が手前の建物に隠れていて、左端がどうなっているか分からない

ここにもバグっぽさがある。場所が梅田なので「梅田不動産」って書いてるんだろうか? と想像する。

ストリートビューで過去の様子を確認してみても、最古の2009年時点で、すでに今と同じ状態になっていた。 

衛星写真で確認したところ、ビルがカギ括弧みたいな形になっており、そこを橋渡しするように看板が設置されているようだ

看板が見える位置を探す

普通に考えればこの方向からなら見えるだろう、という場所に回り込んでみる。すると、ごくピンポイントで看板の全景が見える位置があった
よく見えないなぁと思って近づくと、手前のビルに阻まれ見えなくなる。近づくと離れていく、こじらせた愛情のような看板である

いちおう看板の全景は見えた。なのだけど、遠いのと角度が付き過ぎていて、肉眼ではよく分からなかった。結局、どこからも読めないのと同じである。 

望遠で撮影するとこの通り。と言いたいところだけど、パースがかかり過ぎてよく分からねえ……
画像処理の力を借りて補正してみた。ようやく明らかになる看板の文字。なるほど、前田だったのか
他にも見える角度がないか、周囲をグルグル回ってみたけれど、
当然のように、
どこからも見えないのであった
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 電車からなら見えるのか?

ビルの前を、大阪環状線の高架が通っている。もしかすると、電車が走る高さ・角度からなら見えるのかもしれない。一縷の望みを託して、電車の車窓にかぶりつく。 

はい、地上から見るのと何ら変わりませんでした……

手前の建物があとから建って(少なくとも2009年以前)、それによって見えなくなったというので間違いなさそうだ。そして、いまでは、ほぼどこからも見えない

アクロバティックで面白いけれど、なんとも悲しい看板であった。 

ちなみにすぐ近くには、ダイキンのマスコット「ぴちょんくん」の看板、通称「大ぴちょんくん」がある。こっちはどこからでもよく見えて(大阪駅からも見える)、いまや梅田のちょっとした名物になっている

 身近な絶景 

友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。

2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。

 

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