駅を出た瞬間りんごが出迎え
メルカリのデータによると青森県の人はメルカリでりんご売りがちなのだとか。
実は僕もメルカリでりんごを買ったことがあるのでこれ自体には納得なのだけれど、実際のところ現地ではどうなんだろう。なにより今は8月なのでりんごの時期ではないだろう。では夏の青森では何が売られているのか。興味ある。
そう思って新幹線の新青森駅を出たらすぐにりんごがあった。
さすが青森である。真夏でも関係なくりんご推しなのか。それは駅のお土産売り場でも体感できる。
とはいえやはり真夏。生のりんごは探したけれど見つけられなかった。
やはり真夏にりんごは手に入らないのだろうか。店員さんに聞いてみた。
「夏にとれるりんごもあるにはあるんですけどね。こういうお土産屋さんに並ぶのはやっぱり秋からですね。」
やはり早すぎたか。どこかでりんごを買える場所はないでしょうか。
「りんごは収穫してから一度冷蔵倉庫で保存するんです。そこから順番に出荷していくので、スーパーなんかだと年中買えますよ。そっちで買った方が安いしおすすめ。」
観光案内所でりんごが買えそうな近くのスーパーと、ついでに新青森駅あたりでおすすめのスポットがないか聞いてみた。
駅から外に出て驚いたのだけど、青森、肌寒いのだ。僕は今朝まで岩手にいて、32℃あって蒸し暑かった。ところが青森に着いたら23℃である。風が吹くと涼しいを通り越して寒い。
天気予報を見るとついこの間まで30℃以上あったみたいなんだけど、さすが本州最北の県である。天候次第でこんなに寒いとは。短パンで来たのは完全に油断した。
震えながらバスに乗り、案内所で勧めてもらった三内丸山遺跡で降りた。
三内丸山遺跡は縄文時代の大規模な集落の跡である。縄文の人たちはよくあの薄着で東北の冬を乗り越えられたな、と来る途中思っていたのだけれど、当時は今よりかなり暖かかったらしい。
遺跡はこの建物の裏手にあって、広い発掘現場を歩いて見て回ることができる。
こういう博物館とかって、近くに住んでいると子供の頃に遠足で来ると思うのだけれど、あの頃は面白さがいっさいわからなかった。それが大人になってから来ると、ものすごく面白いので遠足は大人こそやるべきだと思うのだ。縄文時代の人、ここで栗の木育ててたらしいですよ、すごくないですか。
太古のロマンに思いを巡らせていたところ、大粒の雨が降ってきた。
雨と風が強まるとさらに寒い。そういえば僕は青森までメルカリの取材で来てたはずなのに、遺跡に直行していま雨に濡れて駅に帰ろうとしているな。
このままじゃいけないと、雨の弱まった瞬間を狙って近くのスーパーまで小走りで行ってきた。
スーパーにはりんごが売られていた。この時期としてはさすがの品数だ。やはり青森、地元でもりんごやりんごにちなんだ商品を売りがち。
とはいえやはり今は8月。スイカやメロンやトウモロコシなんかが前へ前へと出てきていた。いくら青森のりんごといえども旬にはかなわないのだ。
それでもようやく見つけた青森のりんごである。ひとつ買って食べてみた。
青森のりんごは夏でもシャキシャキ瑞々しかった。お土産売り場でおねえさんが言っていたように、これは青森のりんご冷蔵技術のおかげなんだろう。
駅まで帰る途中でりんごの冷蔵倉庫をみかけた。
倉庫のシャッターが空いていたので「おじゃましま~す」と声をかけたら奥から掃除をしていたおじさんが出てきてくれた。開口一番「今年の分はもう全部出ちゃったよ。」と。
聞くと収穫後に冷蔵保存していたりんごを通年にわたって出荷しているのだとか。こうした倉庫が青森にはいくつもあって、収穫時の供給過剰をコントロールしているらしい。
いままで考えたこともなかったけど、そうやって季節の果物を一年中食べられるようにしてきたのだ。さすが縄文から続く歴史ある土地である。人間最高(かわった結論で終わろうとしています)。
青森の人がりんご売りがちなのは、収穫量が多いことに加え、冷蔵技術の進歩が下支えしているとわかった。僕たちは安心してりんごを買おう。メルカリでも買えるので試してみてください。
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記事リスト
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滋賀県:滋賀の人は箱メガネをよく買う?
京都府:京都の人は梅とぶぶ漬けをよく買うらしいので、京都でお茶漬けを食べて梅干しを買う
東京都:東京ではアニメグッズ買いがちって本当なのか
奈良県:奈良の人は(メルカリで)仏像をよく買う……のか?
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栃木県:餃子の売り買いしがちな栃木県に、新しい乗り物「ライトライン」が開通します
埼玉県:埼玉の人がアクリルスタンド買いがちって本当なのか
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群馬県:群馬の人、上毛カルタ買いがちって本当だろうか
山梨県:山梨県の人は真夏でもほうとう売り買いしがちなのか
和歌山県:和歌山なのに奈良漬けと松阪牛?どういうことか考える
富山県:富山の人がとろろ昆布買いがちって本当だろうか
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兵庫県:兵庫の人はピアノをどれぐらい弾くのか
秋田県:秋田の人、いぶりがっこ売りがちって本当なのか
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福島県:福島の人が自動車買いがちなのは行きたいところがいろいろあるからかもしれない
青森県:青森の人がりんご売りがちなのは冷蔵技術のおかげ
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岐阜県:岐阜の人はあんかけスパを食べているのか
鳥取県:鳥取砂丘のラクダに乗る
静岡県:静岡の人は一年中新茶売りがちだし鳥もかわいい
高知県:高知の人はよさこいグッズをどこで買うのか
島根県:漁村の民家に激突した隕石を見に行く
三重県:三重でダイビングをあきらめてうなぎを食べる
広島県:広島の人はお好み焼きを食べるときにヘラしか使わないのか?
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福岡県:とんこつラーメン売りがちな福岡で結局うどんを食べる
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佐賀県:「佐賀県民はメルカリで天ぷら鍋を売りがち」とは一体どういうことか調べたら、最終的にイカの活造りを食べることに
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長野県:長野は参考書がたくさん売られているし、おやきも美味しい
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大分県:「大分の人はメルカリでクリスマスツリーを売りがち」の謎