特集 2025年4月14日

群雄割拠!餃子の王様はいたるところにいる

以前、浅草で「餃子の王さま」というお店を見つけた。

その時は行列がすごくて入れなかったのだが、王を名乗るくらいの餃子、一体どんな味なんだろう…と強く印象に残った。

気になってみると、自分の住む調布市にも餃子の王はいるみたいだ。

しかも市内だけで2人も。さらに隣の府中市にもいるらしい。チェーン店ではない。それぞれ別々の王なのだ。

王って、そんなにカジュアルにひしめきあっていていいのか。東京はいつのまにか戦国時代だったのか。

そんな6人(店)の餃子の王たちを食べ歩きました。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

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①調布市「食神 餃子王」…パリパリ小籠包な餃子

最初の王は私が住む調布にいた。

というか、自分が20代の頃によく通っていたお店だ。

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調布駅から徒歩5分程度、電気通信大学の向かいにある
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食の神かつ餃子の王。すごい名前だ
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町中華でありながら、本格中国料理なのだ

これから出てくる王にも言えることなのだが、餃子王という名前のお店だからといって、別に餃子に特化したお店というわけではない。

ちゃんと、山ほどの中華料理のメニューがあって、さらに餃子にもこだわっている…というお店が多い。

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ここはとにかくたらふく食える。そして安い。昔は580円、今も750円で中華定食が食べれるのだ(2025年4月現在)

白米はしっかり大盛でくるのだが、さらにお代わりもできるため、店内はいつも電通大の学生さんたち(9割男)でひしめきあっている。

席につくなり「1番!」とか「4番お願いします!」という風に、定食の番号を次々と注文していく。学食みたいな場所なのだ。宴会のできる大きな円卓が3つあるけど、たいていは1人客が間隔をあけて座って思い思いに食べている。

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点心メニュー。今日はチャーハンと焼き餃子のセットと、フカヒレ蒸し餃子を頼む

自分も定食以外を食べるのははじめてだ。

若いときに通ったお店で、すこし高級なものを頼むのってなんだか気恥ずかしいよね。

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ドン!とまず置かれる水

まず、水を生中のジョッキでくれる。

豪快なのだ。

その豪快さが、王に歓待を受けている気持ちになる。

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餃子は450円だけど、セットになると780円で食べられる。それにしても330円分とは思えない炒飯の量。
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パリパリの羽根がついたタイプ
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裏返すとジューシーな本体が。このコントラストが王だ
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美味い!

パリッと食感のよい羽根の下に柔らかい皮、そしてよくこねられた肉汁たっぷりの餡が。

野菜メインのいわゆる日本の焼き餃子とは違い、小籠包を思わせる品の良いジューシーさだ。上品、かつメインがしっかり肉なのだ。

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フカヒレ蒸し餃子もくる。手の込んだひだひだ。
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野菜の甘味といろんな旨味がいっぺんにくるぞ。竜宮城で出てきそうな多幸感あふれる味
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炒飯はほんのり中国の味のする炒飯。たっぷりの玉子が香ばしくておいしい
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そして水が美味い

30代半ばの自分にはわりと早い段階で満腹中枢が働いてくる。でも、美味しいから食べられるぞ。

若いときはボリュームたっぷりでわかりやすく美味しい、そんな店だと思っていた。

だが今、王であることを意識して食べてみると、中国料理の余裕のようなものが感じられる品のよい餃子だった。

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胃も心も満たされた

帰り際、店主さんに店名の由来を聞いてみると、香港映画に『食神』という作品があるらしい。調べてみると『少林サッカー』の監督が若い頃につくったコメディ映画だとか。

では、餃子王は…?と聞くと、当時東京は餃子ブームだったからね~とのこと(2000年創業)。餃子ブームの時に王とつけるんだから、それだけの自信があったのだろう。

食神 餃子王。そのインパクトに負けていない、王の餃子だった。

 

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②調布市国領「餃子王 King」…イケイケなチャンピオン的餃子

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まさか市内に2軒も王がいるとは思わなかった

2軒目は調布駅の隣の隣の駅、国領にある餃子王だ。

こちらの方があたらしく出来たお店。

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餃子王を名乗り、さらにその下にダメ押しのKingまで。並々ならぬ自信を感じる

こちらのお店は直売所がメインだが、中で焼きたての餃子を食べることもできる。町中華、というより居酒屋感のある店内。 

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メニューもひだひだ
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King族ってなんだ
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今時なネオンライトまである
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さすがに餃子の種類は多い。今回は焼き餃子(にんにくあり)と三鮮水餃子を頼んだ
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さっそく到着した焼き餃子!

ジューッという鉄板の音とともに、皮(小麦粉)の焼ける香ばしい匂いがする。

美味しさが五感に訴えてくる。

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ヒダの方も鉄板で焼かれた結果、パリパリとモチモチの中間の部分ができている
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かぶりつくと、パリとモチが一緒にくる。何より餡が激しい!

おお、ガツンとくるニラとニンニク。それに負けない豚の旨味。

食神とは真逆をいく味付けだが、これもわかりやすくKingの味がする。

格闘技のチャンピオンって感じだ。

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ラー油をつけて、ご飯と一緒に食べたくなる
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三鮮水餃子もきた。三鮮とはエビ、ホタテ、肉のこと
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これも具沢山で美味しい

タレをつけなくても十分濃い。じゅわっと魚介と肉の旨味がつまっていて、トリプルスープなラーメンみたいだ。

戦国時代、下剋上して勢力を拡大中のイケイケの殿様…そんな感じの餃子王だった。

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汁だくなルーローハンもおいしかった

 

⏩ 国立の王はもっちりした皮が魅力の老舗の味

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