①調布市「食神 餃子王」…パリパリ小籠包な餃子
最初の王は私が住む調布にいた。
というか、自分が20代の頃によく通っていたお店だ。



これから出てくる王にも言えることなのだが、餃子王という名前のお店だからといって、別に餃子に特化したお店というわけではない。
ちゃんと、山ほどの中華料理のメニューがあって、さらに餃子にもこだわっている…というお店が多い。

白米はしっかり大盛でくるのだが、さらにお代わりもできるため、店内はいつも電通大の学生さんたち(9割男)でひしめきあっている。
席につくなり「1番!」とか「4番お願いします!」という風に、定食の番号を次々と注文していく。学食みたいな場所なのだ。宴会のできる大きな円卓が3つあるけど、たいていは1人客が間隔をあけて座って思い思いに食べている。

自分も定食以外を食べるのははじめてだ。
若いときに通ったお店で、すこし高級なものを頼むのってなんだか気恥ずかしいよね。

まず、水を生中のジョッキでくれる。
豪快なのだ。
その豪快さが、王に歓待を受けている気持ちになる。




パリッと食感のよい羽根の下に柔らかい皮、そしてよくこねられた肉汁たっぷりの餡が。
野菜メインのいわゆる日本の焼き餃子とは違い、小籠包を思わせる品の良いジューシーさだ。上品、かつメインがしっかり肉なのだ。




30代半ばの自分にはわりと早い段階で満腹中枢が働いてくる。でも、美味しいから食べられるぞ。
若いときはボリュームたっぷりでわかりやすく美味しい、そんな店だと思っていた。
だが今、王であることを意識して食べてみると、中国料理の余裕のようなものが感じられる品のよい餃子だった。

帰り際、店主さんに店名の由来を聞いてみると、香港映画に『食神』という作品があるらしい。調べてみると『少林サッカー』の監督が若い頃につくったコメディ映画だとか。
では、餃子王は…?と聞くと、当時東京は餃子ブームだったからね~とのこと(2000年創業)。餃子ブームの時に王とつけるんだから、それだけの自信があったのだろう。
食神 餃子王。そのインパクトに負けていない、王の餃子だった。
②調布市国領「餃子王 King」…イケイケなチャンピオン的餃子

2軒目は調布駅の隣の隣の駅、国領にある餃子王だ。
こちらの方があたらしく出来たお店。

こちらのお店は直売所がメインだが、中で焼きたての餃子を食べることもできる。町中華、というより居酒屋感のある店内。





ジューッという鉄板の音とともに、皮(小麦粉)の焼ける香ばしい匂いがする。
美味しさが五感に訴えてくる。


おお、ガツンとくるニラとニンニク。それに負けない豚の旨味。
食神とは真逆をいく味付けだが、これもわかりやすくKingの味がする。
格闘技のチャンピオンって感じだ。



タレをつけなくても十分濃い。じゅわっと魚介と肉の旨味がつまっていて、トリプルスープなラーメンみたいだ。
戦国時代、下剋上して勢力を拡大中のイケイケの殿様…そんな感じの餃子王だった。
