広告企画 2023年8月22日

岩手の人は宮沢賢治グッズ買いがちだし大人になったらぜひ読み直してほしい

メルカリが持つ大量の売買データを分析すると、他県に比べて岩手の人はメルカリで宮沢賢治グッズを売り買いしがちなのだという。

そりゃあ宮沢賢治は岩手県の誇る作家なわけだが、だからといってみんなグッズを買うのか。現地に行ってきました。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

花巻へやってきました

メルカリの持つデータによると、岩手の人はメルカリで宮沢賢治グッズを売り買いしがちなのだとか。

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宮沢賢治グッズ売り買いしがち

宮沢賢治は岩手を代表する作家である。それはそうなのかも。

メルカリ以外でも現地で売り買いしてるのかどうか、確かめるために宮沢賢治のふるさと、岩手県花巻市にやってきた。

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新花巻駅に到着。

宮沢賢治の本は僕も子どもの頃にいくつか読んだことがある。中でも「オツベルと象」は実家にあった本の中でもかなり印象深いものの一つだ。なにせ表紙が怖かったから。

オツベルと象に限らず、宮沢賢治の作品はなぜか子ども心に「なんかちょっと怖い」という印象があった。オツベルはさいご象にぺしゃんこに潰されてしまう。

「銀河鉄道の夜」を読んだ時の衝撃というか、ふわふわ感は今でも覚えている。小説ってこんなに自由に書いていいんだ、と思ったし、その記憶は今でも僕の中で何かを支えているのかもしれない。

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やってきました山猫軒。宮沢賢治記念館にあります。やっぱりちょっと絵が怖いよなあ。

宮沢賢治記念館にある売店は、夏休みということもあってかなりにぎわっていた。

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すごい人気でした。
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この子はこの状態でお店に入ってきて、店内でもそのまま本を読み続けて、そのまま出て行った。かなりの宮沢賢治フリークだな、と思って本の表紙をちらっと見たら宮沢賢治ではなかった。でもその読書集中力はすばらしいと思います。

ここが宮沢賢治記念館だからということもあると思うが、売店では宮沢賢治グッズがばんばん売れていた。

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飛ぶように売れていました。
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雨にもまけずクッキー。

聞くと県外からの観光の方が多いとのこと。

「岩手の人は遠足とかで子どもの頃に来ちゃうから、わざわざまた来ないのかも。でもまた子どもが生まれたりするとその子を連れて来たりしてね。あとは大人になってまた読みたくなって買われていく人も多いですよ。」

メルカリとかネットでも売り買いされてるみたいですよ、と聞くと、でもやっぱり記念館に来てもらってね、ここで見て買ってもらうと違いますよね、と。

なるほど、僕も気になっていた「銀河鉄道の夜」の文庫を買ってみた。ずっとずっと前に読んだことがあるけど、読み直すならこの機会だと思ったのだ。

調査優先のため先に売店に来てしまったが、本丸は記念館である。実はちょっと前にも来たことがあったのだが、あらためて来てみた。

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宮沢賢治記念館。
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テキストを読み始めるときりがないくらい情報が多い。
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宮沢賢治が使っていたというセロ(チェロ)。ボディの中にMKのサインが入っています。

今回、ラッキーなことに特別展として銀河鉄道の夜が取り上げられていた。代表作なので読んだことある人も多いのではないか。

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ラッキーなタイミングでした。
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手書きの原稿がある!

 僕もいちおうライターのはしくれでもあるし、末端で生きる編集者でもあるので(卑下しすぎだ)人の原稿を読むのには慣れているし好きだ。いま、宮沢賢治の手書きの原稿が入稿されたとしよう。そのとき僕はどう生きるのか、そういう目線で原稿チェックさせてもらった。

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かなり長い時間かけて読ませていただきました。

これは今まで以上に生身の宮沢賢治を感じることができる体験だった。手書きの原稿を見るのが珍しくなっているからか、句読点の打ち方、漢字とひらがなのバランス(ひらがながかなり多かった)、改行の仕方、説明部分の少なさなどなど。

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大胆にカットしたなー、という場所もある。ほかにもなんでそこ削ったのかとか、逆に重複してるのに削らずに生かしてる部分もある。

これはもう運命だろうと思い、さっき買った銀河鉄道の夜を記念館のカフェコーナーで読んだ。

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子どもの頃に読んだのとかなり見え方が違いました。

岩手の人がメルカリで宮沢賢治グッズを売り買いしがちっていうのは、たぶんあまりにも身近だからだろう。きっと子供の頃から近くに感じていたに違いない。そういう作家が地元にいるのっていいですよね。

何十年ぶりかに読み直した銀河鉄道の夜は、子どもの頃読んだときよりさらに広がりのある小説でした。

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近くには宮沢賢治がよく行ったというイギリス海岸(北上川)もあります。

 

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メルカリの作った47都道府県タオルに書かれたことは本当なのか。全部行って確かめる旅に出ます。

企画説明はこちら!
メルカリの47都道府県タオルに書かれたことが本当なのか、全部行ってみることにしました

記事リスト
千葉県:千葉の人が落花生をあまり買わないって本当か
滋賀県:滋賀の人は箱メガネをよく買う?
京都府:京都の人は梅とぶぶ漬けをよく買うらしいので、京都でお茶漬けを食べて梅干しを買う
東京都:東京ではアニメグッズ買いがちって本当なのか
奈良県:奈良の人は(メルカリで)仏像をよく買う……のか?
神奈川県:神奈川県の人、日傘・傘・カッパ買いがちって本当なのか
栃木県:餃子の売り買いしがちな栃木県に、新しい乗り物「ライトライン」が開通します
埼玉県:埼玉の人がアクリルスタンド買いがちって本当なのか
茨城県:茨城の人が干し芋売りがちって本当なのか
群馬県:群馬の人、上毛カルタ買いがちって本当だろうか
山梨県:山梨県の人は真夏でもほうとう売り買いしがちなのか
和歌山県:和歌山なのに奈良漬けと松阪牛?どういうことか考える
富山県:富山の人がとろろ昆布買いがちって本当だろうか
福井県:福井の人、お笑いチケット買いがちって本当か
大阪府:大阪で真珠やダイヤを買うのはだれ?
石川県:石川の人、加賀友禅買いがち、というより何にでも金箔乗せがち
宮城県:宮城の人が売り買いしがちだという「工大バッグ」とは何か
愛媛県:愛媛の人がメルカリでテニスラケット売りがち?
兵庫県:兵庫の人はピアノをどれぐらい弾くのか
秋田県:秋田の人、いぶりがっこ売りがちって本当なのか
山形県:山形ではさくらんぼ売りがちだしなにしろお米が美味しいし
香川県:うどん買いがちな香川の人はどれほどうどんが好き?
福島県:福島の人が自動車買いがちなのは行きたいところがいろいろあるからかもしれない
青森県:青森の人がりんご売りがちなのは冷蔵技術のおかげ
岩手県:岩手の人は宮沢賢治グッズ買いがちだし大人になったらぜひ読み直してほしい
愛知県:愛知では信長グッズに限らず、秀吉グッズも家康グッズも人気
岡山県:桃太郎グッズとはなんなのか? そして桃太郎の真相を知る……
岐阜県:岐阜の人はあんかけスパを食べているのか
鳥取県:鳥取砂丘のラクダに乗る
静岡県:静岡の人は一年中新茶売りがちだし鳥もかわいい
高知県:高知の人はよさこいグッズをどこで買うのか
島根県:漁村の民家に激突した隕石を見に行く
三重県:三重でダイビングをあきらめてうなぎを食べる
広島県:広島の人はお好み焼きを食べるときにヘラしか使わないのか?
山口県:山口県民が買いがちという「瓦そば」って一体なに?
徳島県:徳島の人は阿波おどりグッズをどこで買っているの?
福岡県:とんこつラーメン売りがちな福岡で結局うどんを食べる
新潟県:新潟の美味いラーメンと、キムタクも食べた柿の種
佐賀県:「佐賀県民はメルカリで天ぷら鍋を売りがち」とは一体どういうことか調べたら、最終的にイカの活造りを食べることに
長崎県:幻の「長崎天ぷら」を追う
長野県:長野は参考書がたくさん売られているし、おやきも美味しい
熊本県:知っているようで知らない「からし蓮根」を知る旅
鹿児島県:鹿児島で焼酎の蔵を見学する
宮崎県:宮崎県民のソウルたれ「戸村のたれ」で焼肉を食べて目が覚める
大分県:「大分の人はメルカリでクリスマスツリーを売りがち」の謎

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