メルカリの作った47都道府県タオルに書かれたことは本当なのか。全部行って確かめる旅に出ます。
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メルカリの47都道府県タオルに書かれたことが本当なのか、全部行ってみることにしました
記事リスト
千葉県:千葉の人が落花生をあまり買わないって本当か
滋賀県:滋賀の人は箱メガネをよく買う?
京都府:京都の人は梅とぶぶ漬けをよく買うらしいので、京都でお茶漬けを食べて梅干しを買う
東京都:東京ではアニメグッズ買いがちって本当なのか
奈良県:奈良の人は(メルカリで)仏像をよく買う……のか?
神奈川県:神奈川県の人、日傘・傘・カッパ買いがちって本当なのか
栃木県:餃子の売り買いしがちな栃木県に、新しい乗り物「ライトライン」が開通します
埼玉県:埼玉の人がアクリルスタンド買いがちって本当なのか
茨城県:茨城の人が干し芋売りがちって本当なのか
群馬県:群馬の人、上毛カルタ買いがちって本当だろうか
山梨県:山梨県の人は真夏でもほうとう売り買いしがちなのか
和歌山県:和歌山なのに奈良漬けと松阪牛?どういうことか考える
富山県:富山の人がとろろ昆布買いがちって本当だろうか
福井県:福井の人、お笑いチケット買いがちって本当か
大阪府:大阪で真珠やダイヤを買うのはだれ?
石川県:石川の人、加賀友禅買いがち、というより何にでも金箔乗せがち
宮城県:宮城の人が売り買いしがちだという「工大バッグ」とは何か
愛媛県:愛媛の人がメルカリでテニスラケット売りがち?
兵庫県:兵庫の人はピアノをどれぐらい弾くのか
秋田県:秋田の人、いぶりがっこ売りがちって本当なのか
山形県:山形ではさくらんぼ売りがちだしなにしろお米が美味しいし
香川県:うどん買いがちな香川の人はどれほどうどんが好き?
福島県:福島の人が自動車買いがちなのは行きたいところがいろいろあるからかもしれない
青森県:青森の人がりんご売りがちなのは冷蔵技術のおかげ
岩手県:岩手の人は宮沢賢治グッズ買いがちだし大人になったらぜひ読み直してほしい
愛知県:愛知では信長グッズに限らず、秀吉グッズも家康グッズも人気
岡山県:桃太郎グッズとはなんなのか? そして桃太郎の真相を知る……
岐阜県:岐阜の人はあんかけスパを食べているのか
鳥取県:鳥取砂丘のラクダに乗る
静岡県:静岡の人は一年中新茶売りがちだし鳥もかわいい
高知県:高知の人はよさこいグッズをどこで買うのか
島根県:漁村の民家に激突した隕石を見に行く
三重県:三重でダイビングをあきらめてうなぎを食べる
広島県:広島の人はお好み焼きを食べるときにヘラしか使わないのか?
山口県:山口県民が買いがちという「瓦そば」って一体なに?
徳島県:徳島の人は阿波おどりグッズをどこで買っているの?
福岡県:とんこつラーメン売りがちな福岡で結局うどんを食べる
新潟県:新潟の美味いラーメンと、キムタクも食べた柿の種
佐賀県:「佐賀県民はメルカリで天ぷら鍋を売りがち」とは一体どういうことか調べたら、最終的にイカの活造りを食べることに
長崎県:幻の「長崎天ぷら」を追う
長野県:長野は参考書がたくさん売られているし、おやきも美味しい
熊本県:知っているようで知らない「からし蓮根」を知る旅
鹿児島県:鹿児島で焼酎の蔵を見学する
宮崎県:宮崎県民のソウルたれ「戸村のたれ」で焼肉を食べて目が覚める
大分県:「大分の人はメルカリでクリスマスツリーを売りがち」の謎
宮城で売買されているという工大バッグとは
メルカリのデータによると、宮城県では工大バッグが売り買いされがちなのだとか。
いろいろわからなかったので現地に行ってみた。仙台では道行く人が工大バッグを使っているのだろうか。
ネット調べによると「工大バッグ」は15年以上前に仙台を中心に高校生の間で流行ったものなのだとか。いわゆるスクールバッグで、KODAIとプリントされている。当時は東北工業大学高校(現在の仙台城南高校)の売店で買えたのだとか。
なにしろ10年以上前の話である。当時のことを知ってる人がいないか、そしてもしかしたら名前の出どころでもある「工大」に行けば見つけられるんじゃないかと、東北工業大学へ行ってみた。
あいにく夏休み期間で売店が閉まっていたが、サッカーをしている学生さんがいたので話を聞いた。
――すみません、工大バッグって工大の売店で売られていませんか?
「いや、知らないですね、なんですかそれ」
――工大バッグ知らないです?メルカリでよく売買されているって聞いたんですが。
「(スマホでメルカリを見て)あー、これかー。自分、三年生で、居酒屋でバイトしてるんですけど、工大ですって言った時にお客さんが工大バッグの工大?って言ってきたことがあって」
「工大の売店では売ってないと思うので、今ならそれこそメルカリとかネットで買うしかないでしょうね。あとは古着屋とか」
ネット情報によると、かつて工大のイベントで工大バッグのmini版が売られたことがあるらしい。しかし今は現行品としては売られていないみたいだ。
工大の学生さんに聞いた仙台市内にあるおしゃれな古着屋を訪ねた。
――すみません、工大バッグっていう10年以上前に流行ったスクールバッグを探しているんですが。
「工大バッグ??」
――工大バッグってご存じですか?
「いや、ちょっと知らないな。(スマホで調べながら)あー、はいはい、なるほど。こういうスクールバッグは学生さんがよく使ってますよね。僕は仙台出身じゃないんですが、工大バッグっていうんだこれ。」
古着屋のおにいさんは他の店員さんにも聞きながら店内を探してくれたが、やはり工大バッグは置かれていなかった。そもそもここはアメリカンビンテージのお店である。仙台ビンテージとも言えそうな工大バッグまではカバーしていないのだ。
このあと「いまの学生さんはミカサのバッグをよく使ってますよ」という情報を聞いた。知らない名前がずんずん出てくる。ミカサが売られているというスポーツ用品店へ行ってみた。
ミカサのバッグとは?
――すみません、このへんの学生さんがよく使っているっていうミカサのバッグを探してるんですが。
すでに工大バッグはどうでもよくなってきているがこれがリアル文化の遷移である。多めに見てほしい。
「ああ、ミカサですね。こちらです」
学生さんが部活で着替えを入れたりしそうなナイロン製の薄いバッグのコーナーに、それはカラフルに配置されていた。
ミカサのバッグはひとつ990円だった。マチもあってエコバッグとしても使いやすそうである。
――ミカサのバッグって流行ってるんですか。
「なんだかずっと売れているんですが、このところまた流行りだしたような気がしますね。毎年カラーバリエーションが増えたり、ロゴがラメになったりして。使いやすいんでしょうね、きっと。」
ちなみに、と聞いたこの店員さんは、工大バッグを知りませんでした。
工大バッグが流行ったころにメルカリがあったら、もしかしたら仙台の流行はもっと全国展開されていたかもしれない。
と思ったのだけれど、いまミカサが流行っているのもおそらく仙台を中心とした狭い範囲なんじゃないか。こういう局所的に流行るものって、面白いですよね。
宮城の人が工大バッグ売買しがちだったのは、リアルではずっと前の話なんだと思います。