特集 2025年4月16日

ミスドでチャーハンを食べる背徳感

みんながドーナツ食べてる前でチャーハンを食べる背徳感

ミスタードーナツにはチャーハンを出してくれる店舗がある。

みんながドーナツを食べている中、ひとりチャーハンを食べる気持ちはどんなものなのか、体験してきました。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

前の記事:八景島でサメバーガーが食べたかっただけなのに

> 個人サイト むかない安藤 Twitter >ライターwiki

チャーハンを食べたあとに寄ったミスドにて

この日は集まってチャーハンを食べるだけの部活「チャーハン部」の活動日だった。

活動の詳細は活動の詳細はチャーハン部の記事として同時公開されているはずなので、よかったらあわせて読んでください。(新しいタブで開きます)

P3243483.JPG
チャーハン部メンバーであるライター江ノ島さんと月餅さん。最近では集まってチャーハンを食べるが記事は書かない、という肩慣らしみたいな活動もしていることをここに告白しておきます

チャーハン部の活動は基本的にしっかりとチャーハンを食べるので、終わるとおなか一杯になる。それこそ歩けないくらいになることもざらだ。

この日も胃の重さに幸せな充足感を感じながら、前かがみで駅までの道を歩いていたのだが、ふと「ミスドでも行きますか」ということになった。

どういう流れだったのかは忘れたが、この(絶対ない)というタイミングでの「ミスドでも行きますか」に、互いへの闘争心というかプライドみたいなものを感じた。

P3243488.jpg
「近くにミスドがあるのでちょっと寄っていきますか」
P3243490.jpg
「でももうチャーハンで腹いっぱいなので、食べれても一つ二つですね」

チャーハン部部長であるライターの江ノ島さんはしきりに「もうおなかは一杯ですけどね」「安藤さんぜったいドーナツなんて食えないでしょう」とけん制してくるのだが、べつにドーナツ食べなくたってコーヒーを飲むからいいのだ。

P3243498.jpg
「安藤さん大丈夫ですか、食べられます?」ノーと言えないようなプライドのくすぐりかたをしてくるのがチャーハン部である

僕もおなか一杯だが、それはみんなも同じはずである。入るというなら入ろうじゃないか、やってやんよ。書いていて思うが、僕らもそろそろ「負け方」みたいなものを学ぶ時期なのではないだろうか。

しかし、いざミスドに入っていい匂いのするドーナツたちと対峙すると皆の目の色が変わったのがわかった。

P3243507.jpg
「おなか一杯なので」と言っていた二人がドーナツをほいほいトレイに乗せていくのを見て、チャーハン部の底知れない可能性を感じました
いったん広告です

そして事件が起きる

まあそうだろうな、とも思っていたので、いまさらどれだけトレイにドーナツを載せられても驚きはしなかったが、レジで会計する時にちょっとした事件が起きた。

P3243511.jpg
「待ってください安藤さん」
P3243516.jpg
P3243526.jpg
「いいんですか」
P3243512.jpg
「チャーハンありますよ」

「チャーハンありますよ」
「ありますね」

みんなで集まってチャーハンを食べる部活、それがチャーハン部。つまり集まったお店にチャーハンがあるのにチャーハンを食べないのはおかしくないですか、ということらしい。

そんなこと言ったら帰り道にコンビニに寄っただけでもチャーハン買わないといけなくなるのだけれど、確かにミスドのチャーハンは食べてみたい気もした。

勝負である。ここは僕が、と名乗り出てチャーハンを注文した(ドーナツは持ち帰りにしてもらいました)。

そうしたら、である

P3243527.jpg
「じゃあ僕はこっちにしますね」と江ノ島
P3243529.jpg
ええっと、部長?

もうおなか一杯なのでドーナツは一つか二つが限界かもしれない、と言っていた部長が、である。

部員である僕がチャーハンを注文したのが気に入らなかったのだろうか、でかいピザみたいな「ピザッタ台湾風ルーロー」といういかにもおなかに溜まりそうなものをすかさず注文していた。

P3243537.jpg
江ノ島さんはピザみたいなやつを一口食べた後、ちょっと考えてからドーナツに手を伸ばした。その間、彼はずっと僕のチャーハンを見ていた
いったん広告です

ミスドでドーナツを食べずにチャーハンを食べる

というわけでミスドでチャーハンである。

ミスドには店舗によって飲茶というメニューがあって、あっさりした麺を食べることができる。ずっと前にそれを知って興味本位で食べてみた時も(おれドーナツ屋さんで麺類食べてるな)という背徳感みたいなものを感じたものだ。

今回はチャーハンである。しかもさっきチャーハン食べてきたあとのチャーハンだ。その背徳感はあっさりした麺の比ではない。

P3243552.jpg
そんなことないと思うんだけど、お店にいた全員に見られてるような気がしました
P3243561.jpg
えいや!
いったん広告です

優しいチャーハンです

背徳感の中で食べたミスドのチャーハンは、優しい味だった。

にんにくやネギのがっつり効いたパンチのあるチャーハンとは違い、朝から食べたくなるような優しい味のチャーハン。たまごチャーハンという名前の通りふわふわのたまごの比率が多く、しっとり系なんだけど、たまごのおかげでパラパラ食感に感じられるという不思議。

正直、厨房で中華鍋を振って作っているわけではないと思うので、それほど本格的なものを期待していたわけではないのだけれど、さまざまな制限をふまえたうえで、ちょうどよい完成度で仕上げてきたな、という印象だ。チャーハンとピラフの中間くらいの、さらっとした上品な一皿だった。

P3243607.jpg
ただ、もう少しおなかすてる時に食べたかった、というのが本心です
P3243614.jpg
「でも安藤さん、ミスドなんだからぜったいドーナツの方が美味しいですって」
P3243608.jpg
そりゃあドーナツ屋さんだからドーナツが美味しいでしょうよ
P3243618.jpg
結局江ノ島さんはでかいピザみたいなやつと、ドーナツを2個食べていました
いったん広告です

ちょうどいいチャーハン

ドーナツだけでおなか一杯になろうとすると、いくつも食べることになりカロリーもなかなかのものになってしまうだろう。

そういう時にチャーハンである。

これを一皿食べておけば、あとは好きなドーナツをひとつ二つ注文してゆっくり過ごせるのではないか。おなか一杯になって眠くなっちゃうかもしれないが、それはコーヒーでも飲んでなんとかしてほしい。

P3243625.jpg
眠くなったので江ノ島さんが美味そうに飲んでいたコーヒーを奪いました

以上、チャーハン部のあとで食べたミスドのチャーハンについてでした。チャーハンはどこで食べても美味しいですね。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
ちょうどほぼ同時のタイミングで同日撮影の記事が届いたので、同時公開にしてみました。
この記事の見どころはなんといっても、安藤さんにチャーハンを食べる圧をかける「いいんですか」の江ノ島さんの顔。こんな悪い顔の江ノ島さんは初めて見ました。そして謎にピザを頼む江ノ島さん。でもドーナツも2個食べる江ノ島さん。
本題のチャーハン食べてるのは安藤さんなのに江ノ島さんにばかり目が行ってしまう記事です。でもそれも安藤さんの江ノ島愛があってこそなんですよね。(石川)

▽デイリーポータルZトップへ

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ