特集 2025年4月17日

大きなカイコを作って愛でる

絹糸を吐くということで、かつてたいへん重宝されたカイコという虫がいる。成虫は白くてふわふわの毛に覆われていて、たいへんかわいらしい。たとえ絹糸を吐けなくても、愛玩動物として重宝されたのではなかろうかと思うくらいだ。もっと大きければ愛でやすいのに......。というわけで、猫くらいの大きさにしてカイコのぬいぐるみを作ってみた。

変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。

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収納用の繭がセット

カイコの写真を載せたかったのだが、あいにく手もとにない。ぜひとも検索窓に「カイコ」と放り込んで、スクリーンに溢れるかわいいに悶えてみてほしい。「かわいい」が真っ先ににサジェストされる虫というのも、なかなかいるまい。

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一番上に「かわいい」がサジェストされる。

そして、そんな写真を参考にしつつ、できあがったのがこれだ!

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これはカバーをかぶったところ(繭玉)です。
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チャックを開けると出てくる(羽化)。
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キャッ!
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無事に羽化できました。かわいい!
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真っ白だから石の上で映える。
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羽の模様と触角の作り込みがアピールしたいポイントです!
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蚕ノ社に参る

京都には、蚕を祀った神社がある。その名もずばり「蚕ノ社(かいこのやしろ)」。近くに行く用事があったので、完成したカイコを連れて詣でることに。

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京福電気鉄道・嵐山本線(通称:嵐電)の駅名にもなっているのだ。
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立派な鳥居が。

ひょっとして狛犬の代わりに狛蚕がいたりして、などと少し期待したけれど、そんなことはなくて、一見するといたって普通の神社だった。

ただ、注意して見るとところどころ養蚕や繊維産業に関係のある文言が彫られていたりする。

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たとえばこれ。灯籠になにやら難しい字が。帰ってから調べたところ、「蠶養社」(現代表記だと「蚕養社」)と書かれているらしい。
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縮縮緬仲間。ちりちりめん仲間?(縮・縮緬(ちぢみ・ちりめん)仲間でした)
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本堂に着いた。
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詣でよう。
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……。

蚕を祀った神社なのである。手を合わせてから、困った。いったい何をお願いしたらいいのだろう?

「ぬいぐるみがうまく作れますように」

「昆虫採集が捗りますように」

「着るものに困りませんように」

有象無象の願い事が頭の中に浮かんでは消えていく。結局、はっきりこれという願いをしないまま離れてしまった。自分でもなにが欲しいかわかっていない客というものは、神様であっても持て余すにちがいない。

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君も手を合わせなさい。

パッとしないお参りだったけれど、地元でありつつ行ったことのなかった蚕ノ社に参拝できてよかった!

次は、このカイコがどうやって誕生したのか説明していこう。

⏩ 次ページはメイキングです

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