特集 2021年4月13日

「回送でも停まる」タクシーの運転手さんと街を歩く

タクシーの運転手さんとタクシー目線で街を歩く

専門家と街を歩くシリーズ、今回は個人タクシーの運転手さんと東急田園都市線三軒茶屋駅を歩く。

道路が一車線から二車線になるとタクシーはどうなるのか? タクシー乗り場がないと街はどうなるのか?

タクシーの運転手さんが見ていた景色はちがっていた。そんなタクシー中心の目線で街を歩こう。

2006年より参加。興味対象がユーモアにあり動画を作ったり明日のアーという舞台を作ったり。

前の記事:軍団を作れば勝てる!これで君も軍団を作ってみないか?

> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

今回案内してくれるのは個人タクシーの運転手であり、ライターでもあるぜつさん。街歩きの場所として三軒茶屋駅を指定していただいた。それもタクシー的におもしろい街なんだそうだ。

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ぜつさん(左)は個人タクシーの運転手。webマスター林さん(右)と歩く

そもそも個人タクシーって?

林 :個人タクシーってなるの大変なんじゃないですか?

ぜつ: まず10年間のタクシー経験、これは全年齢必須なんですけど、35歳よりも手前ですとそれに加えて同一の会社で10年間雇用、他の会社に変わるとそこでリセットという形になるんですよ。さらに無事故無違反の継続も10年間。

林 :無事故無違反はプライベートも含めてですか?

ぜつ:含めてです。加えて過失が付くとアウトですので、もらい事故でも基本過失はつきますので。

大北:自転車がふらふらっと来てぶつかってもダメなんですか?

ぜつ:それアウトですね。だから自転車はかなり気をつけないと。

林 :もうすぐ俺は個人タクシーになれるぞ!って瞬間にゴーンって来たら。何してくれるんだって。

ぜつ:そこから最低でも3年間延びます。3年後に地理試験と法令試験をあわせた試験を受けて合格すれば一応申請することができます。

林 :個人タクシーってだいたいおじいちゃんがやってるイメージ。

ぜつ:個人になってからしょっちゅう言われますね。運転手さん、ほんとに個人とったの?って。知ってる人は聞いてきますね。

大北:ぜつさんも24歳から10年ぐらい同じところにいたんですか?

ぜつ: 35〜40歳までになると同一の会社でっていうしばりが撤廃されるんですよ。加えて10年間ではなくて5年間の無事故無違反で地理試験免除で受けられる。

大北:年が上がると規制がゆるくなる理由ってわからないですね。

ぜつ:わかります。僕もかなり疑問にはずっと思っているんですけど、もともと個人タクシーの成り立ちがかなり前なんですけど、楢橋さん(※)という運輸大臣だった人がいたらしいんです。その人が個人タクシーの父とか言われているらしんですけど、その人の鶴の一声で。当時そのへんを走っているのは法人タクシーしかいなかったんですけど、それがとにかくビュンビュンとばしまくって危なかったと。その中から優秀な人達だけをチョイスして、個人タクシーを認可させてあげて。

※楢橋渡1959年に運輸大臣として反対を押し切って個人タクシー制度設立。61年には武州鉄道汚職事件収賄にて逮捕

林 :それは父ですね。

ぜつ:優秀な人をエリートみたいな形でやろうということで始まった制度なんですよ。なので年齢が若いとお前まだ青いみたいな扱いにあるのかなと解釈しているんですけど。

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三軒茶屋のビッグエコー前に集合して盛り上がってなかなか出発できません

タクシーはとにかくルールが厳しい

大北:個人タクシーって。会社に所属してないフリーランスのタクシーですよね。勝手にやっちゃだめなものなんですよね。

ぜつ:許認可事業なので、国土交通省の認可を受けないと開業できないというものにはなりますね。

大北:料金のシステムとかみんな同じなんですか?料金。

林 :俺は安いタクシーとかダメなんですか?

ぜつ:それ、できないんですよ。実は。同一地域同一運賃というのが定められていまして、価格競争させると同時に人の命を預かっている仕事なのでかなり危ないことになるんじゃないかということで。接客とかで差別化をはかっていきましょうねということにはなっているんですよ。

大北:接客で。なるほど。

林 :協会に入らないといけないんですよね。

ぜつ:これは別に強制ではないんです。東京ってだいたい提灯か、でんでんと呼ばれる渦巻状の行灯なんですけど、それ以外に四角いやつとかひし形のやつとか、長方形をのっけてる人がいるんですけど、それは完全に独立している可能性があります。小規模な組合もありますけど、それを除けば完全個人でやってる人もいて。メリットデメリットあるんですけど。

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246号を下っていきます

タクシーの運転手さんは誰を乗せてるか分かるのか?

林 :普段どのへんで営業してるんですか?

ぜつ:世田谷区で経堂駅に入ることが多いんです。ひょっとしたらですけど、林さんお見かけしたことがあるんです。一方的に。

林 :よく乗ります。タクシーに乗ってて人を認識できるのってあるんですか?

大北:有名人とか「あ、あの人だ…」とかよく思います?

ぜつ:エリアによって違うと思います。例えば赤坂とか汐留とかあの辺りでやってる人は無線で呼ばれて局に入って有名な方をお乗せするとか。

大北:呼ばれるんですね。

ぜつ:呼ばれるっていうパターンが多いですね。

林 :この前用事でタクシー乗ったら、「(野球選手の)落合の家の方ですか」って、いきなり個人情報で落合の家の方って。

ぜつ:そのパターンがあるんですよ。自由が丘の駅で仕事する人は最初に◯◯の家を覚えておけって話を言われるそうなんです。タクシー乗ってきたら「俺んち」って言うそうなんですよ。

林 :傲慢ですね。

大北:イメージにない!

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交差点から1、2分程度でついたこの標識

タクシーのための標識がある

ぜつ:で、三軒茶屋のこれを見てほしいんですよ。

林&大北:あー。

ぜつ:「タクシーの客待ちを除く」「ここから5m」というのがあるじゃないですか。ここは基本全部駐車禁止なんですが、5mの範囲でタクシーだけ許されてますよ、ということなんです。

林 :5mってこの標識から5m?

ぜつ:乗れるとしたらここしかないので。ここにお尻出すような感じになるんですかね。

大北:こういう看板はよくあるんですか?

ぜつ:タクシー乗り場によく設置されてるんですね。おそらく昔はここがタクシー乗り場として使われてたんじゃないかな。その名残なんじゃないかと思っているんです。

林 :昔の駅の跡ってよくありますけど、昔のタクシー乗り場の跡って珍しい。なんのマニアも手を出してない。

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これは「ここがタクシー乗り場みたいなものです」と言ってるようなもの

ぜつ:5mという表示なんですけど、これはタクシーが一台分停めていいですよという意味合いになるんですよ。

林 :1台なんだ。5m。

ぜつ:これが10mとか15mという表示もあるんです。10mなら2台、15mなら3台というふうに解釈したほうがいいかと。

大北:それ以上はたまるなよということ?

ぜつ:先頭の1台だけ基本的にはセーフで、ほかはグレーだよということにはなりますね。

大北:たくさんタクシーがいてくれたほうがありがたいですけどね。

ぜつ:一応おまわりさんもそれはわかっていて、必要なところには並んでても基本的には文句言われないんですけど、近隣の方から苦情が入ると、「苦情が入っちゃんでどいて」とまわってくることはあります。

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タクシー乗り場がどこにもなくて、唯一この標識の地点が青い矢印

大北:三軒茶屋のタクシー乗り場ってここしかないんですか?

ぜつ:そうなんです。今、決まった乗り場ってないんですよ。

林 :ぜつさんが三茶で待つとしたらどこにタクシー停めますか?

ぜつ:三茶では待たないんですけど列をなしているのは(下図1)1台2台いるのが(同2)サミットの前にも列が(同3)。だいたい夕方以降ですね。

林 :3は世田谷通りの。あそこから飲んだ帰りに乗ったことあるな。

ぜつ:暫定的な乗り場みたいな感じなんです。

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こうやって見ると乗り場がちょっと遠い。みんなむりやり停めている
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タクシーには色々な営業スタイルがある

林 :こんなに人がいるのにタクシー乗り場がないんですね。

ぜつ:三軒茶屋そういった意味では珍しい。こういう場所って実は流し営業のメッカになりやすいんです。

大北:流し営業?

ぜつ:乗り場に付けずに無線でも待たずにただぐるぐる回るって営業スタイルが流し営業。乗り場があるとみんなそこから乗って行っちゃうので。よく見てると同じ車がグルングルン回ってるんです。

大北:無線で待つというのは?

ぜつ:たとえば過去にここの会社からこの時間帯に成田空港まで行った仕事が無線で出たなという前例があったとしたら、そのあたりに情報を嗅ぎつけた人たちが近くに停まるんです。無線センターがGPSで一番近くの車をあてがうというのがだいたい決まっているので、狙いに来るという営業スタイル。これは流しでもなければ乗り場に待機でもない。無線狙い。

林 :この辺に成田まで行く客が毎日現れるという、池の主みたいな情報をかぎつけて。その近くでみんな待ってる。釣りだ、ほんとに。

大北:月イチで外国に行く人がなんとなくわかる。

ぜつ:あとは統計で取ってる人も。細かい人は手帳にこの時間帯に出たとか。他の人に聞くんですよ。ほんとにいい仕事って隠しそうなものですけど、みんなしゃべっちゃうんです。成田行ったぜ〜とか会社でしゃべっちゃうんで。どこから?って聞き出されて次からその人がいるみたいな。

林 :すごいな。しゃべっちゃうのがおもしろいですね。

ぜつ:憎めない部分というか。みんな孤独じゃないですか。お客さんとはしゃべることがあるかもしれないですけど、なのでたまりたまったものを営業所に帰ってぶちまけるみたいなものが多いみたいです。

林 :大事な情報を。

ぜつ:ぽろっと言っちゃう。

大北:ひゃ~、おもしろい! タクシー運転手の弱さ…

林 :この辺でぐるぐるまわるとしたらどのぐらいの距離を?範囲はどこを回って。周回のルートがあるわけですね。

ぜつ:分析していくと、一番乗る場所ってあの交差点界隈なんです。あそこになるべく何回も通りたいというルートを考えると、なるべく小回りがいい。このあたりってUターンとかできる場所もないので、多くはそこを通りたいのであれば、世田谷通りを左。左回りという鉄則がありまして

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左回りにできるだけ小さく回り、駅前の交差点を何度も通るようにする。この赤に囲まれた地域は飲み屋が多い

大北:右回りがやりにくいから?

ぜつ:右回りやりにくいんですよ。車線が二車線三車線あったりすると、お客さんは左側からしか乗らないので、左側にいたほうが乗せやすい。

林 :なるほど!

ぜつ:右側行っちゃうと。

大北:お客さんは左にしかいないんだ。

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さきほどの図の地点3の場所。タクシーの行列ができがち

ぜつ:そこに書いてあるんです。タクシー客待ちするなみたいなのが。かなり古めかしいので昔から立ってるんだろうなって思いますけど。

林 :こんなポップ体で…。

タクシーの勤務時間

ぜつ:最近のパンデミック以降この時間帯でも個人タクシーをけっこう見るようになりました。個人タクシーは好きな時間に出て好きな時間に帰れるんですね。もともとは夜が中心だった人でも昼間に仕事を切り替えている。

林 :会社員がテレワークで一瞬だけ打ち合わせに行くみたいな人がいるから、昼に人が動いているといことですか。

ぜつ:さらにいうと飲食店がラストオーダーが8時でしたっけ。その時間以降お客さんがガラリと減るので、それまでに帰れるように仕上げるという人が多いかもしれないです。

大北:個人と普通のタクシーは時間帯が明らかに違うんですか?

ぜつ:明確に決まりがあるわけではないんですけど、個人タクシーだと効率を重視してる。会社勤めはシフトが決まっているわけなんですよ。

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1車線から2車線になるところがおもしろいらしい

タクシー同士の駆け引き

ぜつ:世田谷通りって基本一車線なんですよ。車線数はおもしろいですよ。上りはあそこで1車線から2車線に分かれるんですよ。そうなるとどうなるかと言うと、まず二車線に分かれた時に先頭のほうが左に入りたいんです。なんですけど、前の方に路駐車がいると左に入るに入れない(例1)。後ろの車は路駐車が視界的に見えないとして後ろから左に入ると。そうすると今度は左側の空車に優先的に乗せられる権利が与えられるんですよ(例2)。なので駆け引きみたいな感じですよ。

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1車線から2車線になるときに前の車が真ん中を走り出す理由。ややこしい!

林 :ここに路駐の車がいると、先頭の車は左に寄れない。

ぜつ:寄れない。寄ってもいいんですけど、先頭は停まってまた戻らないといけないことはわかっているので。でも後ろは知らずにブンって来ると(例3)。後ろからまくったほうが乗せられてしまうわけですよ。なので先頭の車は完全に左に入るとまくられる可能性があるから、真ん中を走る(例4)。こっちは左に入る意思があるんだけど、前に停まってるんだよってアピールをかますみたいなのが、このあたりで行われることがある。

大北:へえー、一車線から二車線になるところ限定で。

ぜつ:そういうことですね。さらに言うと、流し営業が成立する場所であることも。地方の道だと右を走っても左を走ってもお客さんがいないので。繁華街とかタクシー乗り場がないこういうところとか。そういう場所ですね。

林 :F1みたいなことが行われるわけですね。

ぜつ:基本は左側を確保したいんだけど、障害物があるので駆け引き。

林 :ここは人が多いのにタクシー乗り場がないという。釣り、エサが魚がいっぱいいるスポット。

ぜつ:そういうことですね。

大北:流し営業は他に? 渋谷とか?

ぜつ:タクシー乗り場がちゃんとある場所でも、流し営業って成立するんですけど、超巨大な新宿・渋谷・池袋、こういうところですよね。

どこからどのタクシーに乗ってもいい

林 :渋谷ってバスの横にタクシー乗り場ありますけど、そうじゃない場所に停めてるタクシーいますよね。

ぜつ:夜の道玄坂なんかびっしり。グラディウスみたいになってるんです。タクシー乗り場まで行くのにけっこう距離があるという場合、そういうところから乗る。

大北:どこから乗ってもいいんですか?

ぜつ:利用する側は全く問題がないんです

大北:停まってるタクシーが列になってて、先頭の黒いのやめて後ろの白いやつに乗ろうとかは?

ぜつ:タクシー乗り場にはなってないので、どこからチョイスしても全く問題はない。好きな会社の。

林 :タクシー乗り場はダメなんですか?

ぜつ:一応。でもそれもホントはないんですよ、そんなルールは。1列になっていたらどこから乗ってもいいんですけど、日本人的なマナーとして先頭からどんどん乗っていくのがセオリーですかね。

林 :昨日母とタクシーに乗ったんですけど、母親がジャパンタクシーがいいと。乗りやすいから。でもタクシー乗り場の後ろのほうにいて乗れないんでアプリで呼んだんですけど。

大北:乗っちゃってよかったってこと?

ぜつ:乗っちゃってよかった。そういう方がいるので、運転手もわかってることが多いですね。

林 :タクシー乗り場で「先どうぞ、あれ個人(タクシー)だから」って先に並んでる人に言われたことあります。

ぜつ:ありますあります。私の場合、それなりに接客に自信あるので、変な思いをさせる気は一切ないですけど、作り上げたイメージのせいで抜かされてしまうということはちょいちょいあります。逆もあるんですけどね。個人タクシーはいい車を使ってることが多いので、遠方なので疲れない車がいいとか、万が一事故っても安全な車がいいとか。そういう意味合いで使われることもあります。

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三軒茶屋駅から徒歩7分程度離れた場所。公衆トイレがある

公衆トイレと駐禁問題

ぜつ:ちなみに、ここ公衆トイレがあるじゃないですか。ここにタクシーが停まっていることはよくあります。

林 :タクシーの運転手さん、公衆トイレ行きますよね。渋谷から行って淡島のところの公園。あそこもみんな行ってますよね。

ぜつ:ありますね。最近ポール立てられちゃったけど。タクシーがあまりに停まるので邪魔だって。トイレも車にすぐに戻れる場所じゃないと。今はあっという間に駐禁取られちゃうんですよ。委託されてるじゃないですか。緑の方々に。会社勤めのころは「1分も車を離れるな」と。その間にやられるぞということは言われてました。

大北:駐禁取締の人たちにタクシーって嫌われてるんですか?

ぜつ:どうですかね、悪いのはこっちなんで(笑)。ただ、トイレとかだったら仕方ないかなと思うんですけど。たとえばたまにしか出かけないおばあちゃんが買い物いっぱいしちゃうことがあるんですよ。その荷物を持って3階まで上がったとかその間にやられたりするとちょっとな…って。

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タクシーを目で停める

林 :道端でタクシー待ってる人ってわかります?

ぜつ:おもしろいですよ。お客さんはわかるんですけど「タクシーのお客さんじゃないんだけどお客さんっぽい人」の方がよりお客さんっぽいんです。

大北:友達を待ってたりする人がまぎらわしい?

ぜつ:友達待ってる人もいますし、道路を渡りたい人が一番紛らわしい。横断禁止のところで渡っちゃう人って道路を越えてるんです。その人が「車が来てるな…」って見ると、タクシー停めたい感じの人に見えちゃうんです。あとは手が挙がっただけの人と間違えることもあるんですけど、中にはお客さんなのに手を挙げない人もいるんです。目ヂカラで停めようとする人。眼力で停める

林 :そんなことしたことないな…。面白いな。

ぜつ:あと日中よくあるのが表示版が反射して回送なのか空車なのかわからないので躊躇する人。こちらとしては合図してくれればどちらでもいいので。回送車でも停まることもあるんですよ。回送って営業所に戻るときと休憩のとき、このぐらいしか掲げちゃいけないって決められているんですよ。

大北:ということは回送でも手を上げるのは?

ぜつ:全然ありです。3台に1台ぐらいは停まるんじゃないかなってぐらい。

林 :これは有益だな。

ぜつ:これはおすすめしたいです。これからちょっと休憩でも行こうかな、でも売上よくないなって人は絶対に停まります。

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この辺りくらいからタクシーがずらっと並ぶそうです

乗車拒否の罪は重い…

大北:無視したら違反なんでしたっけ。

ぜつ:空車でお客さんを乗せられる状態でさらにお客さんを認知した状態で無視したら完全に乗車拒否。

大北:それってどういう違反ですか? 業界の取り決め? 法律?

ぜつ:運送法に定められていたかな。道路交通法違反ではないです。ただ少なくともかなり重罪なんですよ(100万円以下の罰金)。

林 :どうやって発覚しちゃうんですか?

ぜつ:お客さんからの苦情が一番多いですね。このご時世、乗車拒否ってほぼ起きないとみていいと思うんです。お客さんがいないので。でもけっこう苦情は入るそうで。どういうことかと言うと、迎車なのに空車と間違えてしまって、手を上げたのに停まってくれないとか。見間違えのパターン。

大北:まぎらわしい事例聞いた後なので大変ですね。

ぜつ:逆に悪質な例として空車で停車しているタクシーに乗ろうとしたら「今無線待ちしているんだよね」とか「このビルから出てくるお客さんを待っているんだけど」等と断られるケース。これは今でも有り得る乗車拒否で空車表示であれば言い逃れ出来ません。

大北:なるほど、でも「お客さん待ってる」に「乗車拒否だぞ」ってなかなか言えないですね~

後編につづきます。まだまだ興味深い話がたくさんで超ハイボリュームの後編になる可能性もあります。

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