特集 2020年7月26日

通学路の専門家と子供目線で街を歩く

街づくりで通学路を研究してる人と街を歩く

街を専門家と歩きたい。今回は街づくりで通学路のことを研究している小山田裕彦さんと中目黒周辺を行く。

子供は街をハックして自分だけの道だったり遊び場だったりを見つける。それが彼の自慢であり、街を愛する心にもなるそうだ。もう忘れてしまったそんな視点で街を見ていく。

動画を作ったり明日のアーというコントの舞台をしたりもします。プープーテレビにも登場。2006年より参加。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

専門家にへぇへぇ言わされたい

街を歩いて相手をへぇへぇ言わせる「対戦型街歩き ストへぇ」という動画シリーズを撮っている。

今回は柏の葉デザインセンターで街づくりを行う小山田裕彦さんと、中目黒在住のよしだともふみさん、そして審判の林さんと撮影の筆者の4人で中目黒を歩いたその続きである。

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芸能人も多く住むという中目黒の住宅街にポツンとあらわれる古い旅館はジモコロなどでも紹介された1泊2800円の旅荘秋元

新しいと古いがまじる中目黒

中目黒の新旧入り交じった住宅街を歩く。芸能人も多く住むという街にポツンと古い旅館が。1泊2800円からと安い。なぜこんなところに。へぇ。

この辺りの細々した道から前回は「子供の道は猫道と一緒」という知識をうかがった。子供は各々自慢の何かを街から見つけ出すという。

思い出したのはサイゼリヤハックだ。街をハックするという言葉が近そうだ。そして公式がハックを許してしまうとおもしろくなくなってしまうのも一緒だ。

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入ってみると大きくて驚いた正覚寺。目黒区役所も立派だったが、中目黒にあるものはなぜか全部2まわりくらい大きい。

寺がでかい

中目黒にある正覚寺はやたら大きい。祐天寺も近くてこの辺はお寺がでかい町でもあるようだ。へぇ。中には何棟も建物があり、銅像まである。歌舞伎の政岡のモデルとなった人物だそうだ。へぇ。

この政岡のモデルとなった像めちゃくちゃ人気があって、1950年くらいは参拝客が絶えることはなかったとWikipediaにあったが本当だろうか? でもこのお寺の大きさを考えるとそれも合点がいく。

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この銅像、実は歌舞伎役者がモデルなので男性っぽさがある。へぇ~

じつは馬の街、目黒

かつては目黒区役所のあたりは牧場もあって、ここに供養塔がある。

よしださんによると目黒の地名は馬の目が黒いこと説もあるらしく、馬に縁のある土地だという。へぇ~。他には馬のあぜ道、馬畔(めぐろ)という音から生まれた説や窪地の地形説など。

駒沢や駒場などこの辺は昔から牧場が多かったようだ。明治~戦前には目黒競馬場もあり、馬と縁のある街なんだそう。へぇ~。

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立派なお寺でこの建物の彫り物もすごいなと思ったら2019年にできたお堂だそう。スタバより新しいのか

子供が見つけ出せるような街づくり

思ったより寄り道するところがありますね、と小山田さん。中目黒は都会だし地価も高いが神社や公園など広い場所が多い。

小山田さんが街づくりにするにおいて子供が寄り道する場所ってどうやって定めるんだろうか。聞くとそれは決めてしまわないらしい。子供が自分で見つけ出すことが大切なので、街計画においてはハックされやすいような余裕のある街を作るそうだ。へぇ~。

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ニュージーランドの「ガーデンシティ」と呼ばれるクライストチャーチの街が興味深かったそうだ

ニュージーランドの園芸の街の公共感覚

かつて印象的だった街としてニュージーランドのクライストチャーチという街を小山田さんは挙げる。

世界一美しい園芸の街ガーデンシティとも言われ、まず垣根がないそうだ。なので外から家が見える。通りが見渡せる。通りの景観を競うガーデニングのコンテストがあるので各通りはそれぞれテーマを設けて作っていくらしい。

そして家は人生において5回くらい引っ越しするものであり次の人へ渡すものという意識があるそうだ。なのできれいにしておくらしい。

彼らにとって街、ひいては家までも公共物なのだ。通学路の出てこない話だったが街を愛する心や公共の感覚を養う目標としているのだろうか。

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こういうところ子供は絶対さわる、と。たしかにさわった記憶がある

子供はさわる

ガードレールの支柱の上面部を指して「こういうところ子供は絶対さわるよね」と小山田さんが言う。ジグザグしたものとかざらざらしたものとか、さわって何か感じられるものを通学路にたくさん作りたいそうだ。そうしたものが記憶につながるという。

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これ高いよ、と。たしかに一般的なグレーチングではないがあんまりない視点だ
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穴は見てもらいたいために作るそうだ。たしかに子供が川を見るのに、上からだと危ない

子供は覗く

目黒川の川の資料館周辺では遊歩道や通学路を歩きながら街づくりの視点をうかがう。こうした水辺の壁には穴が開いていることが多い。子供が水面を見られるようにのぞき窓としてわざわざ穴をあけているようだ。へぇ。

途中、虫がいたのでコンビニによってたかる虫が違うという賞をとった子供の自由研究の話になった。虫は光のエッジに集まるという専門家でさえうなる新発見があったそうだ。

通学路にあるものがコンビニに変わったとしても子供は子供で新たに何かを見つけ出すのだという。

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この辺に路面電車の電停があったそうだ。たしかにこの緑色のガードは他ではあまり見ないし用途もよくわからないものだ。
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私達が好きな路面電車の電停跡というスポット

中目黒駅近くに帰ってきた。ニトリの前の「中目黒立体交差」という交差点が何もない場所にしてはにぎわいを見せる。ここにはかつて路面電車の電停があったのだ。この緑色のガードもきっとそれのなにかなんだろう。こんなガード他にはない。

となりには茶色のでかいビルがある。窓がなく異様であるがこれがみずほ銀行中目黒センターだそうであのシステム統合問題時に中心となった場所だそうだ。奥には目黒信用金庫が見える。

路面電車の終点始発は栄えるらしい。ここがそうだ。地銀があるのがその証拠だ。ということをこの動画シリーズ地理人さんの回で知った。まさにここだ。

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近くには目黒信用金庫が。これはかつてストへぇで地理人さんが出した知識「路面電車の始発は栄えてるので旧電停付近に地銀があることが多い」がまさに…!! と興奮したところ
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へぇの数はどちらが多かったで終了。今回もへぇへぇ言わされました

子供が、ではなく地域が弱まっているのではないか

通学路の視点から街づくりを行う小山田さんの話を振り返ってみる。子供に街をハックしてもらい自慢してもらって愛してもらう。そうすると個人も伸びるし公の感覚を養える、という話だったように思う。

ただしそれには地域で子供を見守る必要がある。現在形で失われつつある何かでもあった。

その辺りをまとめた動画ストへぇはこちらです。

 

ここになかったら少し未来の私が間に合ってなかったのでしょう。動画コーナー・プープーテレビで20時に公開されます。

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