骨ごと食べられる焼き魚のお弁当
過ごしやすい気候が続くと気分も開放的になり、知らない土地のスーパーとか行って変わったお弁当でも食べてみたいと思うようになった。
晴れた空を眺めながらダラダラと検索したところ、お弁当・お惣菜大賞というコンテストを見つけ、弁当部門の最優秀賞が『骨まで食べられる三陸産秋刀魚と秋の味覚御膳』だった。
写真を見るとサンマが一尾丸ごと、ご飯の上に乗っている。缶詰の煮魚で『骨ごと食べられる』は見たことがあるが、お弁当の焼き魚では見たことがない。
お弁当のコンテストの最優秀賞がサンマという渋さ(ローストビーフとかちらし寿司じゃなく!)、そしてそれが骨ごと食べられるというのでとても気になった。食べてみたい。
ふわふわだった
お弁当・お惣菜大賞は今年一月に結果が発表されていて、これを今ニュースとしてお伝えするのは遅すぎる。なぜ今食べるのかというと、知って、食べたいと思ったのが今だったからだ。
サンマのお弁当はすぐに見つかった。なぜなら「ヒルナンデスで紹介されました!」という大きなポップが出ていたからだ。
大きな賞をとって、テレビでも取り上げられたお弁当を僕は今から食べる。この記事は『猫はかわいい』とか『火は熱い』とか、みんなが知っていることをあらためて体験したものとして読んでください。
おいしそうなサンマだ。しかしこれが丸ごと食べられるっていうのがちょっと信じられない。サンマの骨ってなかなかしっかりしていて、喉に刺さると面倒である。怖い。
ふわふわである。骨まで食べられる、というよりほとんど骨を感じない。ふわふわした食感の中にたまに小気味よくコリコリしたものがあって、これが骨なのかな、と分かる。鶏のつくねに、食感のアクセントとしてレンコンを入れるけどあんな感じだ。骨も含めておいしい。
お弁当・お惣菜大賞の受賞インタビューを見るとこのサンマは『モリヤ製法』という、サンマの形を崩さずに骨に加熱、加圧できる方法で作れらているらしい。見事に骨が処理されている。マンガみたいにバリバリ食べられる。
頭も食べられる
さすがに頭はどこかで食べられないゾーンが出てくるのではと思って探るが、固くなる気配がない。
おいしかった。サンマの頭。苦味のある、ちょっと固い身、くらいの感覚で食べられてしまった。
初めてである。サンマ一尾、骨も頭も全て食べた。
外に出て歩くと、元気なサンマが体の中にいて、一緒に歩いてるような気持ちがした。ペリカンやペンギンはこういう気持ちなのかなと思った。