出会いは突然に
今年の2月にセカンドストリート(セカスト)に行ったときのこと。
古着や中古楽器に混ざって、ボードゲームのコーナーがあった。遊び終わったドンジャラとかが売られていて、そのなかにあったのがボロボロの人生ゲームだった。

お値段300円。見るからに古い。箱が劣化して、ちょっと触るとポロポロ崩れるほど。なんならちょっと穴が空いて中が見えたりしてる。
そのときは「へぁ~!こんなのも売ってるんだ」ぐらいで、その場は終わった。終わったのだけど、家に帰ってからずっと心の中に引っかかっていた。
なんかあの人生ゲーム、やたら古くなかった……?

調べてみると、タカラトミーに人生ゲームの歴史をまとめたサイトがあった。そこにある「最初に発売された人生ゲーム」が、まさに僕がセカストで見た人生ゲームではないか。

ということは、あれって正真正銘の初代人生ゲーム……!?
じゃぁめちゃくちゃ貴重なやつじゃないの? 300円で売っていいの? とドキドキしたものの、メルカリを見たら数千円でそこそこの数が出品されている。あれだけ箱がボロボロなら300円もやむなし。そうか。
いやそれよりも、ゲームになっている1960年代の人生って、どんな感じなんだろう。なにで喜んで、なにでお金を失ってるんだろう。
気になる。買っておいたほうがよかったんじゃないか。どうしてスルーしたんだろう。もう他の誰かの人生になってるのかも。なんということだ。こうしちゃいられないぞ。


羊がとなりの家のランを食う
家に帰ってさっそく開封……と思ったのだが、買えた安心感と年度末の忙しさ、さらに確定申告の荒波にもまれ、すっかり先延ばしに。他人の人生より自分の還付金。4月になってようやく開封。オープンザ人生。


タカラトミーのサイトによると、この人生ゲームはアメリカで生まれた『THE LIFE OF GAME』を原形に作られた日本版とのこと。盤面は本家アメリカ版を踏襲し、マス目は日本語に直訳されている。
つまり、この人生ゲームにおける「人生」は、1960年代アメリカのものだ。黄金の60年代。つかめアメリカン・ドリーム。どんなイベントが待ち構えているのだろう。




他にも「裁判で勝つ」「ラスベガスで賭けをして儲ける」「高級車ロールスロイスを買う」といったザ・アメリカなものが目立つ。
「高級車を買う」じゃなくて、”ロールスロイス”まで書いちゃうんだ。よほど憧れだったんだろうな。
車といえば、プレイヤーのコマはおなじみの「あの車」である。ルーレットと同様、これも人生ゲームのアイデンティティとして、現在まで受け継がれてきたようだ。


