出会いは突然だった
無印のトイレットペーパーに出会ったのは2021年の夏。
10年ぶりの引越しをした日、新しいカーテンを買いに荷造りと荷下ろしで痛めた腰をかばいながら中野マルイの無印を訪れたときのことだ。カーテンを買いながらふと、新居にトイレットペーパーがないことに気づいたのである。
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しかし、買って帰らなくてはと思う気持ちと相反するように腰の痛みがどんどん増していく。トイレットペーパーは必要だけど、これ以上店をはしごするのが厳しい。買いたてのカーテンはずっしり重い。
いっそ無印にトイレットペーパー売っていないだろうか。神様、お願いです。わたしに無印でトイレットペーパーを買わせてください。
わらにもすがる思いで願った。
そしたら割とあっさり見つかったのである。
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インターネットで調べた情報によると販売が開始されたのは2021年3月。無印のこと、ありとあらゆるものが揃う場所と思っていたけど、トイレットペーパーまで揃うとは知らなかった。
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持ちの良さに衝撃を受ける
しかしここで衝撃は終わらなかった。
買ってから数週間が経過してもなお、トイレットペーパーの終わりが見えないのだ。気になって調べてみたところ、どうやら通常よりもペーパーの巻きが多くて長いという。
え。そんなこと、パッケージに書いてあったっけ。そう思ってもう一度見返えしてみたところ……
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しれっと「長巻」「250m」と書いてある。
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他者との比較はいっさいなく、静かに事実が置かれているだけ。なんという自己顕示欲のなさ。謙虚の鏡である。
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でも待って。4倍以上って結構すごいことである。ちなみにダブルもある。ダブルの場合は通常おおよそ25m、無印のは125mだ。
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おにぎり1個じゃお腹が空きそうで心配だけど、おにぎり5個を昼食で出されたら「なんという大盤振る舞いなんだ。食べ切らなそうだ」と思う人はきっとたくさんいるだろう。
この差異を実際にトイレで体感してみると、これまでに自分がどれだけ「トイレットペーパーの交換」に小さなストレスを抱えつづけていたのかを思い知らされる。
QOL(生活の質)の向上ってつまりこういうことだったのか。
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すべてのものには終わりがあるが、もしかすると終わりなんてないかもしれないという淡い夢を見せてくれるのがこのトイレットペーパーだ。肉がどんどん湧き出てくる焼肉のようであり、食べても食べてもなくならないハーゲンダッツのようである。
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ただしトイレットペーパーに求める条件第一位が「やわらかさ」という人にはおすすめしない。再生紙にふんわりした紙と同等のやさしさを求めてはいけないのだ。気にしないよという人はぜひ、淡い夢をそれぞれのトイレで共有しよう。
なお、購入するときにはぜひ、ちょっとやそっとじゃ破れなさそうな丈夫なエコバックを持参することを推奨したい。
この前、一気に4個購入したら「重いので、紙袋を2重にしますか? 紙袋は1枚10円なので、2重にすると20円かかります」と言われた。
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重いのが苦手な人は1個ずつ買うのが賢明だ。
ちなみに長巻のトイレットペーパーはいま人気で、編集部の橋田さんも愛用しているそう。こちらの記事には各社の比較表もあるのでぜひ……!
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