誰も家をくれない
お菓子の家の逆、家のお菓子とはつまりこういうことだ。

家を構成している何かでお菓子を作れば、それは「家のお菓子」だろう。
かなり前から思いついていたネタだったが、今まで実現できなかったのは、誰も家をくれなかったからだ。
私は賃貸なので、家を材料として使うのは難しい。持ち家に住んでいる人がいたら、なんでもいいから家の一部をくれないかと交渉してきた。しかし、誰もくれなかった。別に少しぐらい分けてくれてもいいじゃないか……という、ふてくされた気持ちを抱えて現在に至る。
もう少し家の募集範囲を広げたら、一人ぐらい家の一部をくれるのではないか。デイリーのライター陣全員に対して、家くださいとお願いすることにした。

しばらく経ったが、誰もくれる気配がない。
材料が手に入らなければ、記事はここで終了である。いくら失敗企画でも、400字で終わって許されるのだろうか。皆は走り始めてから途中でこけて失敗するという形なのだろうが、クラウチングスタートのポーズで捻挫した状態である。案出しのときの状況とほぼ変わってない。
このままだとお蔵入りの危険すらある。失敗企画のお蔵入りってあるのか。近所に解体工事中の家がないか、祈るような気持ちでウロウロ探す日々が始まった。
家の一部ゲット
そんな不穏な日々の中、当サイトのライターのこーだいさんから連絡があった。屋根の修理をしたときに、業者の人が置き捨てていった屋根瓦があることを思い出したらしい。瓦!?めっちゃ家じゃん!!

やった〜!!!全然想定していたアイテムではなかったので驚きだが、紛れもない家の一部!!お菓子にするぞ〜!
さらにしばらくすると、ライターのまいしろさんからも連絡があった。床下シートと板の余りがあるとのことだった。

着々と家が集まり始めた。……いける!!少なくとも作ることはできるぞ!!失敗企画のお蔵入り回避だ!!
危機は逃れたが、もう少し材料があった方が安心だ。近所の畳屋さんで古い畳もらえないかなぁと思い行ってみたら 、快く畳表を分けてくれた。

どなたの家の一部か分からないが、大切にお菓子にさせてもらおう。材料は十分そろった。次はお菓子作りだ!!
瓦せんべい
瓦のお菓子といえば、瓦せんべいだろう。ちょっと渋めのお菓子になるが、それ以外考えられないのでせんべいにします。

地が暗いので、茶色の発色が微妙。先に下地を塗ればよかった。もう一回下地からやり直そう。

スポンジでポンポン塗った方が、せんべいの風合いが出るかなと思ってやってみた。効果あったのかは微妙。

瓦せんべいは文字が書いてあることが多いので、でっかく「瓦」と書こう。


結構瓦せんべいである。「瓦」の文字も、焼印ぽくて良い感じ!
ただ普通に瓦のサイズなので、せんべいにしてはでかい。iPadぐらいある。

板チョコ
まいしろさんからもらった床板シートと板は、板チョコにしよう!

いつも木材を切るところで苦戦するのだが、めちゃくちゃ 切りやすい板だった。さすが家の一部である。

ここに床板シートを貼っていく。




大きさもリアルなチョコに近い!固そうな床板チョコの完成だ。

畳をどうするのか
残すは畳のみ。具的なものがあればロールケーキにしようと思っていたが、今残っているのは床板シートのみである。

瓦と床板シートはすぐに思いついたけど、畳は全然思いつかなかった。しばらくじっと畳を見つめる私。
平たいのでクレープにできるかもしれない。近くのクレープ屋さんに どんな種類があるのか見に行くことにした。

床板シートでチョコを表現すれば出来るぞ!!人気なさそうなメニューだが、これ以外は物理的に作れない。このメニューがあってよかった。


遠目で見ると、クレープに見えてきた。ここにチョコを追加していこう!


チョコを乗せきったら完成だ!

いや、でも実物のホットチョコレートクレープの写真も、今思えば少し怖かった。単体だと映えないタイプのスイーツなのだ。もう一個ぐらいお菓子を足そう。

家のお菓子完成
完成したお菓子たち。

クレープは失敗だが、それ以外はわりとお菓子なのではないか。友人に意見を聞くと、「茶色い弁当の印象。お菓子のポップさがない」と言われた。お菓子に必要なのはポップさだったのか……。ポップな家の一部ってなんだろう。部屋の中を見渡したが、特に見つけられなかった。家ってかなり地味なんだということが分かった。

この記事は失敗ウイークの1本でした
あとからお知らせしてすいません。できるかどうか分からないことをやってみる記事シリーズです(企画説明)
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