ワッサーを知っていますか?
先日、長野で「ワッサー」というものを見つけた。インパクトのある名前のわりにその響きに溺れることなく平熱で売られていたので、もしかしたら知らないのは自分だけかもしれないと不安になった。
そこで事前調査として「はげます会」でワッサーを知っていますか?知らない人はどんなものなのか検索せずに想像してみてください、という問いかけをさせてもらった。
結果は以下の通り
ワッサーを知っている(6名)
ワッサーを知らない(15名)
約4分の3が知らなかった。地球の人口が76億人なので、拡大解釈すると57億人が知らない計算になる。
ちなみにワッサーを知らないと答えた15名の人に、検索せずにワッサーがなんなのかを想像してもらった。
ワッサーとはこういうものだと思うよ(ただし想像)
・イチゴの様に地面から生えており、一本の茎に小さいじゃがいもの様な実が沢山ついている。生で食べると渋いが、火を通すと柔らかくなり甘みが出る。茎は固めだが、丸ごと天ぷらにすると旨い。
イギリス海軍の保存食、ラッパー同士のあいさつ、ラザニアみたいなやつ、などなど。実に多様な「おれの考えるワッサー」が集まった。
御神輿担いだときに食べた、とか、想像なのに言い切ってるのもすごい。ドーナツ状の薄い金属、というのはたぶんワッサーではなくワッシャーである。全体を通してはげます会会員の天才ぶりがうかがえる。
ちなみにサンプルとして僕が送った想像図がこちら。
はたしてこの中に正解はあるのか。ワッサーに毛は生えているのか。
正解を見てみよう。
これがワッサーだ!
いま「桃?」というつぶやきが聞こえた気がした。わかる、僕も現場で(え?これ桃じゃないの)と思った。しかし近くに売られていた桃と比べると、ワッサーの方がいくぶん小降りで黄色みが強い。
買う時にレジで店員さんに聞いてみた。ワッサーって、これはいったいなんですか?
なるほど、ワッサーとは桃とネクタリンのかけ合わせだった。
ネクタリンというのは毛のないつるっとした黄桃である。桃もネクタリンも美味しいので、かけあわせたらさぞや美味しいにちがいない。
どうしてワッサーなのか
しかしなぜ名前をワッサーにしたのか。桃タリンとかネクタリ桃とかにした方が自然ではなかったか。確かにワッサー!の方が元気で気持ちがいいけれど、名前って普通そういう理由でつけないだろう。
家に帰って調べて見ると、ワッサーを最初に作った長野の果樹園の社長の名前が「渡(わたる)」さんといって、子どものころにワッサーと呼ばれていたのがはじまりなんだとか。
社長のあだ名だった。
ということはだ、もし僕がその役だったらこの果物は「リーダー」と呼ばれていたかもしれないのだ(僕は子どもの頃、まさのり=まさのりだー=のりだー、を経てリーダーと呼ばれていた)。
子どもの頃のあだ名なんて大人になったら誰もおぼえていないだろうと油断しているあなた。こういうことがあるかもしれないから注意ですよ。
ワッサー!
はじめて食べたワッサーが美味しかったので愛知に住む親にお中元として贈った。施設に入っている父はコロナ騒ぎいろいろたいへんな目にあったようだが、ワッサー!と言うだけで少し元気になれそうな気がするだろう。そういう意味でも、渡さんの昔のあだながワッサーでよかったなと思うのです。
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