ハムストリングスを整理しよう
太ももの裏にある3つの筋肉を総称してハムストリングスという。語源には諸説あるが、ハムはもも肉、ストリングは弦や紐のことをそれぞれ指しているそうだ。

「ストリングス」といえばヴァイオリンやチェロなどの弦楽器群やその奏者を指すこともある。
主に弦を擦って音を出す擦弦(さつげん)楽器を主にストリングスと呼び、ギターやハープなど弦を弾いて音を鳴らすものは該当しないそうだ。


かの世界的歌手が歌ったようにアップルとペンを合体させたものがアッポーペンであるならば、ハムストリングスはハム(加工肉)とストリングス(弦楽器)を組み合わせたものに相違ない。

贈答品のハムが紐で縛ってあることがあるだろう。もしあの紐が楽器の弦になっていたらポロンポロンと音を奏で、わたしのイメージするハムストリングスになるはずだ。今回はそういう話である。
ハムがなかった
というわけでまずは紐で縛れるようなブロックハムを探したが、近所のどこにも売っていなかった。
車で1時間30分ちょっと行った先のでかいイオンにもなかった。お歳暮のシーズンにならないと店頭には並ばないらしい。

仕方がないので代替品としてベーコンを買ってきた。もうこの先どれだけ上手くいったとしても完成品はベーコンストリングスである。
ついでに言えば、ストリングスはヴァイオリンなどの擦弦楽器を指すということを知らずに、弦楽器ならなんでもいいかと思ってギターの弦を買ってしまっている。
この時点で本企画のハムストリングスの最高到達点はベーコンギターとなった。

ハムは美味しくいただきました
本題に入る前に、撮影に使ったハムを美味しく食べる様子を先にお届けしたい。本当に美味しく食べたから。







ハムストリングスをつくる
時間を遡って本題に入ろう。
やることはギターの弦をハムに巻き付けてピックで弾いてポロンポロン鳴らすだけだ。
わたしのイメージの中ではすでに、ハムストリングスの音色に熱狂するファンの姿が見えている。令和のハムは見た目でも味でもなく音が重視されるのだ。



弦を両手でひっぱり、指を伸ばして弾いてみても何も音が鳴らなかった。でもハムに巻いたらきれいな音を奏でるに違いない。
それじゃあ張り切って弦をハムに巻いていこう。


不安に思っていたが、やり始めるとスルスルとそれっぽく巻いていける。また技能を一つ手に入れた。


かき鳴らせハムストリングス
それではお待ちかね、ハムストリングスをかき鳴らしていこう。


ジャーン!でもポロン♪でもなく「バツン」という情けない音が出た。手首につけた輪ゴムを弾いたときの音とまったく同じだ。
そして音は一切反響せずハムに吸い込まれていく。音色ではなくただの音。思っていたのとかなり違った。





いや、待ってほしい。
この弦の巻き方だと振動の余地が一切なくて音が響かないということくらい私でもわかる。失敗が許されるからといって失敗に甘えてしまうと進歩がないじゃないか。
なんと、もう1案用意しております。

木の板の中心にハムを置き、そのハムをまたぐ形で弦を張った。弦を張ったあとにテンションを調整できるようにフックを使って工夫もしている。
これなら弦がすべてハムに張り付いているわけではないので、弦が振動してくれるか、それでなくとも何かが起こるはずだ。


バツンだった。だめだった。これまたバツンとしか鳴らないのだ。
それにしたって、見た目がこんなに違うのに同じ音が出るのはおもしろい。いろいろもがくけれど結局最後は土に還る人間のようでしたね。
この記事は失敗ウイークの1本でした
あとからお知らせしてすいません。できるかどうか分からないことをやってみる記事シリーズです(企画説明)