プロジェクション顔ハメ構想
なにも描かれてない白い顔ハメ看板とプロジェクターを用意する。
プロジェクターで絵を投影すると、顔ハメ看板になる。
投影する絵を変えれば顔ハメも変わる。
ただ、このままだと顔を出したときに顔にプロジェクターの光があたってまぶしいので工夫がいる。

プロジェクターで黒い部分は光が投影されない。顔ハメの穴にあたる部分の画像を黒くしておけば、穴から顔を出してもまぶしくない。
プロジェクションマッピングと顔ハメ看板の融合だ。
これは流行る。
流行るうえに、もしかしたらビジネスになるかもしれない。
「あの記事がまさかこんな商売になるなんて思ってませんでしたよ」
数年後カンブリア宮殿に呼ばれて村上龍にそう言っている自分を想像した。
最初の試みはいまいちだった(2024年5月)
実はこのアイディア、昨年にいちど試している。


このとき借りたレンタルスペースの椅子はカバーが破れてなかのスポンジがはみ出していた。居酒屋の上なので部屋全体がねとねとした。ゴキブリが出そうだなと思ったらゴキジェットが5本置いてあった。


肉眼で見るとまあまあ顔ハメなのだが、写真に撮ると薄らぼんやりしてしまう。
観光地にある書き割りの顔ハメ看板と比べると見劣りする。肉眼での完成度6割、写真だと4割といったところだろうか。
「デイリーポータルZの記事だしさ、これでいいんじゃない?」
「もうちょっと工夫したら完成度が上げられるかもよ」
「これじゃメイカーフェアに出せない」
脳内に飛び交う声をセリフのように書いてみた。
楽しんでくれているのが辛い
一緒に撮影していた石井さん、橋田さんにも体験してもらった。


ふたりの笑顔が辛い。
完成度が低いものを満喫してくれている。自分からは見えてないから。
さっきも書いたが、肉眼だと6割ぐらい顔ハメ看板なのだ。それプラス、一緒に撮影している楽しさが欠点を見えなくさせている。完成度12割だ。
「もうオードリーヘップバーンですね!」
そんなことを言ったが、写真を見返すとあらが目立つ。

写真に撮るとレインボーになるノイズが発生している(プロジェクターの機構によってこういうのが出る)。右の橋田さんの隣にはWindowsのタスクバーが出ている。そんなローマの休日は、ない。
この写真を公開すると、完成度の低さに気づいてない人たちか、気遣いでカバーするほっこり記事になってしまう。どちらにしても胸が痛い。
この撮影のあとも石井さんから「あのとき撮った記事は公開されないんですか?(期待)」と2回ぐらい聞かれたが、「いやあ、まあ」と言葉を濁した。
だってレインボーになってるから。
もういちど、時間をかけて調整したらもっと良くなるはずだ。
2回目の撮影)プロジェクターを新調する(2025年5月)
1年放置して、再度挑戦することにした。
今回はまずプロジェクターを買った。レインボーノイズが出ないタイプだ。しかも20万以上で販売されていたモデルが8500円でメルカリに出ていた。明るさも十分だし、良い物を買った。これで成功が見えた。

壁に近づけて使える単焦点というタイプで、通常の使用だと便利なのだが、縦にすると投影された映像が予想外のところに出る。

