チャーハン部 2023年10月11日

美味いチャーハンは一人で食べても美味いのか~神楽坂「龍朋」~

一人で食べても美味いのか

一人でお店に入って食事をするのが苦手な人いないだろうか。

僕がそうです。

ファーストフードを除けば、これまで数えるほどしかそうした経験がないのではと思う。

今回、美味しそうな中華料理店に一人で入ってチャーハンを食べてみました。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

前の記事:フラフープは家にあるのか(デジタルリマスター)

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

一人で食事に行くということ

会社に来てみたら一人だった。他のメンバーは在宅勤務だったり取材に出ていたりしているのだろう。

まあそれはさほどレアなことではないのだけれど、この日は疲れていたのか、なぜか一人でいるのが嫌で、昼休みに荷物を持って会社を出てきてしまった。

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特に行くあてもないのに。

このままコンビニかファーストフードで昼を買って公園ででも食べようかと思ったのだが、これはもしやチャーハンの神さまが僕のことを試しているのではないか、急にそんなことを思った。僕は集まってチャーハンを食べる部活「チャーハン部」に所属しているのだ。

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チャーハンにいざなわれて電車に乗った。

冒頭にも書いたが、僕は一人で飲食店に入って食事をするのが苦手だ。

カウンターに座るとお店の人が近いし、テーブルに案内されると一人で占領するのが申し訳なくなる。注文したあとどこを見てたらいいのかわからないし、美味しくてもそうじゃなくてもそれを伝える人がいないのは寂しい。ならばローソンでメロンパンを買って公園で食べた方が気軽なのだ。

でも今日はせっかくなのでその苦手に挑戦したいと思った。たぶんなにか嫌なことがあったんだと思う。思いだすときっと嫌な気持ちになるので思い出さないけど、たぶんそうに違いない。

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神楽坂「龍朋」

これから行くのは神楽坂にある「龍朋」という中華料理屋さんである。たまたまそのあと近くで用があったので選んだのだけれど、あとからチャーハン部の部長である江ノ島さんに聞いたら有名店だと言っていた。

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到着。ランチタイムの後だったからか並んでいなかった。

黄色いテントに「龍朋 The Lahmen」の文字が力強い。何度か後ろを振り返りながらお店に入ると、三人ほどのお客がそれぞれの席でチャーハンを食べていた。その中の一人、ちらっと顔をあげた男性と目が合う。ほらやっぱり一人は苦手だ。

龍朋は、ランチタイムだけの配置なのかもしれないが、入口からレジまでが一本道の通路になっており、それを挟んで両側に、通路を向いてテーブル席が設置してある。イギリス議会みたいである。

だから一人でテーブルに座ると、会計待ちのお客がすぐ前で列をなしているのが見える。

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目の前に会計待ちの列がある。

すでにどうしたらいいのかわからなくなっているのだが、これも旅だと思うことにした。旅とは人生なので、つまりこれは人生なのである。人生、楽にいきたいと常に思っていたはずなのだが、どうしてあえてつらい道を選んでいるのか。店員さんにチャーハンを注文したあと、白いテーブルを見つめながらそんなことを考えていた。偶然友だちが入ってこないかしら。

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チャーハンが来た

3分くらいだろうか。体感的には10分くらい待ったように思うが、おそらく3分くらいだと思う。僕の前に湯気をともなってチャーハンが運ばれてきた。

瞬間、空気が変わったのを感じた。旅人はオアシスにたどり着いたのだ。

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オアシス

チャーハンのたまらんさ加減もさることながら、スープもまたいい顔つきをしていた。これまで見たことがないタイプの、チャーハンとカラーコーディネートばっちり色のスープだ。

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れんげがこの状態でやってくるのもいい。

一人なので静かに手を合わせ、口の中で(いただきます)とつぶやいてからチャーハンにれんげを入れる。すくった時にれんげからこぼれ落ちない、しっとりタイプのチャーハンのようだ。

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しっかりとまとまりのあるチャーハンです。

具は玉子、ネギ、チャーシューのシンプル構成。醤油とラードの香ばしい香りがたまらない。たまにごろっと大き目のチャーシューが入っていて、これにあたると肉のホロホロ食感を楽しめる。

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たまらん。

僕は食べるのが速い方なので、誰かと一緒だと配慮してペースを落とすようにしているのだけれど、一人だとそういう気づかいがいらないことがわかった。記事に必要な写真だけを5~6枚狙い撃ちで撮って、あとは夢中で食べた。

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隣の席にはカバン
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向かいの席には調味料

僕が食べている間に一人でお店に入ってきた女性と目が合った。さっきの僕である。彼女は通路を挟んで僕とは逆側の席に座り、少しスマホをいじったあとで片手を上げてチャーハンを注文した。その姿が妙にかっこよかった。

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迷わずチャーハンを注文するのはかっこいいのだ。
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一人、ゾーンへ

一方、一人でチャーハンを食べる僕は徐々に集中し始めていた。チャーハンチャーハン、スープチャーハン、スープチャーハンチャーハン。

れんげを口に運ぶたび、頭の中から嫌なことが押し出されて消えていく。心がチャーハンで満たされる。これがゾーンというやつだろうか。おかげで今これを書きながらでも、あの日の味や香りを思いだすことができるほどだ。

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美味しかったし、ちょっと成長した気がしました。
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味に集中できます

一人で食べたチャーハンは美味しかった。龍朋のチャーハンが美味しかったのはもちろんなんだけど、めったにない「一人」という環境が味に集中させてくれたのかもしれない。おかげでいつも以上に味が印象に残っている。

半面、やっぱり誰かに「うまいね!」の四文字を伝えたいと身を焦がした瞬間が何度かあった。最後にお店の人に「美味しかったです」と伝えられたのがせめてもの救いである。

これからも一人で食べに行くかと聞かれたら考えるけど、美味しいチャーハンなら一人でも食べたいなと思っています。焼肉はたぶんまだ無理です。

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僕がお店を出た後、一人で入っていくサラリーマンの後ろ姿に心の中で(エンジョイ!)と言っていました。

 

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