特集 2025年4月2日

トルコ料理の2000円モーニングビュッフェがすごかった

なんと食べ放題で2000円!

埼玉の若干辺鄙な場所にオープンしたトルコ料理屋さんが、モーニングビュッフェ(といいつつ午後3時まで)を始めたらしい。

トルコ料理といったらケバブサンドくらいしか思いつかないのだが、なにがあるのか興味本位で訪ねてみたところ、その品数とボリュームと旅情の濃さに興奮しっぱなしだった。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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唐突にトルコ料理レストランがオープン

※記事の前半は個人的な思い入れなので、食べ放題の内容が知りたい人は飛ばしてください。

2022年の秋。埼玉県東部に位置する越谷市の、たまに車で通る見通しの良い道路沿いに、なぜかトルコ料理のお店ができて驚いた。

これがレイクタウン(日本一大きなイオンがあるところ)とかだったら驚かないが、そこは越谷市でも住宅よりも田畑のほうが多いような場所。

建設中の建物に気がついて、野菜の直売所かコインランドリーができるのかなと、勝手に予想していたのに。

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まさかのトルコ料理レストラン。

看板には「SKY CAFE & RESTAURANT(以下、スカイカフェ)」という店名の下に、「Pide & kebab Salon」と書かれていた。ピデとケバブのサロン?

ちょっと検索してみたところ、ピデとはトルコのパンらしい。ピザとは違うのだろうか。この街で誰が注文するんだ、ピデ。

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看板にはアダナケバブ、茄子のケバブ、ミックスケバブ。全部ケバブだ。ケバブはローストした料理という広い意味らしいよ。

そしてオープンから半年後、ようやく緊張しつつスカイカフェに一人で入店してみた。

お客さんも店員さんもトルコ人ばかりのようだが、「チャイをどうぞ~」と鮮やかな色をした温かい紅茶を出してくれて、日本人が入っても大丈夫な店だと安心する。角砂糖を三つ入れた。

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基本的にはトルコ人による同胞向けのお店なのだろうか。噂によく聞くガチ中華みたいな。
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卓上のメニューを開いてみると、左のページに日本人に馴染みのあるケバブサンドやケバブ丼。そして右のページにはトルコピッザと説明された謎多きピデがズラッと並んでいた。

たらこパスタやハンバーグを並べて客を安心させつつ、店のアイデンティティとして、バッファローモッツァレラやエスカルゴもしっかり用意しているイタリアンレストランのようだ。それだとサイゼリヤなのだが。

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ケバブとピデ、どっちを頼むか試されている気がする。

さらにページをめくると、外の看板にあった馴染みのないケバブ達、そして味の想像ができないスペシャル鉄板焼と書かれた茶色い料理の数々。

メニューの先に行くほど本場に近づいていくパターンに、私の力量がまったく追いつかない。

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どれも気になるのだが、頼む勇気を持ち合わせていない。

なにを頼むかさんざん迷った挙句、今回は一人での訪問だしねと理由をつけて、無難なケバブサンドを購入。守りに入ったなと自分でも思った。

こんがりと焼かれた鶏肉、そして自家製らしき食べ応えのあるパンという鉄板の組み合わせは大変うまかったのだが、どうせならスペシャル鉄板焼と説明されているOZEL TAVA CESITLERIが食べたかった。

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うまいんだけどね。

その後、たまに訪れてはやっぱりケバブサンドを買いつつ、いつかは人数を集めてスカイカフェの本気を見せてもらいに来るという野望を、ひっそり心に秘めていたのである。

というのが個人的な思い入れ部分で、ようやく以下が本題。

スカイカフェがモーニングビュッフェを始めたらしい

最近になって、あのスカイカフェが日曜・祝日限定でトルコ料理のモーニングビュッフェ(バイキング)を始めたという情報を、たまたまSNS経由で知った。まさかあの店が。

なんでも朝6時からやっていて、お値段は2000円なのだとか。川口のAZELという店でもトルコ(クルド)料理の朝食ビュッフェをやっているらしいが、その界隈で流行っているのだろうか。

朝食に2000円というプライスが高いのか安いのかまったくわからないが、スカイカフェのモーニングとやらの実力を見せてもらおうかと、いつもよりだいぶ早起きして訪ねてみた。

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周囲になにもないのが伝わるでしょうか。
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がんばって朝7時にやってきました。
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モーニングと言いつつ午後3時までやっているのでランチも可。起きる時間は人それぞれだ。隣に貼られたマトンカレーとのコントラストが味わい深い。

これがスカイカフェの本気なのか

開店から一時間後のまだ静かな店内に入ると、お客さんはトルコ人と思われる方が数人まったりしているだけで、ガツガツと食べ放題を楽しんでいるという感じではない。

これは朝6時オープンと言いつつも、料理が揃うのは9時ぐらいのパターンなのではと不安になる。

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モーニングビュッフェ独特の活気がない。

だが、その心配は完全に杞憂だった。店の一番奥に並べられたテーブルの上には、これから結婚パーティーでもするんですか?と訪ねたくなる、大量の御馳走が隙間なく広げられていたのだ。

この素晴らしい料理に見とれていたら、「どんどん写真を撮って、SNSとかネットに載せてください!」と、オーナーなのか店員なのかお客さんなのかわからない人が勧めてくれた。

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テーブルに置けるだけ置いてやるという気概を感じる。料理を横一列に並べるのではなく、ドーンと四角形に固めているので、写真がすごく撮りやすい。
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鮮やかながら渋さも併せ持つ色合いがトルコ料理らしいよねと、ろくに知らない私に思わせる説得力。
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どの角度から見てもかっこいい。
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「これが私の朝ごはんです」と記念撮影。別に間違ってはいないが嘘っぽさがすごい。

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