特集 2025年4月1日

霧島で長屋タイプの家族温泉(300円)に入った

鹿児島の霧島市を旅行しているとき、「おすすめの安い家族湯がある」と言って友人が案内してくれた温泉が少し変わっていた。レポートします。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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日当山温泉郷の清武温泉

温泉地だの、泉質だの、混浴だの、全部なんだっていい。髪のベタつきが気持ち悪いから一刻もはやくシャワーを浴びさせてくれ。そう注文したところ友人が紹介してくれたのが清武温泉という浴場だった。

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風情しかない看板
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ひとり300円で入れる天然温泉らしい

家族湯というだけあって全てが個室なのだが、ひとり1時間300円という圧倒的な安さ。いまどき牛丼も食えない値段で貸切の天然温泉に入れるのだ。

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長屋の一室を選んで入る

値段よりも気に入ったのはそのシステムである。

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長屋になっていて、空いている部屋のなかから好きなところに入る仕組

敷地内には駐車場を囲うように長屋が建っている。なんだかキャンプ場のコテージのようだが、一室一室が簡素な浴場になっているのだ。

受付でお金を払うと空いている部屋の番号をいくつか教えてもらえるので、その中から好きなところに入る。全体的に大ざっぱだ。

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地に足がついている

車を個室のすぐ前に停められるのも便利だし、それぞれに部屋番号がついていたりして、そういうホテルみたいなのがちょっとおかしい。

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天然温泉が300円はやっぱり安い

入るときに部屋に鍵はかかっていないが、もちろん施錠は中からできるようになっている。

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せっかくだから、俺はこの8番の部屋を選ぶぜ

受付の方とは別に清掃スタッフとおぼしき女性がいて、空室に出たり入ったりしている。人の出入りごとに細かく掃除をするのだろうか。何番と何番がいま空いたよー!と受付の人に声をかけている。過剰に下町感があっていい。

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内側から鍵をかけたところ。家みたいでおもしろい
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中に入ると荷物置き場と椅子を兼ねた畳がある
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ゴミ箱とエアコンと曇った鏡もある

簡素ながら最低限の設備は整っている。脱衣場の畳で寝転ぼうと思えば寝転んで休めるし、プライバシーが守られる休憩室と考えただけでも300円はやっぱり安すぎる。

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扉を開けると肝心の浴室に
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十分じゃん!

湯船は蛇口から出た温泉でじゃぶじゃぶと満たされていて、シャワーも付いている。シャワーなしまで覚悟していたのでこれは嬉しい。石鹸類は要持ち込みだ。

タイル張りといい湯船のすぐそばの窓といい、ばあちゃん家(ち)感がすごい。まさに家族の湯である。泉質についてはよくわからないが、ぬるめのお湯で気持ちよかった。もとより髪が洗えればなんでもいいのだ。

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そういえばドライヤーねえな!

そういえば部屋にドライヤーがない。エアコンの風で乾かそうと思ったがなんとも微風である。ショック!学生の頃、雨に濡れてトイレのハンドドライヤーに頭を突っ込んだことを思い出す。

途方にくれて外に出ると受付に貸出用のドライヤーがあったことに気づいた。

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歴戦の猛者たち

ぜんぶがちょっとずつ変で、旅先ならではの経験だったと思う。こんなふうな長屋タイプの家族風呂は当地にいくつかあるらしい。

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受付のそばにPCパーツみたいなのが山積していて裏稼業感があった
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
最高の温泉じゃないですか。温泉はこれぐらいシンプルでいいですよね。
こんなところで湯につかって、ちょっと涼しい外の風に当たって黒い山の稜線見たら人生って叫んじゃうかもしれません。
ドキュメント72時間に登場しそうではあります。(林)

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