インドはオートリキシャがたくさん走っている
今回のインド旅行はカルターナカ州のバンガロールという大都会からスタートしたのだが、道路を走るオートリキシャの多さに驚いた。割合としては日本の軽自動車と同じくらいだろうか。
オートリキシャを観光用の乗り物だと勘違いしていたのだが、地元住民も気軽に使う、必要不可欠なインフラだったのだ。


オートリキシャ(以下、リキシャ)を利用するときは、手を挙げて止めて、行き先を告げて、料金の交渉をする。
とりあえず高めの値段を言ってくるので、そこから値下げ交渉をして、提示された額の半分くらいで成立する場合が多かった。適正価格がまったくわからないけど。
がんばって値切っても観光客価格なのだろうが、それでも日本のタクシーよりはだいぶ安い。ちなみにインドは飲食の物価が、個人の体感的に日本の1/2~1/3くらい。
リキシャには左右のドアがないので、ものすごく開放感があり、天気さえ良ければとても気持ちの良い乗り物だ。事故ったら嫌だなとは思うけど。

リキシャには料金メーターもあるのだが、この価格ではダメだと言われることが多い。我々がわかりやすく外国人観光客だったからかもしれないが。
このあたりのルールは、郷に入っては郷に従えと受け止めるしかないのだろう。

リキシャはUberで呼べる
すごく便利だけど面倒くささもあるリキシャを、同行していた旅行慣れしている方が、「じゃあリキシャをUberで呼びますね!」と、当たり前のようにスマホの配車アプリで呼んでいて、それがすごく格好よかった。
ちなみに私はUber自体が未体験。日本で配車アプリも出前機能も使ったことがないので、ユーザーなら当たり前のことにも驚いているが、そこはご容赦いただきたい。



街中にリキシャはいくらでも走っているのだが、Uberで呼べば行き先を口頭で伝える手間がないし、カード決済だからボラれることもない(とも言い切れないらしいが)。
Uberを使うと配車手数料が掛かるけれど、交渉ごとが苦手な人(私だ)にはメリットが大きいようである。
車間距離の狭さを楽しんでください。
Uberでリキシャを呼んでみた
その日の夜、バンガロールの新名物だというおいしいクラフトビールを飲んだ帰りに、さっそく私もUberでリキシャを呼んでみることにした。

アプリ自体は日本のものと同じらしいので、だいぶ前にインストールだけして一度も使っていなかったUberを立ち上げる。
ちゃんと日本語で表示されているが、乗り物の種類が「Uber Auto」「Uber Moto」「配車」とあるのがおもしろい。
アイコンを見る限り、Autoがリキシャで、Motoというのはバイクのようだ。二人乗りということか。渋滞がひどい場合は一番早いのだろうが、さすがにおっかない気がする。

行き先を入力すると、そこまでのルートと値段が表示される。利用者が多いと料金が少し高くなるらしい。
行き先は同じでも乗り物によって値段は違い、今回は3キロほどの移動なのだが、車だと150ルピー(割高の優先配車もある)、リキシャなら96.26ルピー、バイクが54.31ルピーとなっている。
1ルピーを1.8円とすると、リキシャを三人で割り勘したら一人60円となる計算だ。この値段なら気軽に使える。なんだか申し訳ないくらいに安い。

このように大変便利で料金も安いのだが、乗車場所や時間帯によっては、なかなかドライバーとマッチングしないようで、「5分後に到着」と表示されるけど、実際は全然つかまらなかった。
時刻は23時なので一番忙しい時間だろうし、今回のように移動距離が近いとドライバーが積極的に来てくれないのかもしれない。
店の外には客待ちのリキシャがたくさん止まっているので、この人達に声を掛ければ話は早いのだが、たぶん値段は倍以上。

15分ほど配車のトライを繰り返し、もう諦めて目の前のリキシャと交渉するかと思ったその時、ようやく一台のドライバーとマッチング。
アプリ上の地図にマッピングされたリキシャの位置を必死に応援していると、時間通りに無事到着してくれた。表示されている暗証番号を伝えて乗車をする。
後日、別の機会に利用をしたら、マッチングしたドライバーからキャンセルされたり、マッチングしているのに全然来てくれない場合もあった。

実際にリキシャがやってきた瞬間は、バーチャルとリアルが繋がったようで大興奮した。ものすごい達成感のある成功体験だ。アトラクションとしてすごく楽しい。


目的地と現在位置がアプリの地図にリアルタイムで表示されるので、どこか違う場所に連れていかれるのではという不安がない。
ホテルに到着して、ドライバーに料金をお支払いして(今回は現金)、こちらが評価をしたら終了。もちろん五つ星だ。
このドライバーさんはちゃんとした人だったが、たまに「カードで決済できないから現金で払ってくれ!」と言い出す人もいるそうだ。
結局は人間が運用するものなので、どうしてもトラブルの可能性をゼロにはできない。それでもかなりストレスフリーだと思う。


Uberでの手配を諦めたビアバーの同行者は、路上のリキシャと交渉をして200ルピーだったとのこと。こちらの倍だが、それでも安い。もし配車がマッチングしなくても、料金の相場がわかるのは便利だと思う。
ドライバーとの交渉を楽しむのが古き良きインド旅行の一部という気もするが、Uberという選択肢は現代のインドをしみじみと感じさせてくれた。
