食事としてのパイナップル
以前パイナップルピザを克服する記事を書いたことがある。普通のしょっぱい料理と混ざり合うパイナップルに苦手意識を持っていたが、そのおいしさにすっかり魅了されてしまった。
そんなときにパイナップルチャーハンというものがあることを知った。チャーハン部、そしてパイナップルを克服した身としては食べなくてはいけない。
パイナップルチャーハンを目的にきたが、タイ料理に寄せたチャーハンがいくつかある。
グリーンカレーチャーハン、トムヤムクンチャーハン、豚肉のチャーハン、そしてメインのパイナップルチャーハンを頼んだ。
このお店を見つけてきてくれた江ノ島さんはパクチーが苦手かもしれないらしい。「僕ってパクチー苦手ですか?」と聞かれた。誰もわからない。とりあえず食べてみてもらう。
「口の中がすごいっすね…雑草の味がする。大量に入れられたら怒っちゃうかも」
怒られたくないので江ノ島さんとはパクチー専門店にはいかないと心に決めた。しかし最終的には「でも大丈夫ですよ」と強がっていた。部長の矜持を見た気がする。
パンチと食べやすさの絶妙なバランス・トムヤムクンチャーハン
一番最初にきたチャーハンはトムヤムクン風味のチャーハンこと「カオパットムヤムクン」。
トムヤムクンのすっぱいような、辛いようななんともいえない香りをまとったお米が目の前に。
海老がぷりぷりだ。これは喧嘩になるぞ、と思ったら江ノ島さんと星さんは海老が苦手らしい。ラッキー!
すっぱさをマイルドにしたトムヤムクンだ。カップヌードルのトムヤムクン味が好きな人は絶対に食べたほうがいい。あとチャーハンにお酢をかける人も、もともと酸味がついているためきっと好きなはず。
初手から正解チャーハンにありつけている。幸先がいいぞ。
タイのチャーハンはきゅうり添えられがち
ここから続々とチャーハンが届く。テーブルが急ににぎやかになってチャーハン部感が出てきた。
促音が多すぎて発音するのもタイピングするのも大変だ。
そして3つともにちょっとかっこよくスライスされたきゅうりが添えられている。町中華のチャーハンでいうところの紅ショウガみたいものだろうか。
議論を呼ぶパイナップルチャーハン
匂いは子供用のカレーに似たあま~いなかにほんのりスパイシーが漂う感じ。ライスのパラパラ感はなく、しっとりしている。果汁をしっかり吸っているということか。
意外にもインパクトはそこまでない。出力60くらいの素朴な味なのだ。幼稚園の給食なんかにでてきでもおかしくないように思う。
と、ここまでがほしさんと筆者の感想だ。江ノ島さんと橋田さんに食べてもらう。
江ノ島「本当に外国の食べ物の味がする。しょっぱさがない。甘くて果汁がしたたってくる食事ははじめて」
橋田「江ノ島くんと話が合いそう。でも一生に一度は食べたほうがいい」
思ったより素朴というほしさんと筆者の感想とは真逆の意見。2人との壁は厚そうだ。ここまで賛否分かれる料理はなかなかないんじゃないかと思う。
このあと、唯一の理解者であったほしさんはグリーンカレーチャーハンの辛さにハマり、筆者はパイナップルチャーハンを独り占めすることになった。
パイナップルの器からそのまま食べていると下の方は結構果汁でひたひたになっていた。だんだんとデザートを食べているみたいな気分になってくる。
唐突に突き放される味・豚肉チャーハン
一応チャーハン部としてオーソドックスなチャーハンも食べておこうと頼んだ豚肉チャーハンことカオパッムー。こいつがなかなかの問題児だった。まず最初に食べた部長が困惑して呟いた。
月餅「でも香りは普通にチャーハンですよ」
江ノ島「なんか、普通のチャーハンみたいに塩コショウの味が来ない。まろやかな味がするなあ~って思ったらスッ…って消える」
消えるってなんだと思っていたら橋田さんが今日一番の興奮をあらわにしながら説明してくれた。
後味がまったくないということらしい。食べてみると確かに最初にうまみが押し寄せてくるのに、急に手を離されたかのように味が消える。なんだこれは。
ほし「急にいなくなるタイプの人っていますよね、そんな感じ。でもすっきりしてるからわりとバクバク食べられちゃう。」
不思議な味だが、みんなおいしいとはいっている。普通のチャーハンに見えても国が違えばこんなにも味が変わる。チャーハンは神秘だ。
全体を通してどのチャーハンが好きだったか聞くと、みんなトムヤムクンチャーハンを挙げた。筆者も、パイナップルはおいしかったが、すっぱいものが好きなのでトムヤムクンチャーハンのおいしさに唸った。これの為だけに一人で行ってしまう説すらある。
次回はどんなチャーハンを食べよう。チャーハン部の活動はまだまだ続く。
おれたちチャーハン部!
部長、江ノ島茂道 以下、ライター10人が部員として所属する、チャーハンを食べる部、チャーハン部。その活動記録です。