みんな大好きハンバーグ特集
ああ、ジョイフルのハンバーグ
ジョイフルとは九州を中心に展開するファミリーレストランである。僕は宮崎の山間部に住んでいて、生活圏にあるチェーン店はジョイフルしかないのでよく利用する。
ちょっとした外食、飲みの2軒目、職場のごはん会、すべてがジョイフルなのだ。ジョブズが同じ服しか着ないみたいで洒落ているだろう。慣れると案外悪くないものである。
お目当てのジョイフルのハンバーグだが、僕はこの夏に食べて食べて食べまくった。ふるさと納税の返礼品として山ほど家に届けてもらったのである。
ふるさと納税の肉類はハズレも多いと聞くが、ジョイフルという大看板がクオリティを保証してくれるだろうと踏んで注文したのだ。
これがまさに狙い通りで、美味いが美味すぎもしないジョイフルのハンバーグを毎日のように食べた。夏のあいだ、頭のてっぺんからつま先まで僕の身体はジョイフルのハンバーグでできていた。つねったら肉汁が出てきたと思う。
今日はそのハンバーグを夏ぶりに食べる。感極まって泣くかもしれない。
ハンバーグを4種類注文する
ジョイフルに入店して撮影をしやすい奥の席に陣取る。入口から席までの十数歩で、顔見知りを2組発見した。インバウンド客あふれる今の高千穂で地元客ばかりとは。本当に地域に愛されている。
メニュー表には手頃な価格のハンバーグがいくつか載っている。
たぶん、他のライターさんはめちゃくちゃこだわりのハンバーグが供される店に行くのだろう。使用されている肉がどうだとか、肉汁がどうだとか、サイドがどうだとか。ステーキと値段が変わらないようなものを食べるのだ。
ここのハンバーグはそういうのじゃない。でも、自分の満足のためにも、ジョイフルの名誉を守るためにも、根性で対抗しなければならない。というわけで、4種類だ。
4つ一気に頼んでハンバーグまみれになるのだ。
目についたハンバーグ4種類を単品で注文した。店員さんに注文を聞き返されて、3回言ってやっと通る。燃えてきた。
ハンバーグにまみれる
電気代節約のためか店内の照明と暖房が弱い。エコか。エコなんか。そんなことを考えているとハンバーグが運ばれてきた。まずふたつ。
家で見慣れたハンバーグである。
鉄板で運ばれてきてはいるものの、ジュージューいったりはしていない。店でちゃんとした人が焼いているおかげか、ふっくらしている気がする。
ほどなくして残りも運ばれてきた。
ハンバーグが4つになって、これぞ等身大の贅沢!といった趣きである。冷静に考えて、ハンバーグが4つも食べられるのは嬉しすぎる。なんだかんだジョイフル大好きじゃねえか。
主食は添えのポテト、副菜は和風ハンバーグのサラダでそれぞれ補えるので栄養バランスは抜群である。理想的な食事として家庭科の教科書に載せようぜ。勢い余って数Bの教科書でもいい。
ハンバーグにまみれて飲むように食べる
場は整った。あとはハンバーグを食べまくるだけだ。
本能に任せてチーズハンバーグをつつく。ほおばる。
ジョイフルは友達のお母さんの手料理くらいの美味さということを幾度となく書いてきたが、このハンバーグもやっぱりそうだ。肉の旨味をものすごく感じるわけではないし、中のチーズがとろっと出てくるわけでもない。
そして、今夏にいくつも食べたこのハンバーグを味わっていると、不思議と気分も夏に巻き戻される。ジョイフルの料理が内包していた家っぽさの解像度がさらに上がり、児童期の夏休みの記憶と結びつく。
なにが言いたいかというと、幸せです。
ジョイフルのハンバーグは夏休みの味がします。これは最大限の賛辞だと思ってもらって構いません。土台、僕は冬より夏が好きだ。
味の話でいえば、食べ続けているのに口飽きしないのがすごい。
違うソースがかかっているとはいえ似たようなハンバーグなのに、ずっとほどほどに美味しいのだ。バクバク食べられる。でも米が欲しくなったりビールが欲しくなったりとかは特にない。なにが起こってるんだ。
そうだ。夏とハンバーグで思い出した。
皮膚の湿疹がひどかった小学生のころ、友達の家族が温泉に連れて行ってくれたことがある。えげつない山道で酔ったことばかり記憶に残っているが、帰りにびっくりドンキーでハンバーグを食べさせてもらったのだ。たしかチーズハンバーグを頼んで、ほとんど残した覚えがある。なんせ胃腸が弱くて。
それがいまや、ハンバーグを4つ立て続けに食べられるようになったのだ。とんだビルドゥングスロマンじゃないか。ビルドゥングスロマンなのでここで終わります。
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