豆腐とターキーでトーファーキー
トーファーキー(Tofurkey)はその名の通り豆腐(Tofu)とターキー(Turkey)を合わせた造語である。
アメリカやカナダなど、キリスト教徒の多い国では復活祭やクリスマスによくターキー(七面鳥)の丸焼きが食べられているが、ベジタリアンでも同じく派手にお祝いしたい、ということで考え出されたのがこのトーファーキーなのだという。
海外ではトーファーキーという完成品として市販もされているらしいのだが、日本ではオーガニック食品、ベジタリアン向け食材店を中心に何軒か問い合わせてみても、扱っているお店が一軒もなかった。
僕はキリスト教徒でもベジタリアンでもないのだけれど、ターキーを豆腐で作る、という発想には興味がある。大豆は畑のお肉です、を真に受けちゃったわけだ。
これはもう、自分で作るしかないだろう。
幸いレシピは手に入ったので(英語だけど)そこに書かれた材料を買い集めてきた。すべて普通のスーパーで手に入るものばかりだ。
材料は揃った、さて調理を始めたいのだけれど、いくつか不安な点がある。
まず、完成品を食べたことがないということ。したがって目標となる味がまったくわからないのだ。
そしてどちらかというとこちらの方が問題なのだけれど、僕が料理に詳しくないという点。
さらに、検索して出てくるレシピが英語ばかりというおまけつきだ。できるのか。
確かに日本では復活祭ってあまりメジャーではないし、クリスマスだって七面鳥じゃなくてチキンを食べるだろう。ターキーが食べたい、っていう需要がないから、それを模したものを作ろうっていう発想に結びつかないのだ。
しかしもんく言っていても始まらないので、、今回は英語のレシピを自分なりに翻訳しながら作ってみたいと思う。
まず初めに豆腐を水切りしなさいと書いてあるぞ(たぶん)。
「ザルに入れたトウフの上に布を置き、重りを乗せて2、3時間おくといい(意訳)」
正直なところ、豆腐の水切り自体初体験なのだけれど、書かれた通りにやってみる。
レシピに書かれた量が何人分なのかわからないのだけれど、豆腐5ポンドって書いてあったので、ざっと2キロ買ってきた(1ポンドは約450グラム)。
知っているだろうか、2キロの豆腐ってすごい量だよ。うちのキッチンでは2度にわけて水切りを行なう必要がありそうだ。
最初の1キロの豆腐を水切りする間にその後のレシピを読んでいたのだけれど、これがまた水切り以外にも知らない単語がごろごろ出てくるのだ。なんだ、ゼストって、なんだ、ブラッシュ ザ トウフって。
全体的に言うと、ターキーと同じようにドーム状にした豆腐の中に、ハーブを効かせた詰め物をしてオーブンで焼いたもののようなのだが、今の状況を見るとどう見てもそこに行き着く気がしない。
まずい。このままだと大量の水切りされた豆腐だけが残りそうな勢いである。
一人ではどうにも心細かったので、2時間かけて水切りした1キロ分の豆腐と、それ以外の材料を全部持って、詳しい人のところへ助けを求めることにした。