食べくらべ特集 2021年4月22日

秋葉原ミルクスタンドの牛乳飲み比べ

瓶入りの牛乳をぐいっと飲み干すことに憧れている。わたし調べでは、それを思い切り楽しめる場所は3つある。牧場、銭湯、そしてミルクスタンドだ。

ミルクスタンド。沿線民にはおなじみかもしれない。秋葉原駅と御徒町駅にある瓶牛乳を立ち飲みできる売店である。

なかなか立ち寄る機会がなかったのだが、さいきん秋葉原の近くで働く機会ができた。ミルクスタンドを堪能するチャンスではないか。あそこで売っている瓶の牛乳、ぜんぶ飲み比べてみたい。

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

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 インターネットの伝統芸能 食べくらべ特集! 

いにしえよりネット記事界で受け継がれてきた企画、食べくらべ。
食べてくらべて知見を得る。そんな記事だけを6本集めました。
 

その場で飲む必要がある牛乳

秋葉原駅のミルクスタンドは、総武線の上下線ホームのそれぞれ1店舗ずつある。いずれも売店の脇に箱型のスタンドが置かれていて、なんとも味わい深いいでたちだ。

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千葉方面行きホームのお店
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中野方面ホームのお店。スタンドにヤマザキ春のパン祭りのポスターが貼られているな

ここの商品の二大巨塔は瓶に入った牛乳とパンだ。そして瓶の牛乳は基本お持ち帰りができない(後述する一部をのぞく)。買ったその場で飲み、店員に瓶を預けて帰るシステムになっている。

ここでしか飲めないってなんと刹那的なんだろう。ぐっとくる。東京の駅と刹那はよく似合う。

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何を飲もうか悩みに悩んで1本を決める人もいれば、心に決めた名をさっくり告げ、さっくりと飲み、秒でその場を離れていく人もいる

よくみると、牛乳以外の飲み物もけっこう置いてあって、飲むヨーグルト・フルーツ牛乳・コーヒー牛乳・野菜ジュースなどなど盛り沢山だったりする。全部好きなやつだ。全種類飲みたいくらいなんだけど、今回は心を鬼にして牛乳だけを飲み比べる。

ちなみに。せっかくならしぼりにしぼり、生乳100%の「種類別:牛乳」だけ飲み比べるつもりでいたのだが、間違えて生乳100%ではない「種類別:乳飲料」も何本か飲んでいた。工程が全部終わってから気がついたため、勝手ながら飲んだやつについては、飲み比べのメンツに入れさせてほしい。

4月9日(金)「濃いんやさぁ〜」

まずは初日である。

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選んだのは、飛騨牛乳の「濃いんやさぁ〜(生乳97%)」。ビタミンDや乳果オリゴ糖が足されているのだそう。HIDAの赤いロゴがかっこいい
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総武線の黄色いラインとのコントラストもきれい

牛乳を飲むのは約1年ぶり。おそるおそる口に運んでみると…… 

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ぐいっといこう

お。甘いぞ。牛乳ってこんなに甘かったっけ。久しぶりの牛乳の洗礼にぶわっと目が覚める。「牛乳ってうめえ!」という、どストレートな気持ちがあふれてきた。1本目だけど、もう満足度が高い。

あとをひかず、さっぱりしているのも素敵だ。「よっしゃこい!」と気合たっぷりに構えていたのに、そんなことお構いなしに、さらっさらと胃に吸い込まれていった。名前の印象から、ねっとりした感じを想像していたのにちょっと意外である。

4月12日(月)「みんなの牛乳」「かずさ牛乳」

続いて選んだのは東毛酪農の「みんなの牛乳(生乳100%)」だ。

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メッセージ性が強い
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秋葉原よりも草原を背景にするほうが似合いそう

おお。牛乳ってこんな味がするんだ!

衝撃が走った。しっとりしたコクがあって、パッケージに負けないくらい、味にも存在感がある。クリームを飲んでいるみたいだ。 

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さすが社長の一押し牛乳
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うまい!

ちなみにこの牛乳のビックサイズに限り、予約すれば、瓶のテイクアウトが可能なんだそうな。

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お店の人曰く「暑い時期は販売できないので遅くともGW明けには販売を停止する」とのこと

そしてもう1本、フルヤの「かずさ牛乳(生乳100%)」も飲む。 

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自らを「おいしい」と称する牛乳は多いが、こちらもその仲間
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甘い。牛乳特有の乳臭さがある

わたしがずっと前から知ってる牛乳の味ってこれだ!と思った。

基準はおそらく給食の牛乳である。なつかしさから小学校の校舎を思い出し、廊下に干されたぞうきんのことまで思い出してしまった。ぞうきん、牛乳をふくと大変なことになりがちだったよね。

とはいえ、そこまで思い出す必要はあったのだろうか。なんだか申し訳ない。牛乳にあやまりたくなってきた。

4月13日(火)「濃厚クラウン」「安曇野牛乳」

今日は下の2本である。

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メイトーの「濃厚クラウン(生乳50%以上)」と「安曇野牛乳(生乳100%)」

「濃厚クラウン」は、牛乳以外の成分の割合が半分近くあるが、「牛乳本来の味を追求して誕生した」とのことだった。きっとわたしには計り知れない事情があるのだろう。 

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よくみると見える牛のマークがかわいい

濃厚という名前のとおり、とってもとっても濃い牛乳だった。 

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もう一本の「安曇野牛乳」は総選挙で1位を獲得しているらしい

1位といわれると抱きがちな「おいしさ間違いない」の先入観に揺さぶられつつ口に運ぶ。 

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おや。自分的には、ちょっと味が強すぎるかもしれない

新鮮さがびしばし伝わってきた。「わたし牛乳です!」と、自らのアイデンティティを歌い上げてくる感じ。牛乳の味の濃さを愛している人が喜びそうな味わいだ。

5本目で自分の好みがちょっとわかってきた。

4月15日(木)「房のめぐみ」「酪王牛乳」

どんどんいこう。

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フルヤの「房のめぐみ(生乳100%)」。熱に弱いたんぱく質の変化を最小限にとどめたそうだ
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しっとりしていて、甘さに重みがある。クリームっぽさもある。濃厚!
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酪王乳業の「酪王牛乳(生乳100%)」。福島のご当地飲料「酪王カフェオレ」の仲間
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うん。安定感のあるフォルム
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味にも安定感がある。今まで飲んできた牛乳に近い感じ

4月17日(土)「おいしいミルク」「北アルプス厳選牛乳」 

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まずはメグミルクの「おいしいミルク(生乳100%)」から

おおーーーっ、今までなかったタイプの「うまい」がきた!甘さやコクをはじめ、いろんな味わいが主張しあっているけど、バランスがいい。このチームで競合プレゼン戦ったら勝てる。 

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無意識のうちに心が牛乳に「好き!!」と叫んでいた。そうだった。恋ってするもんじゃなくて落ちるもんだ
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そして「北アルプス厳選牛乳(生乳100%)」

もう十分幸せだったのに、さらに幸せがたたみかけてきた。品がある味。すごいコクがあって、甘さ控えめでしっとり。おいしいの嵐がふきあれている。

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飛騨のマークもたまらん

4月18日(日)「特濃」「おいしい牛乳」「厳選牛乳」

そして最終日。

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まずは「特濃(乳飲料)」。みるからに濃い
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心なしか、パッケージを脱いだ姿も濃い

飲む前から確信していたが濃い。すっごく濃い。Photoshopに例えるなら、牛乳レイヤーが2つある感じ。味が2倍になっているみたいなのだ。特にしっとり感がすごい。 

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そしれ我らが「おいしい牛乳(生乳100%)」

思わず「我らが」と枕詞をつけてしまったが、どこで飲んでも、おいしい牛乳はおいしい牛乳の味がする。マヨネーズにとってのキューピー、ケチャップにとってのカゴメ、お酢にとってのミツカン的な王者の安定感を感じる。

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安心感からなのか、浴びるように飲み干してしまった
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そしてラストは「厳選牛乳(生乳100%)」
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厳しく選ぶ。厳選って言葉の強さよ

甘みが余韻のように、口のなかに残る感覚があった。良質な牛乳なんだろうなぁという味わい。ただ、これまでに飲んできた輩たちが錚々たるメンバーすぎるため、彼だけを評価するのは難しい。なんと贅沢な悩みなんだろう。

自分的ベスト3

……というわけで全12種類飲んだうえでの好きな牛乳ベスト3はこちらだ。

1位「北アルプス厳選牛乳」

2位「みんなの牛乳」

3位「おいしいミルク」

生乳100%の高い牛乳ばかり。高い牛乳はおいしいのだ。

とはいえ、すべての高い牛乳が自分にとってのおいしいofおいしいとはかぎらない、というのも発見だった。

1年でいちばんカルシウムに満ち足りた1週間が終わった。


牛乳以外も素敵

今回は飲まなかったが、牛乳以外についてもざっと触れたい。

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青汁や…
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甘酒と書かれた旗がひらひらと舞い
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体によさそうなにんじんジュース、しそドリンクも置いてある
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千葉行き方面ホームのお店には特売と書かれたガラナもあった

 牛乳好きのためのお店かと思いきや、牛乳嫌いな人にも広々と門戸が開かれているのは、素敵なことだと思うのだ。

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