井上さんに謎解きでリベンジしたい
ここ6、7年ぐらい、謎解きにずっとハマっている。もうそれを記事にしてしまおうと思い、以前、自分が作った謎を解いてもらうイベントをした。
ゲームマスター(ほり) V.S. 解かされる人たち(ライターの井上マサキさん、伊藤健司さん、爲房新太朗さん、北向ハナウタさん、編集部の石川大樹さん)という構図。結果は、井上さんが無双しすごい勢いで小問を解きつくしたあと、最後の大謎を北向ハナウタさんがひらめいてクリアというものだった。
あれから2か月。私は打倒井上さんに燃え、日々、新しい謎を考える毎日であった。毎日井上さんの顔が浮かんだ。そしてついに、自分の中でも最高に難しいと思える謎が完成した。初心者置いてけぼりの、本気の謎解きだ。
この記事は、最強の謎を作った私と、強敵井上さん率いる「解かされる人たち」との、闘いの記録である。
個性派ぞろいの解かされる人たち
前回クリアしたにも関わらず、またしても謎を解かされる不幸な役の人たちは、当サイトのライター/編集部からこの6人である。
前回は「円環の理」のワードにとらわれ最後まで「魔法少女まどか☆マギカ」にこだわるも、結局謎ときには関係なかった。
そして、謎解きゲームをつくったのが私、ほりである。
今回も謎解きの模様はYouTubeで生放送される。ルールはこちら。
ルール
- プレーヤーはYouTubeのコメントを見てはいけない
- 謎解きのための検索はしてもよい
- 23時までに解けたらプレーヤーの勝ち
解けなかったらゲームマスターの勝ち
(ゲーム開始は21時すぎ)
たぶん私が勝ちます。
先に行っておくと、この謎解きは本当に難しい。テストプレイもかねて事前に複数の友人グループに解いてもらったのだが、いずれもヒント込みで3~4時間は掛かった。さすがの井上さんたちでも2時間で解けるはずがない。
Twitterでも先に勝利宣言をしておいた。
また、謎解きのゲームマスターの楽しみといえば、酒である。みんなが謎を解けずに慌てふためく様子を見ながら一杯やるのだ。
そしていよいよ21時。闘いが始まるのであった。映像で見たい方はこちら。
イカ墨だらけの問題たちと、相変わらず強すぎる井上さん。
ほり「いよいよですね。今回の謎解きの難易度は10/10なので覚悟してください。」
井上「大人げないなあ。」
イカの足をクリックするとそれぞれ小問が表示される。
井上「インクは取れないの?」
石川「画像なので取れないですね。」
古賀「あのね、私、もう一切解く気がなくなっちゃった。分かりようなくないですか?」
ハナウタ「読めるのが59, 22, 53, 33, 1か。」
井上・ハナウタ「元素記号ですね。」
井上「原子番号の52がSm, 33がAs, 1がHだから……」
ハナウタ「smashだ。」
古賀「えーなんでわかったの?私ちょっと静かにしたほうがいいですか?」
イカ墨がじゃまだが、かろうじて読める部分を探すと、左の数字を元素記号に置き換えて読めばいいことに気づく。すると答えはsmashである。
井上さんがやっぱりはやい。知ってた。1分も持たなかった。
井上「これ国旗じゃないですか?ハナウタさん。」(※ハナウタさんは国旗に詳しい)
ハナウタ「国旗っぽいですけど、違うなあ。」
古賀「下はAdobeのマークじゃない?flashだ!」
石川「左はシャープ(#)ですよね。」
井上「#をハッシュタグとすれば、flashとhashでかぶってるのはashだ。答えはashかな。」
右上の画像に関係なく解かれてしまった。またしても1分。なんで#からハッシュタグに一瞬でいけるんだ。
古賀「ちょっと10秒ぐらいで解いちゃったね。すごい!何?どうした?」
井上「画像検索すると、右上はワシントン州みたいですよ。」
そう。答えはash。flash, hashtag, Washingtonで、ベン図の共通する部分に相当するのはashだ。右上の画像は検索するとコロンビア特別区とも出るがそれはひっかけである。
ハナウタ「上着、ウサギ、なにか、サナギ。」
井上「ウナギでしょ。」(即答)
石川「はっや。」
井上「ウナギの英語はeelですね。」
ウナギにたどり着くまで15秒だった。矢印の部分の文字を変えて読めばよい。うわぎ→うさぎ→うなぎ→さなぎ となるので、こたえはウナギを英語にしたeelである。
石川「音楽ソフトですね。Cubaseかな?」
古賀「お、石川が力を発揮している。」
ハナウタ「検索するとCubaseじゃなさそうですね。」
古賀「?が5個なので5文字ですね。」
井上「調べるとこの人Logicというラッパーさんですね。」
石川「なるほど、Logicという音楽ソフトもありますからね。」
ハナウタ「えー!どうやって導いたんですか?」
井上「この人の顔の部分だけ切り抜いて画像検索したら出た。」
石川「検索力がすごい。」
検索にもつよい井上さん、おそるべし。答えはLogic。解き方はいろいろあるけど、5文字の音楽ソフトを片っ端から調べてもよい。
爲房さんの活躍!
井上「これだと画像検索できないなあ。」
ハナウタ「『英語で』と書いてあるってことは、四角の部分は英語じゃないってことですよね。」
伊藤「メガネのパリミキのロゴと似てますね。」
古賀「まさか?」
たしかに、「パリミキ」で画像検索すると、似たロゴが出てくる。お城のような店構えがいいですよね。でもちょっとちがいます。
ハナウタ「これむずっ!」
爲房「あ、わかった!わかった!リアル脱出ゲームのロゴですね。答えはrealだ。」
爲房「先週リアル脱出ゲームをやったかいがあった。」
石川「そんな謎解き界の内輪ネタみたいな問題アリなんですか?」
この問題は評判が悪いので言い訳をさせてもらうと、知らなくても解ける問題のつもりだ。
上の2本線から濁点がわかり、右下の形状から、カタカナの「ム」がわかる。そうすると、カタカナの濁点と、はみ出している形状から「ゲ」が導ける。「ゲーム」だ。さらに、左端は「月」のように見えるので、にくづき(月)のつく漢字である。ここまでくれば脱出ゲームが思い浮かぶはず。
とっかかりに気づくと気持ちいい
井上「この問題だけ背景に色がついてるんだよなぁ。」
石川「ん~。あ、これRGBじゃないですか?」
井上「beefか。」
古賀「これよく出たなぁ。」
実際にはスポイトの必要はなく、RGBに気づいてしまえば、あとは隠れている数字を推測して検索すれば、カラーコードを導くことができる。スポイトで吸うのは大げさな方法で、見ていて面白かった。
伊藤「ビーフ、牛肉……。」
伊藤「バックトゥザフューチャーにもビーフって出てきませんでした?ビフか。」
伊藤「2行めはnikuと読めますね。」
石川「あ、うしのおにく(ushinooniku)?」
井上「そうか、1がoで、2がs、3がu……。osushiですね。」
伊藤さんがバックトゥザフューチャー経由でひらめいて答えにたどりついた。
畳みかける伊藤さん
井上「反対の意味……。じゃんけんとかじゃないですよね。」
伊藤「隠れている部分に矢印が入っている?」
伊藤「safeですかね。」
一同「あーなるほど!」
伊藤「そんな野球拳みたいなことありますかね?」
古賀「せっかく金星をあげたのに……野球拳!笑」
伊藤さんの照れ隠しが面白い。
in ←→ out ←→ safe ←→ risky
と読めば答えはsafeである。
井上「英語?あー、全部『ロー』じゃないですか?」
井上「法はlaw、低はlow、行はrowだから、隠れているのは生でrawじゃないですか?」
井上「ヒントの隠れているところは『ロー』だったんですね。」
ハナウタさんの得意分野
ハナウタ「カザフスタン、タジキスタン、イラク。頭文字を読むとカタイなので、英語にするとhardです。」(即答)
古賀「すごすぎるでしょ。」
小問は解けたが、ここからどうすれば
さて、イカの足に対応する10個の小問がすべて解けた。
これまで解いた10個の謎の答えを組み合わせると、次のステップに進めるようだ。そして、イカの足以外にも仕掛けがあり、すでに発見されている。
さて、これらを踏まえてここまでの状況を整理すると、こんな感じ。
井上「長方形の色を正しく合わせてGoを押すんですね。」
ハナウタ「イカの足の色が関係あるんでしょうね。」
井上「必殺『ソースコードを読む』をやりますか?」
ハナウタ「やりましょう。」
ほり「いいですよ。」(うれしそう)
井上「仕込んでる…。」
古賀「かわいい~!」
ハナウタ「どうりで嬉しそうだったのか。」
悪気もなくズカズカとソースコードを読む人たち。事前に見越してAAを仕込んでおいてよかった~。
急に足踏み。
伊藤「同じ色の組み合わせでグルーピングするとどうでしょうか?」
石川「青・赤がsmash、eel、safe、hard。」
石川「黄・青がreal、osushi……。」
伊藤「リアルお寿司っていいですね。多幸感すごいですよね。」
古賀「イカのリアルお寿司ですからね。透明なやつですね。福岡とかで食べられる。」
伊藤「すしざんまいって店あるじゃないですか。あれってこの世に存在するすべての幸福の総和を表した言葉だなぁって思って。よくこんな言葉拾ってきたなぁって。」
古賀「しかも「ようこそ」って感じジェスチャーでね。本当だったらバンド名にするところですよね。寿司屋の名前にしてる場合じゃないですよね。」
井上「3ピースバンドであってほしい。」
古賀「意外に無骨な。」
井上「行き詰ってまいりました。」
爲房「イカの足の数って10本でいいんでしたっけ。」
ハナウタ「2本は足ではなく触腕なので、足は8本ですね。」
井上「ほりさんこれを把握せずに10本で問題作ってる可能性ありますかね。」
石川「これもう、てきとうに行きますか?総当たりで。」
ほり「10000通りですよ。」
ハナウタ「うっかり当たったら今年の運使い果たしますよ。」
石川「翌日 車に気を付けたい。」
そうこうしてるうちに22時。残り1時間。
ほり「みなさん、1時間経ちましたね。調子はイカがでしょうか?」
ほり「イカにも悩んでいらっしゃるような。」
ハナウタ「あ、イカと掛けてる。」
古賀「いらいらいら~笑。」
ハナウタ「用意周到だなぁ。」
古賀「あおりを仕込んでいる。」
ほり「あおりイカ?」
ヒントをあげます。
井上「ぜんぜんわからん。」
石川「やはり10000通りを試すスクリプトを書いて自動で試すしかないのか。」
井上さんが悩んでいる。いいぞいいぞ。ただし生放送としては話が停滞気味で飽きられる可能性があるので、そろそろヒントを出します。
ヒント
3色それぞれに注目してください
古賀「3色それぞれに注目……?」
一同「……。」
井上「難しいですよ。」
石川「ん?答えの最初の文字と最後の文字を拾って対応する色ごとに読むと、言葉になるぞ。」
古賀「お!!!!」
ハナウタ「すごいすごいすごい。」
つまり、こういうことだ。
石川「ハルバードは長い棒の武器ですね。」
爲房「ほこやりとも言いますね。」
ハナウタ「shellfishは貝、crowはカラスか。」
古賀「かっこいい。ハロウィンのときに持つやつだ。」
井上「ヤリイカってことかなぁ。」
ハナウタ「進んだけど、これをどうすればいいんだ?」
ハナウタ「まじで前回より難易度が高い気がする。」
井上「まじでわかんない。なんなんだろう。腹立つなぁ!」
ハナウタ「怒らないの。笑」
効いてる効いてる。このまま逃げ切れるか?
言葉と色に注目。
石川「言葉とその色にも意味があるんですかね。」
古賀「うおー。英語にしたところでJリーグの知らないチームの名前みたいになるだけですね。」
古賀「ブルーシェルフィッシュ、レッドハルバード。」
井上「大宮レッドハルバード。」
大宮はアルディージャですよ。
ここからまた停滞し、気づけば残り30分。ここでふと爲房さんがつぶやく。
爲房「これ、4つの長方形が2個と2個に分かれてるのが気になりますね」
お、いいですね。かなり近い。
伊藤「イカの寿司を2貫並べて、イカ2貫。」
古賀「すしざんまいか。」
石川「お寿司の色にすればいいのか。」
一瞬近づいたのに、イカ2貫で遠ざかった。千鳥のネタである。
爲房「あ、イカを漢字にするとカラスと貝が含まれないですか?」
烏賊
古賀「お!!!!!!!」
石川「確かに」
爲房「貝の右がわかんないですけど」
古賀「それがハルバードなんじゃないですか?」
石川「『戒め』みたいなやつですね。」
井上「そこに『十』も含まれている。イカの足だ。」
井上「足の数の『十』が白ってことか。」
古賀「え、なに?こんなに悩んでいたのに、爲房さんのひらめきで一分ぐらいで急に解いて、これもう終わっちゃうわけ?」
漢字に変換したときに対応する色を順番に入れるようだ。
古賀「ちょっとまって。漢字が2文字じゃん?だから、長方形2個で1文字を表すんじゃないですか?」
石川「そうすると、マスが足りない…。」
爲房「色を混ぜちゃえばいいんじゃないですか?」
井上「白と赤を合わせてピンクにしません?」
一同「おおお!!!!」
改めて解説すると、こうなる。
大詰め。
さて、まだ終わりじゃない。
ハナウタ「これ最後なんだろうなあ。」
石川「ん~。本当のイカの足の数のeight?」
ハナウタ「目を離したスキに。解けちゃった。」
ほり「やばい!!!正攻法じゃないですが、解けちゃいました。おめでとうございます。」
ほり「でもせっかくなのでちゃんと解いて!」
井上「どうしよっかなぁ?」
ほり「お願い!」
ハナウタ「我々、知恵の輪をぐちゃぐちゃにして解いて文句言ってる感じですね。」
イカの足が本当は8本なのを知らずに問題を作ったせいで、最後の問題を簡単に解かれてしまった。これは作成上のミスだ。ぐぬぬ。
ちなみに、ちゃんと解くと以下のようになる。(イカだけに)。実は背景と同じ色の青いイカ墨に隠れた文字を読んで並び替えると、takoが出てくる。
タコの足の数は8本なので、答えはeight。これも調べると「あれは足じゃなくて腕」とか、「腕として使うのが6本で、足として使うのが2本」とかいろいろ出てくるが、ここはシンプルに足の数=8本とさせてください。こういう詰めの甘さがまだまだあるので直したい。
またしても解かれた。
何はともあれ、残り時間を15分残して、今回も「解かされる人たち」の勝ちです。おめでとうございます!!!!
井上さんばかりを警戒していたが、ハナウタさん、爲房さん、伊藤さん、古賀さん、石川さんもそれぞれ活躍し、すさまじいチームワークで解かれた。
謎解きはチームでやると超楽しい。
井上「いやでも、難しかったですねえ。特に後半。歯ごたえのある謎だったんじゃないでしょうか?まぁ、解けましたけどね。」
くやし~。また問題を作るのでリベンジさせてください。
強すぎる
DPZ謎解き部(私が勝手にそう呼んでいる)が強すぎる。全員が何かしらに特化した知識を持っており、合わさると弱点がない。うーん。次はもっとひねった問題を作るぞ。
挑戦ありがとうございました。