👑今月の掲載作品
まずは超優秀作品。今月、記事として掲載した作品をふりかえります。
ドラム式洗濯機をあきらめたい(5/1掲載、イトウケン)
編集部より寸評

洗濯機が脱衣所から出てからの展開のリズムが心地よいです。恥ずかしがる、テレビ、ベッド、窓の外とテンポがいいから異常なシチュエーションもするっと受け入れられてしまうんですよね。
窓の外を見ている洗濯機の光が十字になっているし。
この十字がわざとだったら作者のイトウケンさんは相当な切れ者だと思います。ライターになってくれ。
(林)

「洗濯機を作る」なんてそれなりの奇行ではあるのですが、導入からのスムーズな流れでわりと自然に読ませてしまうところがまずうまいなと思いました。
そしてそれゆえに、洗濯機を作ることの変さよりも、洗濯機と生活することのほほえましさ、ほのぼのする感じが前面に立つところが唯一無二の記事だったと思います。
タイトルもいいんですよね。「ドラム式洗濯機をあきらめたい」。ちょっと切ないのがたまらないなと思いました。(石川)
おめでとうございます!!
🎉佳作
原稿掲載までは至りませんでしたが、面白かった作品を佳作としてご紹介します。
編集部より寸評

タイトルが「夜の東京駅で『無』を探す」となっているので、「無」の空間が登場するたびに「無・その1」などの小見出しを入れるなりして、探していることを目立たせるほうがいいかな。
あと2つほど細かい提案です。「無」が分かりにくいので「人がいないところ」としたほうがとっつきやすいと思います。それから、写真の光がにじんでいるのでそこも気をつけると人がいない空間の凜とした空気感が出るんじゃないかと思います。(林)

いっぽうで構成について、行程をそのままつらつら書いた散歩記事という感じなので、メリハリをもたせるとかなり良くなると思います。発見した場所はしっかり強調、それ以外の場所も小見出しを入れると「このパートで何を書きたいのか」が読者にわかって流れができそうです。精神論ですが、散歩記事はあったことを受け身で書くことになりがちなので、「どう見せたいか意図をもって構成する」を意識するといいと思います。(石川)
Googleマップの三河湾に面した埋め立て地の工業団地に気になるものを見つけた。その名も、日本列島公園。百聞は一見にしかず。ドライブのコースに日本列島公園を入れて、ここがどのような公園なのか確かめてみることにした。
編集部より寸評

「日本列島」と書いてあるゲート、石の棒4本で表された東京などつっこみどころ満載ですが、こういうもとが弱々なものは強くつっこむと書き手が悪者になるので難しいところではありますね。
題材がおもしろいのですが、本題に入るまでがちょっと長いかな(1400文字)。たとえば書き出しで「三河湾に日本列島がある」って書いたりして最初にフックを作るのはどうでしょう。(林)

一回通り過ぎたところを「実は愛知県の形」ってネタばらしする感じもいいですね。考えられた見せ方。
林と同じく冒頭が気になったのですが、僕は固有名詞が多すぎるかもと思いました。公園に着くまでにたぶん15個くらい地名が出てくるんですよ。地理に詳しい人向けの記事なのかなっていう印象になっちゃうので、もっと減らしてコンパクトにまとめてもいいように思います!(石川)
その特徴的な店名で以前から気になる存在ではあったのだが、この前近くを通った際、
「あれ、閉店?」
どうやら2024年11月頃に閉店していたという情報が...
編集部より寸評

前回の白いたい焼きは世間の「そういえば……!」のツボを押していたので、→いまでも食べられる!の展開で良かったのですが、ラーメン大学はそうではないので、ラーメン大学になぜ行きたいのかを納得させる必要があります。
そこは個人的な思いを書いちゃってください。ラーメン大学という対象は知らなくても、そのチェーンに行きたい、「卒業」したい気持ちに共感できれば分かる記事になると思います。(林)

若干、話が行ったり来たりする印象がありました。まず最初に近所の店という小さい視点の話、次に「ラーメン大学とは」という大きい話があって、その次は大きい話続きで都内の状況がいいと思うんです。そしてじゃあもう一回個人の視点に戻って、大島の別の店→個人の思いで長野、が自然じゃないかな。
あと、タイトルや小見出しを文章の一部と捉えているように思うのですが、そうじゃなくて、本文だけで文章が成立するようにすると良いです。例えばタイトルにラーメン大学とあるからか、本文がいきなり「その特徴的な店名で」で始まって、本文だけ読むと何の話か分からないですよね。次の「大島店」っていう見出しのパートも、見出しはあくまで見出しなので、本文は「近所の大島店の話に戻る。」みたいな説明から始めた方がいいと思います。(石川)
👏もう一息
すりごまが大好きだ。とにかく封を切って開けたてのすりごまの香りが大好きだ。そんなわけで各社のすりごまをよく購入する。そうすると、一見同じに見えるすりごまにも種類や個性があることがわかったので紹介していきたい。
編集部より寸評

レビューなのですべての商品の写真は統一したほうが読みやすいかも。パッケージ、商品の寄りの写真など、いかにもネットの記事ですが、形が整っているだけでとっつきやすくなるものなので。
2020年から5年かけてのレビューなので仕方ないのですが、レビュー記事と日常使いって相反しちゃうんですよね。(林)

単に題材としていろいろ比べたという感じではなく、ゴマ好きなのが伝わってくるレビューでよかったです!
大きい改善点は林が書いてるので、僕からは読みやすくする工夫を紹介します。
WEBの文章は段落分けを増やして改行たくさんした方が読みやすくなるので(特にスマホ)、もっと増やすといいですよ。
あと引用部は主張なく長くなりがちなので、特に注目してほしいところを太字にすると読みやすくなります!(石川)
おわりに
最後に、編集長 林からのメッセージで今月の月刊新人賞はおしまいです。では林さん、どうぞ。
いつか記事にしようと思って特定の物をちょっとずつ集めることがあります。
でもそういうのって集めるうちに記事にする意欲がなくなったり、途中で比較する項目に気づいたりするんですよね。もしくは集めることだけで満足しちゃったり(これはよくある)。
記事にする意欲は気まぐれに頭にとりついたり去ったりするものなので、意欲があるうちに記事にするとアウトプットが増えます。完成度は低くてもとりあえず出す。ネットなのでいつでも追加できますし。
デイリーも記事に追加とかしてアップデートしていくといいですよね。そうします。