ナショナルジオグラフィックで着水特集をやってたりしないだろうかと検索したらメーデー(航空機事故の検証番組)がいっぱい出てきた。そっちの着水か、こわいわ。

水面にぷかぷか浮かぶカモやウ、バンといった水鳥は幸せそうで友愛に満ちている。きっと水が好きなんだろうなと思う。
彼らは当然空を飛んできて水に入るのだが、テンションマックスでザバーンと飛び込んでシューっと水面をすべる着水の様子がほんと、あんたたち水大好きでしょという感じで気持ちいいのだ。
とはいえ着水シーンはそんなコンスタントには見られない。
鳥が飛んでくるのを待っている暇なんてないよという多忙な現代人のために、着水シーンを抜き出したタイパ抜群のコンテンツをお届けします。
秋冬はカモなどの水鳥たちが大勢で日本へ飛来するシーズンである。
水鳥というだけあって彼らは1日の大半を水辺で過ごす。水面にぷかぷかと浮かんではえさを探しにすっと潜ったり、自在に動いている。
ちょっと近づこうものならそそっと岸辺から離れ安全距離を確保する。私なんかより断然水が好きだし、水を信じているのだな。
そんなにも愛しているから水に入る時のテンションもすごい。空中から自らの体重を思いっきりぶつけるようにしてザバーンと飛び込み水上に白い航跡を描く。
動画でどうぞ。
彼らにしたら、生活するところに通っているだけで会社に出勤したレベルの話なのかもしれないが、私には極上のマリンアクティビティを堪能しているようにしか見えない。
人は朝、会社に来てこんなハイテンションで席に着けるものだろうか?いや、つけない。
風をとらえたカンペきな飛形からの、着水!
カルガモは我先に飛びこむ。
ザバーンといくのを詰め合わせにした着水ギフトパックがこちら。
BGMなんていらない。
真っ黒で大柄なカワウも臨場感ばつぐんの着水を見せてくれる。
たくさん着水!
航続距離が長いのでカメラで追っかけてもそのまま向こうに行ってしまうことがあるのが玉にきずだ。
あのひとは行って行ってしまった。
カモメはザバーンといかずシュタッと降りる。空中で少しブレーキをかけて抑制をきかせ、軽やかに、上品に着水するのだ。
シュタッと。
サギは水に浮かばずに立つのでシュタット派なのは当然と言えば当然だが、高貴な感じでテレマーク着地を決める。
アオサギとコサギのダブルシュタットをお送りします。
空中からでなく、歩いて岸辺からポトンと着水するポトン派もいる。
オオバン(という鳥)のポトン。一度沈んでからバウンドするように水面に浮かびあがるのが「浮力!」って感じでたいへんよい。
いきなり飛び込まずいったん下に降りてからポトン。私も心臓に水をかけてからプールに入る子どもだったのでわかる。
ヒドリガモもポトン。
ちなみにオオバンやヒドリガモは行く時はザバンと行くのでザバン派かポトン派かは時と場合による。
ポトン派の中でもうっとり見つめてしまう優雅さを放つのが水鳥の再重量級に君臨するハクチョウである。
性格はなかなかに獰猛だ。子どもの頃、動物園のふれあいコーナーでカモにエサをやっていたら後ろから白鳥が近づいてきた。
白鳥はカモをくわえてフロントスープレックスのように投げ飛ばして排除し、エサをねだってきて戦慄した。
白鳥の湖とかいっているがあれは他の鳥を全部フロントスープレックスで投げ飛ばしていたのではないか。
そんな白鳥が着水というか入水する様はもはや船出。優雅に、威風堂々と離岸してゆく。
アン・ドゥ・トロワという感じで行く。
着水後の動きにも注目したい。着水して勢いよく水面を滑ると、体をくいっと横に向けてスライドターンをかまし、かっこよくブレーキングするのだ。
K点越えを決めたジャンパーが飛距離を確かめるように振り返る。
クイッとキレキレのターン。
数々のアニメやゲームで引用される映画「AKIRA」の名シーン、バイクに乗った金田のスライドターンを思わせるスピード感、臨場感である。
ハシビロガモは着水の後ターンを決めることが多い(気がする)。カモ界の金田だ。
最後はターンの詰め合わせパックをどうぞ。
まとめて見られるから便利。
ナショナルジオグラフィックで着水特集をやってたりしないだろうかと検索したらメーデー(航空機事故の検証番組)がいっぱい出てきた。そっちの着水か、こわいわ。
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