情報と非日常が結びつくフォーマット
どんな題材でもそれなりに見える便利なフォーマットの面白さに気づいた。
情報は情報としてしっかりまとまるし、飛行機という(僕にとっては)あまり乗ることのない非日常の世界が、離発着予定というフォーマットで結びつく面白さがあるなと思った。
お手軽に空港気分を味わうにはいいかもしれない。
空港や飛行機は非日常のかたまりだと思う。
手荷物が出てくるところや出国審査のゲートなど、身の回りにはない専用の設備が多くて特別な気持ちになる。
個人的には飛行機の離発着予定の表示に注目したい。
これを家に置いたら、まるで空港にいる気分にならないだろうか。
飛行機の離発着予定とは、こういうものだ。
何時にどこへ向かう便の情報がたくさん載っている。
どの航空会社の便かや、出発時間や搭乗口変更の情報もあるのが特徴的だ。
ところで、成田空港近くの酒々井アウトレットに行ったら、フードコートの上にこの離発着予定が浮かんでいたのだ。
よくあるショッピングモールにいきなりこれがあると、急に旅気分を味わった気持ちになった。
空港にしかないものだと思っていたので、日常の風景とのミスマッチさがすごい。
逆に、これを日常風景のど真ん中である自分の家に置いてみたら、旅情を感じられるのではないだろうか。
実際の離発着予定を作るのは難しいので、それっぽい画面を作ることにしよう。
まずは、架空の航空会社のロゴを作る必要がある。
素人クオリティなのは目を瞑ってほしいが、オーナー林氏をエンブレムにあしらったDPZ航空や、スリルあふれるフライトが人気のメーデー航空といった架空の航空会社のロゴを生むことが出来た。
これを先ほど見たような離発着予定の画面に組み込むとこうなる。
仕事スペースに空港が現れた。
急に見慣れぬ「情報」が出てきてたじろぐ。
パリ行きがあるのかー、でもニューヨークもいいな、などとありもしない飛行機に思いを馳せてしまうな。
さっきまで朝のニュース番組を映していたはずのテレビが様変わりだ。
空港近くにあるホテルのテレビでこういうのだけ流すチャンネル、ないんだろうか。
自前で作れると、好きにアレンジすることも出来る。
妻と子どもと一緒に外へ出かけるのに、さっと行ける範囲のショッピングモールは行き尽くしてしまったのだ。
休日のたびに目的地を順番にループしている気もする。
それでも、このフォーマットにするとなんだか新たな発見がありそうな場所に思えてくる。
次々に出発予定の飛行機(実際は車で行くのだが)の中から、目についた目的地をひょいと選んで行けば良いのだ。
出発時刻はあまり考えず、目的地の候補を並べるだけでも面白い。
一方で時刻を重視してみると、こういう予定表も書けそうだ。
なんだかそれっぽい。
僕の本業はウェブエンジニアなのだが、ありそうな内容を挙げてみた。
システムリリースをしたらバグが見つかったので元に戻し、後続の予定がずんずん遅れている。
帰る時間は変えたくないから、勝手に一部の作業を欠航扱いにしてしまった。
普段のスケジュール管理ソフトに予定が詰まっていると、うげーと思ってしまうがこれならそこまで圧迫感はないのかもしれない。
航空会社の「俺エアラインズ」については、実際にはそこそこ定刻通りに運行しています。いつもご利用ありがとうございます。
離発着予定のフォーマットは、実はもっと幅広い内容に対しても適用出来るかもしれない。
予定という概念に囚われず色々と考えてみた。
たとえば、世界遺産にも認定された富士山近くの観光地・忍野八海を離発着予定にしてみる。
名前の通り8つの池があるのだが、並べることで「どこから行こうかな」と選びたくなる。
ただ池を列挙するだけでなく、最初の池だけが少し遠くにあったり見るのに有料の池があるということを書くことが出来る。
ちなみに中池というお土産屋のすぐそばにある池は、たくさん人がいて立派な作りなのだが実は人工池で忍野八海にはカウントされてないという驚きの事実があった。
「どこから行こうかな」と選びたくなるのは、なにも実際の場所とは限らない。
ロックマンシリーズは好きなステージを選ぶことが出来るので、これを見て選んでほしい。
ボスを倒したらもらえる武器も載せたので、便利である。
先ほどの仕事の予定表のように「時系列に並べる」ことを意識するなら、こんな活用方法も出来そうだ。
時刻のところは該当する年を書いたので、15時82分のような表記になっている。
信長と家康がともに戦った姉川の戦いや、秀吉と家康が敵対して戦った小牧・長久手の戦いはコードシェア便として記載させてもらった。
ルフトハンザやANAが加盟するスターアライアンスのように、この3人をホトトギスアライアンスとして呼称しておきたい。
アライアンスに共通して敵対する城を攻め落とすと、マイルが貯まるのだ。
ただし戦国時代なのですぐに関係性が変わってしまい、マイルの相互利用が出来なくなるかもしれない。何の話だ。
どんな題材でもそれなりに見える便利なフォーマットの面白さに気づいた。
情報は情報としてしっかりまとまるし、飛行機という(僕にとっては)あまり乗ることのない非日常の世界が、離発着予定というフォーマットで結びつく面白さがあるなと思った。
お手軽に空港気分を味わうにはいいかもしれない。
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