1日の内容が薄い日
定期的に、内容の薄い日がある。特にエピソードもなく、スマホをみたり、昼寝していたらなんとなく終わっていた1日だ。死ぬ前の走馬灯で絶対に流れないであろう人生の一コマである。
でもせっかく生きる1日なのだから、もう少し内容に厚みを持たせられないだろうか。できれば昼寝などの行動は変えずに。
色々考えたが、分厚い日記を書けば、内容量が増えて厚みのある1日ということになるのではないか、という結論に至った。でも、内容が薄すぎて書くことはほぼない。しょうがないので、3Dの絵日記にして物理的に厚みを出すことにした。
癖でウレタンをカット
3D絵日記とはこういうことである。絵の部分を立体にするため、厚みが必要だ。

厚みがちょうど良いウレタンがあったので、適当な大きさにカットした。

カットした後、「これ、ウレタンでふわふわに作る必要があるのか?」と思ってきた。日記なので字も書くわけだし固い素材の方がいいのではないか。普段ウレタンを使ことが多いので、よく考えずに使ってしまったが、絶対に発泡スチロールの方が良い。無意識でふわふわにしようとしてる自分怖っ……!!ウレタン依存症かも。

色を塗る
形を切り出したら、次はアクリル絵の具で色を塗っていく。


表紙は別の色を塗るが、下地として白を塗っておいた。
よし!あらかた出来たし、日記書くぞ!
内容の薄い1日を過ごす
いざ日記を書こうと思うと、なんて書けばいいのか分からなかった。
今までも内容の薄い日々は散々過ごしてきた。過去の1日を日記に書けばいいのかもしれないが、何日だったか分からない。正確に日記に書くために、もう一度薄い内容の1日を過ごした方がいいのではないか。

積極的に1日の内容を薄くするという初めての経験であったが、いつもどおり薄く出来た。 普段ならやや罪悪感を覚えるところだが、日記にするという使命があるのでのびのび過ごすことができた。
1日を紙粘土で再現
内容の薄い1日を過ごしたので、これを3D化していこう!!
作るものは、スマホを見ている私のみ。


パーツを分けると強度が弱くなるので、接着剤を混ぜながら作っていく。

小道具は現実の一日にはなかったアイテムだが、 絵日記ってちょっと盛って描くものものだろう。紙粘土を余らせるともったいないので、お菓子などを追加することにした。
乾かすために、このまま1日放置する。


実写化するとシンプルに怠惰だが、紙粘土にするとかなりかわいいぞ!!何もしなかった1日と思ってたけど、お家まったりタイムのような味わいがでている。絵になる怠惰だ。いい……!!
部屋を塗ろう
次は部屋の中を塗っていく。

内装を塗っている気分でちょっと楽しい。


乾かしている間、裏面と表紙を塗っていく。

最初はかわいいと思ってたけど、ずっと隣にあるとなんか嫌だな……、と思い始めた。こっちは作業してるのに、あいつはずっとサボっている……。さすがに1日中マイクロブタの動画を見ているのは良くないのでは、と自分を客観的に見始めていた。そんなに見るなら、実際にブタを飼った方が良い。
日記を書こう
日記の土台を作るまでに3日かかったが、やっと文章を書くときが来た。1日の日記を書くのに3日費やしていいのか。時間かかりすぎだ。天気を書く欄を作ったが、どんな天気だったか、記憶も曖昧である。

ちなみに裏面がまだ乾いてないので、かなり無理な体制で書いている。

日記が書けたら、最後は製本だ!!

発泡スチロール用接着剤を全体に塗って、布で覆う。

完成
ついに完成〜〜!!


内容は薄いが、書き上げた達成感がすごい。卒業文集を書いたぐらいの満足度だ。

分厚さで言えば、広辞苑以上の内容量!
あの1日で、こんな超大作の日記が書けるなんて……!!

改めて思い返しても、YouTubeを見る以外本当に何もしない1日だった。でも、これを作るために3日費やしているので、単純にその3日分の価値が、この1日に乗っかっている。つまり4日の価値があるのだ。
何もない1日に、ぐっと奥行きが生まれた。3Dという物理的な厚みだけでなく、本当に4日分の厚みが生まれているのだ。みんな!サボっちゃった日の後は、超力作の日記を書こう!!
日常の怠惰は、将来的な付加価値によって取り返せるということを学んだ有意義な4日間であった。

ここから

会員特典コンテンツです
この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。