これのことです
面ファスナーとは、こういうやつのことです。
あまり意識したことはなかったが、バリバリする部分を拡大してみたところ、海賊の義手みたいに先が鉤状に曲がった太い繊維部分が、密に編み込まれた細い繊維の隙間に刺さって引っかかることで固定されるようだ。
理屈はわかったが、これとゴボウの実に一体どんな関係があるのだろうか。
4月8日、ゴボウの種を植えてみる
面ファスナーとゴボウの関係を調べるために、パソコンで検索するのではなく、ホームセンターで「サラダごぼう(てがる)」と書かれた種を買ってきた。家庭菜園が趣味なので。
種を蒔けば実ができるはず。そこに答えが隠されているはずだ。
おそらくゴボウの種というものを初めて見たのだが、小さめのコメツキムシのような姿をしていた。
この時点では、まだ面ファスナーの謎はまったく解けていない。
種を蒔いてから100日ほどで収穫できるらしいが、今回の目的は根ではない。果たして実はついてくれるのだろうか。
5月4日、芽が出た
種を蒔いてから一か月ほどして、ようやくかわいい双葉が生えてきた。ゴボウだけに根気がいるぜ。
間引きとして少し抜いてみたところ、この根がゴボウになるのかなという片鱗を感じさせてくれる細長い形状をしていた。
ゴボウは芽生えた頃からゴボウなのだ。ただし、面ファスナーが発明される予兆はまだ一切感じられない。そりゃそうなのだが。
5月14日、 本葉が出ていた
双葉が出てから10日後に覗いてみると、丸っこくて皺が多めの本葉が伸びていた。
また少し間引きしたので、せっかくだからよく洗って根の部分を食べてみる。フレッシュなゴボウの味がしてうまい。確か「サラダごぼう」という名前だったので、生でもおいしい品種なのだろう。ゴボウサラダのゴボウは生じゃない気もするけど。
これなら葉っぱもいけるかとそのまま齧ってみたら、ちょっと青臭くてメティリーフ(これのこと)を思い出す味。だが少し遅れて追いかけてきた強烈なえぐみにびっくり。葉ゴボウという野菜もあるくらいなので、加熱したらおいしいと思われる。
6月2日、 だいぶ育ってきた
種を蒔いてからもうすぐ二か月。芽が出るまでに一か月かかったのでかなり不安だったが、そこからの成長は著しく、抜いてみればもう若き立派なゴボウである。
これくらいだととても柔らかく、さっと茹でて齧るとおいしい。さすが「サラダごぼう」だ。
7月8日、実がまったくできない
種を蒔いてから三か月。そろそろ本来の収穫時期となったが、まだ肝心の実はまったくできていない。
ここからどんな実ができるかすらイメージできない。
8月16日、朝鮮人参みたいになっていた
種を蒔いてから130日くらい経つと、本来の収穫時期を過ぎてしまったためか、葉っぱに元気がなくなってきた。
もしかしたら素人栽培だとゴボウに実をつけさせることは難しいのかもしれない。あるいはこの後、秋になって気温が下がってくると何らかの変化があるのかも。でもこのまま枯れてしまう予感大。