「本当に森にいるみたいだ…!」
こちらである。
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顔が全部入る大きさの箱。森の爽やかな空気が遮断されて蒸し暑い。別の場所のよう。聴覚も嗅覚も働かない。
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箱に細い穴が空いていて外が見える。しかし「外」って感じがしない。ゴーグルで映像を見ているようなのだ。
そんな感覚を総合して「VR森」みたいだなと思った。
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森にいるのにいないみたいだ。狭くて蒸し暑い場所から森を体験しているよう。つまり「VR森(in森)」であり「逆VR」だ。映像がリアルできれい。まるで本当の森のよう。森にいるみたい。いるのに。
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VR高いビルも
目線の穴が空いた箱をかぶると、そこにいないような気持ちになれる。場所を変えてもこの逆VRは成立した。
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首をゆっくり上下に振って高いビルを体験した。上から下までしっかり映像がある。すごくよくできているのだ。
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そう言えばいるのにいないみたい、という感覚なら何度か経験がある。友達のいない飲み会とか、気持ちの離れてしまった会社説明会とか。
しかしこの逆VRはポジティブな驚きがあって楽しい。いるのに「いるみたい!」と驚けるからだ。
だがそう驚けるのは、同時に「いないみたい」でもあるから。いるといないがどっちもある、それが箱の中なのだ。
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VRエスカレーターは、体が上昇している感覚まであって「人って視覚だけでこんなに騙されちゃうんですね!」と、言う時みたいだった。
つまりVRがリアルでびっくりする時の感覚が、その場にいるのにあるのだ。分かるだろうか。食品サンプルがリアルでびっくりしている、その食品サンプルが実は本物なのだ。虚構と現実のミルフィーユである。
おもしろい経験ができた。ちょっとしたことで、いるようにもいないようにもできるのだ。