特集 2024年8月1日

箱をかぶると逆VR

森にいながら「森にいるみたい」みたいになる

仮想現実を体験できるVR。家にいながら遠くのどこかにいるような気持ちになれる。

その逆。そういう場所にいるのに、まるでいないような気持ちになる逆VRを見つけた。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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「本当に森にいるみたいだ…!」

こちらである。

箱をかぶった

顔が全部入る大きさの箱。森の爽やかな空気が遮断されて蒸し暑い。別の場所のよう。聴覚も嗅覚も働かない。 

視覚はこう

箱に細い穴が空いていて外が見える。しかし「外」って感じがしない。ゴーグルで映像を見ているようなのだ。

そんな感覚を総合して「VR森」みたいだなと思った。 

そういうつもりじゃなく箱をかぶっていて「いや、VR森じゃないんだから」と箱を脱いだ(どういうつもりでかぶっていたかは後で説明します)

森にいるのにいないみたいだ。狭くて蒸し暑い場所から森を体験しているよう。つまり「VR森(in森)」であり「逆VR」だ。映像がリアルできれい。まるで本当の森のよう。森にいるみたい。いるのに。 

「すごい、本当に森にいるみたいだ…!」
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VR高いビルも

目線の穴が空いた箱をかぶると、そこにいないような気持ちになれる。場所を変えてもこの逆VRは成立した。

VR高いビル
箱の中からの映像

首をゆっくり上下に振って高いビルを体験した。上から下までしっかり映像がある。すごくよくできているのだ。 

「高いビルの真下にいるみたいだ…!」

そう言えばいるのにいないみたい、という感覚なら何度か経験がある。友達のいない飲み会とか、気持ちの離れてしまった会社説明会とか。

しかしこの逆VRはポジティブな驚きがあって楽しい。いるのに「いるみたい!」と驚けるからだ。

だがそう驚けるのは、同時に「いないみたい」でもあるから。いるといないがどっちもある、それが箱の中なのだ。 

VR銅像
こう見えている
VRエスカレーター
こちらはこう見えている

VRエスカレーターは、体が上昇している感覚まであって「人って視覚だけでこんなに騙されちゃうんですね!」と、言う時みたいだった。

つまりVRがリアルでびっくりする時の感覚が、その場にいるのにあるのだ。分かるだろうか。食品サンプルがリアルでびっくりしている、その食品サンプルが実は本物なのだ。虚構と現実のミルフィーユである。

おもしろい経験ができた。ちょっとしたことで、いるようにもいないようにもできるのだ。 

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