グリーンランドは何色か
北極圏に所属する世界最大の島、グリーンランド。デンマーク自治領だが、最近トランプ大統領が本気で購入しようとしているという話もある。そんなグリーンランドに関して気になっているのが、
である。国際政治の比喩とかではなく、地図上の色分けの話。やっぱりグリーンだといいな。

この画像を作るのに使用したフリー素材の世界地図では、グリーンランドはエメラルドグリーンに塗られている。 ほらやっぱりね。制作者のちょっとした遊び心というか、"意図" を感じる。こういうのが好きだ。
子供のころお風呂に貼ってあった学習用の世界地図では、グリーンランドは濃い緑色だった。他の国・地域は薄めの色だったのに、グリーンランドだけ濃い緑だったので強烈に覚えている。

では、調べていこう。グリーンランドは何色か。地図上で。
Wikipediaでは何色か
まずはWikipediaでグリーンランドを調べる。

やっぱりね。グリーンランドは緑色に塗りたくなる。それが人間の心理というもの。Wikipediaを編集してくれている人、ありがとうね。
しかしこれはぬか喜びであったことに気づく。グリーンランドだけでなく、Wikipediaではどの国も緑色で塗られていた。

残念だ。グリーンランドだけが緑色であってほしい。それが難しくても、せめて、いくつかの選択肢がある中でグリーンランドに緑が選ばれていてほしい。
これはどういったタイプの欲なのだろうと、自分の気持ちを咀嚼しきれぬまま、私は図書館に向かった。
図書館で調べる

図書館にはびっくりドンキーのメニュー表ぐらい大きい世界地図がいくつも置いてあった。持ち出し禁止ではあるが、許可を得てコピーを取ることができた。さっそく見ていこう。

世界各国が5色で塗り分けられている中で、グリーンランドに緑色が割り当てられている。気持ちがいい。
グリーンランドの文字の下には小さく[DEN]と書かれている。デンマーク自治領であることを表しているのだろう。では、デンマークは何色か。やはり、色をそろえているのだろうか?

なんだ、グリーンランドとデンマークで色をそろえる必要は無いのか。これは朗報だ。なぜなら、色をそろえる必要があるとすると、塗り分け上の制約が強くなり、「グリーンランドを緑で塗る余裕」がなくなってしまうからだ。「ヨーロッパの塗り分けで精一杯だからグリーンランドを緑にするのは勘弁して~!」と言われてしまう (誰に)
グリーンランド:緑
デンマーク:紫
幸先がいい!

はいはいはい。やはりね。グリーンランドは緑。これに関してはデンマークも緑。担当者が色を塗るときにまずグリーンランドから塗り始めてない?じゃないとデンマークも緑色にするのは相当難しいと思う。
うすうす感じていたが、これが「世界の真実」というやつかもしれない。見えざる者の意図が介入し、グリーンランドは緑色に塗られている。(こんなことでテンションが上がっているのは私だけだろう。)
この地図は2017年発刊だが、図書館には同じ小学館「最新世界大地図」の2009年版もあった。

こわくなってきた。先ほどと同じ地図で同じデザイン、同じフォントなのだが、色だけが違う。2009年のグリーンランドは青色で、2017年は緑色なのだ。どうして色を変える必要があったんだろう。
やっぱり編集会議で「次回の世界大地図ですが、グリーンランドを緑にするのはどうでしょうか?」というやりとりがあったのだろうか。もしくは、編集長が交代となり、グリーンランドの色に強い思い入れを持つ人がアサインされたのかもしれない。
いずれにせよ、小学館は8年の間に何らかの理由でグリーンランドを緑に塗り替えた。ここに強い意図を感じる。
グリーンランド:緑
デンマーク:緑
グリーンランド:青
デンマーク:青