我が家のテーブル事情
我が家にあるダイニングテーブルは、だいぶ前にどっかからもらってきたもので、立派な木製ではあるのだが、天板がテカテカしているタイプ。
大切に使ってはいるものの、この上で料理を並べて写真を撮ると背景がテカりまくるので、その上に百円ショップで買ってきた黒っぽく加工してある45×15センチの木の板を並べて、どうにか誤魔化し続けてきた。
この板でも料理のアップであれば問題ないのだが、引きの撮影だとどうしても板のつなぎ目部分ができてしまうし(反ってしまったので段差ができる)、サイズ的に定食のようなものを撮ろうとすると背景として足りない。
そんな悩みを抱え続けて早数年。さっさとテーブルを買い替えればいいのだが、写真映えする木のテーブルはなかなかのお値段だ。そこで適当なサイズのかっこいい板を探していたのだが、これがなかなか見つからないのである。
ホームセンターで木材コーナーを覗いたり、リサイクルショップに寄ってみたりしたが、ずっと気に入る板と出逢えないでいた。
運命のちゃぶ台
もう家のテカっているテーブルにやすりをかけて強引に艶を消すという力技に出ようかと思い始めた頃、取材先の街でふと立ち寄った古道具屋さんの店主に事情を話したら、「それならこれはどうですか」と、かなり年季の入ったちゃぶ台を出してくれた。
なんでも昨日仕入れてきたばかりの商品で、合板ではなくケヤキの一枚板とのこと。まだなんの手入れもしておらず、この状態のままなら三千円とのことだった。
白く削れた天板の傷が気になって、第一印象は正直良くなかったのだが、一枚板ならどうにか消せるかもしれない。サイズ的にもちょうどいいし、脚の作りがすごくかわいいのが気に入った。なんといっても安いしな。
でもボロすぎるだろうか。うーん、迷う。
いやでもかわいい。DIYの類は苦手なのだが、このちゃぶ台は私にとってのお宝になってくれるような気がする。
これはきっと運命だ。ここで諦めたら五年くらい後悔しそうだったので、この日は電車だったけど、買って持って帰ることにした。
買ってきたちゃぶ台をお手入れしよう
そして後日、ホームセンターなどで必要な道具を買い揃え、お手入れに着手した。
店主におススメされたワトコのオイルはたくさん種類があり、今回は素材の色を生かすためにナチュラルにしてみた。200ミリリットルで二千円弱と、まあまあのお値段だった。
床が汚れないようにビニールシートを広げて、古いことだけは確かな年代不明のちゃぶ台を改めて確認していたら、さすがにちょっとぼろすぎたかなと不安になってきた。
大丈夫かな、これ。
天板は残念な色になっているが、まだ艶の残る裏側は、クワガタの腹みたいでやっぱりかわいい。
このちゃぶ台の本来の色は、きっとこっちなのだろう。この色を表側にも引き出せるだろうか。
とりあえず固く絞った雑巾で拭き、数十年分の汚れや可動部に溜まったほこりを取り除く。
濡れることで一瞬だけ艶が出て、もうこれでいいかという気にもなったが、乾くとすぐ現実に戻るので、やっぱり本格的な手入れをした方がよさそうである。