特集 2025年1月18日

料理撮影用の板が欲しかったので、古いちゃぶ台を買って手入れをした

ずっと探していたものがある。それは料理を撮影するときに使う、いい感じの木のテーブルだ。テーブルというか、大きめの板。

家にあるテーブルはテカテカと光ってしまうので、その上に重ねて置く適当な板はないものかと彷徨っていたところ、たまたま入った古道具屋さんで年代物のちゃぶ台を手に入れたので、磨いてみることにした。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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我が家のテーブル事情

我が家にあるダイニングテーブルは、だいぶ前にどっかからもらってきたもので、立派な木製ではあるのだが、天板がテカテカしているタイプ。

大切に使ってはいるものの、この上で料理を並べて写真を撮ると背景がテカりまくるので、その上に百円ショップで買ってきた黒っぽく加工してある45×15センチの木の板を並べて、どうにか誤魔化し続けてきた。

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照明を反射しまくるテーブル。
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それっぽい板を敷いて撮影をしている。
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実際に撮った写真。「ミャンマーの国民的麺料理、モヒンガーを作ってみた」より。板を水拭きするとそれっぽくなるんですよ。

この板でも料理のアップであれば問題ないのだが、引きの撮影だとどうしても板のつなぎ目部分ができてしまうし(反ってしまったので段差ができる)、サイズ的に定食のようなものを撮ろうとすると背景として足りない。

そんな悩みを抱え続けて早数年。さっさとテーブルを買い替えればいいのだが、写真映えする木のテーブルはなかなかのお値段だ。そこで適当なサイズのかっこいい板を探していたのだが、これがなかなか見つからないのである。

ホームセンターで木材コーナーを覗いたり、リサイクルショップに寄ってみたりしたが、ずっと気に入る板と出逢えないでいた。

運命のちゃぶ台

もう家のテカっているテーブルにやすりをかけて強引に艶を消すという力技に出ようかと思い始めた頃、取材先の街でふと立ち寄った古道具屋さんの店主に事情を話したら、「それならこれはどうですか」と、かなり年季の入ったちゃぶ台を出してくれた。

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丸ではなく四角いタイプのちゃぶ台だ。

なんでも昨日仕入れてきたばかりの商品で、合板ではなくケヤキの一枚板とのこと。まだなんの手入れもしておらず、この状態のままなら三千円とのことだった。

白く削れた天板の傷が気になって、第一印象は正直良くなかったのだが、一枚板ならどうにか消せるかもしれない。サイズ的にもちょうどいいし、脚の作りがすごくかわいいのが気に入った。なんといっても安いしな。

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この脚、かわいくないですか。ただの板よりも持ちやすいし、持ち運べるテーブルとしても便利そうだ。

でもボロすぎるだろうか。うーん、迷う。

いやでもかわいい。DIYの類は苦手なのだが、このちゃぶ台は私にとってのお宝になってくれるような気がする。

これはきっと運命だ。ここで諦めたら五年くらい後悔しそうだったので、この日は電車だったけど、買って持って帰ることにした。

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店主にお手入れの方法を聞いたら、「紙やすりなどで傷を磨いて、ワトコのオイルを塗ってみてください」とのこと。

買ってきたちゃぶ台をお手入れしよう

そして後日、ホームセンターなどで必要な道具を買い揃え、お手入れに着手した。

店主におススメされたワトコのオイルはたくさん種類があり、今回は素材の色を生かすためにナチュラルにしてみた。200ミリリットルで二千円弱と、まあまあのお値段だった。

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紙やすり、ワトコのオイル 、刷毛を買ってきた。
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紙やすりで研磨してから塗るそうだ。

床が汚れないようにビニールシートを広げて、古いことだけは確かな年代不明のちゃぶ台を改めて確認していたら、さすがにちょっとぼろすぎたかなと不安になってきた。

大丈夫かな、これ。

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なかなかの年季である。ここで料理を撮ったら不衛生に見えるだろうか。だがこの汚さは「時代が付いている」と前向きにとらえたい。
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塗装が剥げたような白い傷と、熱いヤカンでも置いたであろう黒い傷をどうにか消したい。

天板は残念な色になっているが、まだ艶の残る裏側は、クワガタの腹みたいでやっぱりかわいい。

このちゃぶ台の本来の色は、きっとこっちなのだろう。この色を表側にも引き出せるだろうか。

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折りたたまれた状態。
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脚がパコっと開いて固定できる。

 

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金属のネジなどは使われていないようだ。よくできているなあ。

とりあえず固く絞った雑巾で拭き、数十年分の汚れや可動部に溜まったほこりを取り除く。

濡れることで一瞬だけ艶が出て、もうこれでいいかという気にもなったが、乾くとすぐ現実に戻るので、やっぱり本格的な手入れをした方がよさそうである。

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濡れているときは高級感があるんですよ。
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丸いから竹の脚かと思っていたが、木を削ったものだった。
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へその位置にある、人屋根(部首)に「叶」と書かれた謎のマーク。叶姉妹の愛用品だったのだろうか。わかる人がいたら教えてください。

⏩ やすりで傷と汚れを消していく

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