ページをめくる演出があった
ページをめくって出てくる演出、確かこんな感じだった。
最近のマンガは、こんな風に現実がマンガに割り込んできたりしない。どのマンガも世界が高度に仕上がっており、簡単に入れるものではなくなったのだと思う。
しかしあの演出は愉快だった。僕もやってみたい。
現実をめくる
そして今回、現実をめくって登場できる方法を考えた。
これで現実をめくれる。マンガに現実が入ってきた演出を現実で再現できるのだ。フィクションとリアルがごちゃごちゃになっていておもしろい。
「なにこれ…」と声が漏れた。とても異次元を行き来できる装置には見えない。
めくってるぞ!
頼りないが、他に良い案もないのでやってみよう。
ラックから上半身を出して斜め上を指差す。「ちょっとちょっとー!」と作者が飛び出してきた様子をイメージしています。
めくったように、見えるな…! めくってるぞ、世界を、俺は!
さっきあんなに頼りなかったこの模造紙のおかげで、自分の輪郭だけが背景に馴染まなくなる。
そして公園をマンガとするなら、めくって割り込んでる僕は作者である。今、現実が、僕の描いたマンガになった。
あ、ダメだ。この人はダメだな。この人がさっき「現実が僕の描いたマンガになった!」って言ってました。
いや、引いて見なければいいだけだ。色んなパターンを撮りました。
めくってるめくってる。一点だけ、僕が何を一生懸命指摘しているのかが全然分からないが、前後にしっくり来るようなストーリーがあるんだなと想像してください。
そしてたくさん撮るうちに、めくっているように見えるコツが分かってきた。ここからは、そのコツを4つ、順に説明します。現実をめくりながら。
コツ1 ちょっと遠くから撮る
ちょっと遠くから撮ると、非現実的な雰囲気が出やすかった。背景に対して僕の縮尺に違和感が出るからだと思う。
更に、遠くから撮ると仕掛けの粗が目立たないという効果もあった。紙のシワとか、映り込んじゃったハンガーラックに気づきにくい。とても助かる。
「現実をめくった!」と認識するより先に「シワシワの紙だ!」という信号が脳から出る。