特集 2023年8月22日

ページをめくって出てくるマンガのキャラになる

「これが都電荒川線じゃ!」

昔のマンガは、作者がページをめくってマンガの世界に割り込んで来ていた。

あれは愉快だった。思い出してニヤニヤしていたらそれを現実でやる方法を思いついた。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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ページをめくる演出があった

ページをめくって出てくる演出、確かこんな感じだった。

最近のマンガは、こんな風に現実がマンガに割り込んできたりしない。どのマンガも世界が高度に仕上がっており、簡単に入れるものではなくなったのだと思う。

しかしあの演出は愉快だった。僕もやってみたい。 

現実をめくる

そして今回、現実をめくって登場できる方法を考えた。

これで現実をめくれる。マンガに現実が入ってきた演出を現実で再現できるのだ。フィクションとリアルがごちゃごちゃになっていておもしろい。

編集部の林さんと公園に集合した
ハンガーラックに模造紙を吊るす
紙をめくってテープで固定したら完成です
笑っちゃうくらい頼りない

「なにこれ…」と声が漏れた。とても異次元を行き来できる装置には見えない。 

めくってるぞ!

頼りないが、他に良い案もないのでやってみよう。

ラックから上半身を出して斜め上を指差す。「ちょっとちょっとー!」と作者が飛び出してきた様子をイメージしています。

「公園が斜めになっちゃったじゃんかー!」

めくったように、見えるな…! めくってるぞ、世界を、俺は!

さっきあんなに頼りなかったこの模造紙のおかげで、自分の輪郭だけが背景に馴染まなくなる。

そして公園をマンガとするなら、めくって割り込んでる僕は作者である。今、現実が、僕の描いたマンガになった。 

ちょっと引くとこうなっている

あ、ダメだ。この人はダメだな。この人がさっき「現実が僕の描いたマンガになった!」って言ってました。

いや、引いて見なければいいだけだ。色んなパターンを撮りました。 

「すっごい晴れちゃったよ!」
「白鳥いるんかーい!」
「森なんかーい!」

めくってるめくってる。一点だけ、僕が何を一生懸命指摘しているのかが全然分からないが、前後にしっくり来るようなストーリーがあるんだなと想像してください。

そしてたくさん撮るうちに、めくっているように見えるコツが分かってきた。ここからは、そのコツを4つ、順に説明します。現実をめくりながら。

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コツ1 ちょっと遠くから撮る

ちょっと遠くから撮ると、非現実的な雰囲気が出やすかった。背景に対して僕の縮尺に違和感が出るからだと思う。

さっきの「森なんかーい!」が特にそう

更に、遠くから撮ると仕掛けの粗が目立たないという効果もあった。紙のシワとか、映り込んじゃったハンガーラックに気づきにくい。とても助かる。 

近いとこうなる

「現実をめくった!」と認識するより先に「シワシワの紙だ!」という信号が脳から出る。 

でも遠すぎるとパッと見て何をしてるのか分からないので、程よい距離を探そう

⏩ 奥行きのある景色がいい

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