なんでこんなに美味しいのかよ
以前当サイトに、ライターのトルーさんが「『もうおいしそー』と思ったら料理は途中でやめてもいい」という記事を書かれていました。あの記事の衝撃が、いまだに忘れられません。
記事を読んでもらえればわかるのですが、僕が特に「その発想はなかった!」と驚いたのは、カレーを作る際の定番である「玉ねぎを飴色になるまで炒める」という工程。トルーさんはそこから先に進まず、「もうおいしそー」と思ったその時点で食べてしまう。「ただ飴色に炒めただけの玉ねぎ」を。ごはんと一緒に。そして、それがうまい! という内容。
後日カレーを作る機会があり、僕も実際にまねしてみたんです。つまり、玉ねぎを飴色に炒めた時点で、ちょっとつまみ食いしてみた。そしたら感想はトルーさんとまったく一緒! もはやこれは、手の込んだ一品料理! 衝撃的に美味しいし、そしてまた、カレーとはまったく別もの。ここからカレーにしていくことにより、“いつもの味”になってしまい、むしろこっちのほうがなんだか立派な料理に感じるくらい。
そこで今回は、玉ねぎの他にも、飴色に炒めることによって美味しくなる野菜はあるのか? そもそも、どんな野菜も飴色に炒められるものなのか? そのあたりを検証してみたいと思います。
9種類の野菜を飴色に
ただ、野菜といったっていろいろあります。そこで僕が個人的に試してみたいと思い、今回揃えた野菜はこちらの9種類。
・玉ねぎ
・長ねぎ
・なす
・大根
・にんじん
・キャベツ
・ピーマン
・じゃがいも
・マッシュルーム
これらをすべて、細かめに刻み、なるべくくせのない油(今回は米油)を使い、適量の塩をふってじっくり炒める。というのを基本にやっていこうと思います。
ではまず、玉ねぎ、長ねぎ、なすからいってみよー!
火加減は常に中火で、玉ねぎを飴色に炒める場合、焦げはじめたら少量の水を足し、さらに炒めていくのが効果的とのことなので、適宜水も足しながら。
なかなかに根気のいる作業ですが、6〜7分くらいで最初に様子が変わりはじめたのが長ねぎ。
なんだかんだで20分以上は炒めていたかな。それぞれに飴色に変化するスピードに違いはありましたが、
っていうか、なす、最初の質量どこいった!?
おなじみの野菜たちを次々と
と、こんな感じでどんどんいきましょう! と、言いたいところなんですが、すみません、ひとつだけ予定変更。このセパレートパン、ひと部屋が小さいので、野菜を炒める作業がやりにくすぎますね。ここからは素直に、普通のフライパン2枚使いで作業していこうと思います。
では、大根とにんじん!
驚いたのは大根で、変化が早い早い。3分くらいで焦げ目がつきはじめ、だんだん見た目が玉ねぎに近づいていきます。
一方のにんじんは、かなりがんこに従来の面影をたもち続けるタイプですね。
続いては、キャベツとピーマン!
このあたり、いちばん飴色になってくれるかどうかの予想がつかないメンバーですね。キャベツは芯も細切りにして、ピーマンはわたと種も入れてしまいましょう。
ちなみにちょっと味見をしてみたところ、このふだんよりは炒めすぎた細切りピーマンが、めちゃくちゃうまい! とろっと甘くて、香り爽やかで、ほんのりと苦い。こういう料理としてまた作りたいほどです。
そして20分くらいでどちらも完成。