憧れの能取岬灯台
能取岬灯台は年に一度だけ内部の一般公開が行われる。2024年も行われる予定で、それは明日、9月28日(土) 11時-15時(最終入場14:30)だ。今回の記事は2023年の一般公開での出来事。この日のために一年間、原稿を寝かせておいた。
ここにあります
能取岬灯台は北海道阿網走市のオホーツク海に突き出た岬に立っている。灯台の高さは21mで1917年に設置された。黒と白の縞模様が実に特徴的で美しい。青い空と海、緑色の牧草にとても馴染んでいるように思える。
私は数年前から仕事でこの地域を訪れている。2017年には能取岬灯台がコースに含まれるマラソン大会に出たこともある。そのためだろうか、この灯台が私の心にこびりついている。いつか登ってみたいと思っていた。
しかし、先にも書いた通り、普段は能取岬灯台を登ることはできない。見学はできないのだ。それが2024年だと明日9月28日、2023年は9月23日の1日だけ見学することができた。一年に一度の貴重な機会なのだ。これは行かねばならない。
一番に来た!
2023年9月23日の私は、見学できることが楽しみで、ホテルを早々に飛び出した。駐車場から能取岬灯台までは走った。2017年のマラソン大会の時はすでにこの辺りでは疲れていて、全然足が前に進まなかったけれど、この日は違った。足がどんどん前に出て逆に転びそうだった。
整理券のようなものがもらえるのだけれど、一番だった。しばらくして後ろを見ると多くの人が並んでいた。私は本当に見学したかったのだ。それが整理券一番という形で可視化された。別に何番でも見学できるのだけれど。
少し灯台について話そう。世界最古の灯台は紀元前279年にエジプトのアレキサンドリア港の入り口、ファロス島に建てられたものだ。高さは135mもあり完成までに200年がかかった。この灯台は1477年まであったと言われている。1700年以上使われていたことになる。
日本での最初の灯台は1300年ほど前になる。唐の国から帰る道がわかるように、九州地方の岬や島で昼は煙を上げ、夜は火を灯し船の目印にした。江戸時代になると日本式の灯台が建てられるようになる。「かがり屋」や「灯明台」などと呼ばれた。
幕末になると洋式灯台の建設が始まる。改税約書(江戸条約)に基づき、灯台を設置することが求められ、外国人技師を呼び作られた。能取岬灯台は八角形をしており、これは江戸時代に雇われた外国人技師であるフランソワ・レオンス・ヴェルニーの設計した灯台の名残が受け継がれている。