2024年は明日です!
憧れだった、ずっと見てみたいと思っていた能取岬灯台に登った。毎年一日だけ一般公開があるので、そこを忘れないようにしたい。船のためにある灯台だけれど、その船だってこんなに近距離で灯台を見ることがないのだ。特別な気持ちになれるのが灯台見学なのではないだろうか。
時間になり、いよいよ能取岬灯台に登る。中に入ればとても現実的な施設だ。テーマパークなどではない。煌びやかな感じはなく、制御室的なものがあり、無機質な階段があるだけだ。
灯台の色は国際的なルールがあり、陸上に設置される沿岸灯台は基本的に白色で、北海道のような雪が降る地域はより見やすいように、赤と白や、黒と白のように塗り分けられている。中に入れば外壁の色はわからないけれど。
赤と白の灯台が登場したのは映画「喜びも悲しみも幾歳月」(1957)が最初。カラー映画のためより映えるように塗り替えられ、非常に評判がよかったので多くの灯台が赤と白に塗り替えられたそうだ。
メタルハライドランプを光源とし、レンズと反射鏡により光が集約し一直線に遠くまで届くようになっている。その光は約36km先まで届く。また灯器が回転するので海上からは8秒毎に1閃光の光として見えるらしい。よくわからないけれど、すごいということだ、たぶん。
初めてこんなに近くで灯台の光を見たかもしれない。カッコいい。本来は日中に光ることはないのだけれど、この日は特別に光らせてくれていた。電源は太陽電池。できた当時は石油灯器を使っていた。
外に出ると海風が下にいる時より強く感じられた。遠くまでよく見える。天気こそよくなかったけれど、開放感が素晴らしかった。灯台のある景色も素敵だけれど、灯台から見る景色もまた美しく感じた。やはり高いところは楽しい、という結論になるのではないだろうか。
普段は触れることができない場所に物理的に触れられるのも嬉しい。タイルをなんとなく触ってしまった。海風で少しベタっとしていた。それが特別な気がして嬉しかった。数年前からよくここを訪れていて、やっと中に入れたのだ。嬉しいのだ、楽しいのだ。
梯子と階段を降りて、操作室的な部屋にも行った。今この灯台は無人だ。その昔はここで家族が暮らし、灯台に光を灯していた。家族が去った後は、交代制でここに人がいた。しかし今は無人だ。歴史がある灯台なのだ。
無機質な感じがカッコいいと思う理由だろうか。目的を持って作られ、目的に沿ったもの以外ここにはないのだ。それがカッコよく感じる。もっともこの日は灯台のペーパークラフトなども飾ってあって、それはそれでカッコよかったけれど。
憧れだった、ずっと見てみたいと思っていた能取岬灯台に登った。毎年一日だけ一般公開があるので、そこを忘れないようにしたい。船のためにある灯台だけれど、その船だってこんなに近距離で灯台を見ることがないのだ。特別な気持ちになれるのが灯台見学なのではないだろうか。
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