「ガーリックポテト」が食べたいという熱い願い
船頭の小堺さんに合わせ、ライターの乙幡さん、編集部の橋田さんも集まった。朝10時。私も加えた4名が本日のパーティーだ。
4人をつなぐもの、それは「ガリポテスパイスチップス」である。
デイリーポータルZにはライターたちがグループになり、推しの食べ物をすすめ合う企画「推す飯」がある。
この4人のメンバーで記事を制作した際に乙幡さんがピックアップしたのが、珊瑚礁というカレー店のフライドポテト「ガーリックポテト」がスナック化した「ガリポテ スパイスチップス」だったのだ(推す飯の記事はこちら)。
妥協なきガーリックの本格パンチとバリンバリンの食感が最高で、こんなに美味しいのであればお店で食べる「ガーリックポテト」はそれはそれはたまらないのだろうとみんなで話し合った。
「私、珊瑚礁、行きます」
行動派の小堺さんは記事の収録時に確かにそう言った。
行く人は本当に「行く」
それからしばらく。「珊瑚礁、行きたいですねえ」などと口先だけでは言っていた私と、それに乙幡さん、橋田さんのチャットグループに、小堺さんから「本当に珊瑚礁に一緒に行きませんか」と、具体的な誘いが来た。
さらに「せっかく七里ヶ浜まで行くなら(珊瑚礁は七里ヶ浜にしか店舗がない)鎌倉か江ノ島散策しませんか?」とも。
デイリーポータルZのライターには「行けたら行くで本当に行く男」こと、西村まさゆきさんという、社交辞令を言わないことで有名な人がおり、大の旅好きだ(西村さんは「行けたら行く」でバンジージャンプに行ったことがある)。
旅の好きな人は「行く」といったらしっかりと行くのだなと思った。
そのうえ小堺さんは、自分が行くだけじゃなく「行きたいけどまあそのうち……」みたいな私をひっぱってくれた。生きるパワーを感じる。
全員の予定がすり合わさった12月の中旬、午前のうちに約束の七里ヶ浜駅に、誰ひとり遅れることなく集合した。向かうは人気店である。確実に入店すべく開店の11時より前に並ぼうということになっている。
珊瑚礁には七里ヶ浜エリア内に2店舗がある。住宅街に静かにたたずむ本店と、海岸沿いにどっしり構える大型店舗のモアナマカイ店だ。
初心者は派手なモアナマカイ店を選んでもよいかもしれない。が、あの「ガーリックポテト」とついに対面できるのだと思えばおのずと珊瑚礁に対する本格志向がたぎり、「本店ですよね」「本店でしょうね」「本店に行きましょう」と、我々の足は自然と本店へ向かっていた。
向かう途中、あたりは立派な家々が並ぶ坂道だった。4人歩いた。トンビがピーヒョロロロロロロと鳴いたのを聞き、「ややっ、これは戦国時代みたいですね」と言うとみんなが「普通にトンビですよ!」笑ってくれた。
「ふふ、楽しいですね」「楽しいね」口々に言う。
そういえばコロナ禍に入り長くなかなか人と集まれない日々が続いたのだ。
約束されたおいしさを確かめました
小堺さんは最近当サイトで「1番目のお客になりたい」という記事(タイトル通り、開店第一号のお客になるべく走る企画)を書いている。
そんな小堺さんにちなんで、この日のいちばん最初のお客になりましょうよと乙幡さんが提案してくれたのだが、これが正解だった。
私達が並んだ列はその後ぐんぐん伸び、我々4人のは目を見合わせて期待を確かめあった。
めちゃんこ本気で恥ずかしいが、我々はオープン40分前から並んだのだ。珊瑚礁、堂々たるこの日のお客第一号であった。
オープンと同時にうやうやしく席に案内される我々。行列中に熟考して決めたメニューを申し出る。
高まった期待に全力で応えるようにガーリックポテトはめちゃくちゃにうまかった。
太めに熱々ホクホクに揚がったフライドポテトに、スナックで食べたもはやおなじみの完璧なガーリック味のパウダーがしっかりまぶしてある。
「すごい……」「なるほど……」「これは確かに、スナックにしていつでも食べられたらなと思いますね」一同驚嘆した。
会計ではあの「ガリポテスパイスチップス」とはまた別のお菓子「ガリポテ」が取り扱われており、わらわらと群がるように買った。
願いは叶った。
「完」マークが出ても良いくらいだが、なにしろこの日はここからが小堺さんの本領発揮だったのだ。
行動する旅、まさか凧まであげる
珊瑚礁を出た後、小堺さんはすごい勢いで率先して案内し一行をあちこちに連れて行ってくれた。みんなでわあわあキャッキャ言いながら巡った。
珊瑚礁から先の小堺部長による鎌倉・江ノ島案内は、はげます会専用のページで!!! 気になる方はこの機会にご入会ください。気にならないかたは忘れてください。
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