名古屋駅が新しくなった
僕は愛知県の出身なので子どもの頃からよく名古屋駅を使っていた。当時はなんとなく薄暗くて、ちょっと怖かった印象がある。地べたに座って何か売ってる人とかいた。
そんな名古屋駅が、2000年ごろに改装されて超きれいになった。
僕はその頃は愛知を離れていたので、久しぶりに帰ってきた時は驚いたものだ。え!これがあの名古屋駅?と。
そんなJR名古屋駅だが(近くに近鉄と名鉄の名古屋駅もあるのでJRと明記しておきます)、キラキラした駅ビルを抜け、改札を通って電車に乗ろうとすると、急に雰囲気が変わるのだ。
改札を抜けるとタイムスリップしたみたいな気分になる。
駅ビルは大きく変わったが、たぶんホーム周辺はある程度そのまま使っているからだろう。僕が中学生の頃もこんな感じだった。床の柄も当時のままだと思う。
中でも7番8番ホームへ向かう階段が古い、という情報を聞いたので見てきた。
たしかにここだけ時空がゆがんでいるみたいに古い。
手すりは新設されているけれど、その下の構造はものすごいことになっている。
階段の端に埋め込まれている反射板みたいなやつは、戦争中に空襲を避けるため駅の照明を落としていた頃、足元が見えるように設置された物なのだとか。
蛍光塗料が塗られていて、当時は暗闇の中でもぼんやりと光って人々を助けたのだろう。
そんな遺構といってもいい階段がいまでも現役で使われているのだ。とくに保存されているわけでもなく、普段使いとして。
名古屋駅の周辺は最近になってぴっかぴかに開発された部分と、今でも昭和がこびりついて残っている場所とが共存している。ぼんやり歩いているとそれこそ時空のはざまに落ちたのかと思うことがある。
JR名古屋駅で降りることがあったら、ぜひ7番8番ホームの階段を見に行ってみてください。古いから。