特集 2023年7月31日

ピクルス汁でカルキ汚れは取れるのか

私の住むドイツではキュウリの漬物、いわゆる「ピクルス」がよく食べられているのだが、残った汁を再利用する方法がいろいろあるらしい。

中でも特に魅力的だったのがピクルス汁でカルキ汚れを取るというライフハックだ。本当にそうならばとても便利じゃないか。さっそく試してみた。

1986年東京生まれ。ベルリン在住のイラストレーター兼日英翻訳者。サウジアラビアに住んでいたことがある。好きなものは米と言語。

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ドイツのピクルス文化

ひとくちでピクルスと言っても、お酢ベースのものからハチミツやマスタードシードの入ったものなど、ドイツでは色々な種類のピクルスが存在する。

またキュウリの種類や一緒に漬けるハーブなども地域や家庭によってさまざまで、しょっぱいものから甘口のものなど、ピンからキリまである。

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種類が豊富すぎてどれを選んでいいか分からなくなる、スーパーのピクルスコーナー。

日本食に例えると梅干しのようなステータスなのかもしれない、国民的漬物であるピクルス。梅干と言ったら紀州が本場だが、ピクルスの場合はベルリン郊外のシュプレーヴァルトという地域が有名だ。毎年約3万5千トンのキュウリが収穫されるそうで、観光地としても人気の場所である。

シュプレーヴァルトにはピクルス博物館もあるらしい。今度行ってみよう。
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ピクルスの汁は捨てるべからず

そんなドイツの食文化とは切っても切れない縁にあるキュウリの漬物だが、ドイツではピクルスの汁を再利用する習慣が存在するそうだ。

大規模な例としては、ピクルスを製造する際に出た塩水を凝縮したものを道路にまき、凍結を防ぐプロジェクトなんかがある。

道路がピクルス臭くなったりするのかな。

また家庭でもピクルスの汁を再利用することは珍しくなく、ポテトサラダの隠し味やマリネ料理に使い回される話はよく耳にする。

だが、最近ほかにも活用法があることを知ったので試してみたい。

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ピクルス汁でカルキ汚れを取る

料理以外の活用法には、薄めて観葉植物にあげるとか、足がつったときに飲むなどがあるらしいが、今回は検証しやすそうな「カルキ汚れを取る」というライフハックを試してみることにした。

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と言うのも、ベルリンの水道水はかなりの硬水で、キッチンや洗面所などの水回りは放っておくとすぐにカルキでかりかりになってしまうのだ。

洗濯する時もカルキ除去剤を入れないと排水管などがカルキだらけになるらしい。恐ろしや。

そんな厄介者のカルキがピクルスの汁で消えるなんて、夢みたいじゃないか。ちょうどうちの湯沸かし器がいい具合にカルキだらけなので試してみよう。

ピクルス vs. うちの電動湯沸かし器
数ヶ月カルキ取りをしていなかったので、中はこのようにカリカリのカルキがこびりついている。

これが本当にピクルス汁できれいになるのだろうか。楽しみである。

ところで、冒頭にドイツ人はピクルスが好きだと書いたが、実はドイツ人の夫は大のピクルス嫌いである。

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湯沸かし器をピクルス汁で掃除すると言ったら絶対嫌がられそうなので、彼の外出中にこっそり試すことにした。

調べるたところカルキは酢酸で取れるそうなので、塩ではなくお酢ベースのピクルスを使ってみることに。

まずはピクルス汁だけを取り出し、
水で少し薄め、湯沸かし器に入れて沸騰させる。

たったこれだけでカルキが取れるらしい。こんな簡単にカルキ対策ができるんなら、もっと前から知りたかったぞ。

期待を胸に数分その場を離れ、戻ってきてみると

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ピクルス汁がそこらじゅうに噴射されてすごいことになっていた。

夫に内緒でピクルス汁を湯沸かし器に入れた罰だろうか。周りの家電にもピクルス汁がもろもろかかり、台所中にピクルス臭が充満している。これはまずい。

夫にバレないように急いで掃除しなければ。

なんとかピクルス汁を拭き取ることができたが、肝心のカルキは取れたのだろうか。

だいぶましにはなったものの、完全には取れてないな……

これだけ悲惨なことになった割には効果はイマイチ。選んだピクルスが悪かったのか、やり方が間違っていたのか、それともカルキ汚れがひどすぎたのか……

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