特集 2022年10月26日

スーパーボールを弾ませる専用の箱

お祭りの屋台ですくえることで有名なスーパーボール。
とにかく弾むのが特徴で楽しいが、実際のところ弾ませる場所に困るのが実情ではないか。

いっそのことスーパーボールを弾ませる専用の箱を作ってみた。

1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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夏の思い出、スーパーボール

今年の夏の旅行で泊まったホテルで、スーパーボールすくいが開かれていた。

2歳の娘の初スーパーボールすくい体験となった。

こういうところのスーパーボールすくいはお楽しみイベントなので、ポイの強度が高くて強引にすくっても破れにくいし、なんならすくわなくても「好きなだけ持っていっていいよ」と言われたりする。
こうしてたくさんもらった次の日、別のホテルでまたスーパーボールすくいが同じように開催されていた。そして同じように「好きなだけ持っていっていいよ」と言われた。

結果として数十個のスーパーボールが手に入った。

しかしこんなに手に入ったところでどうやって遊ぶかが問題だ。

自分が小学生のころ、お祭りで集めたスーパーボールが200個くらいあり、部屋を閉め切って一気にばらまくという遊びをやっていた。
これはめちゃくちゃ楽しくてお気に入りの遊びだったのだが、片付けが面倒すぎる問題点があった。

親の立場となったいま、部屋でぶちまけられるのは結構やっかいだ。
そう思って湯船に浮かべていたりしたが、ぶちまける専用の箱を作れば良いことに気がついた。

透明な箱にすれば中でスーパーボールが跳ねる様子が見えて楽しそうだ。

フィギュアなどのディスプレイにするような既製品のアクリルケースを買う手もあるが、サイズが大きいものは結構いいお値段がする。
それからスーパーボールがガンガンぶつかるので、すべてアクリル板で自作すると強度が心配だ。
自分の工作精度は信用ならないから、適当に貼り合わせて崩壊する未来が見えた。

そこで、枠を作ってそこにアクリル板を貼るという方法を考えた。
枠をしっかり作ってしまえば強度は問題なさそうだし、その方が簡単そうだ。

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箱を作ろう

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さっそく木材を買う。
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インパクトドライバーでビス留めして枠を作る。ビスがガンガン入っていくの楽しいですよね。
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こんな感じで枠を作って、
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仮で合わせてみる。……めちゃくちゃゆがんでいるな。

自分の工作精度は信用ならない、と書いたくだりを早速回収した。こんなにすき間が出来る想定じゃなかったぞ。

これ以上作業を進めると何もかも破綻しそうだったので、あわてて材料を買い直しに走った。
買ったのがこれだ。

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イレクターパイプである。

スチールパイプをプラスチックでコーティングした部材だ。
ジョイントパーツが豊富で、組み合わせるだけで枠が出来る。最初からこれにしておけばよかったね。

ちなみにイレクターパイプは素材が鉄なので切断は結構大変だ。
塩ビパイプだとパイプカッターで簡単に切断出来るので、長さを微調整する必要がある場合はそちらを使うと良いです。

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こんな風にベビーゲートを自作したりした。

閑話休題。

枠が出来たのでアクリル板を切っていく。

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アクリル用のカッターで切り込みを入れてパキッと折るのだが、
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折るときにヒビが入ったりしないか心配でうわーって顔になっていた。

しかしメイカームーブメントも一周したこの令和の時代に、アクリル板を手切りしているやつはいるのか。
こういうのってみんなレーザーカッターとか使ってるのではないか。

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なんなら先述の木材も手切りしていた。今年のクリスマスは工作機械をサンタさんにお願いしようと思う。

最後にアクリル板を枠に取り付ければ完成だ。
貼り付けるタイプのマジックテープで留めた。これなら微妙な位置調整もあとから出来る。精度が低い工作は調整出来る余白を作ってカバーしていくのである。

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そうこうしているうちに完成した。

上下にアクリル板は貼っていないので箱というよりは筒である。

これでスーパーボールを入れたらどうなるのか試してみよう。

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弾ませようスーパーボール

スーパーボールの持ち主に頼んでぶちまけてもらった。

おりゃー。
跳ね返るスーパーボールがきれい。
弾むスーパーボールの様子がよく見えて楽しい。

こういう粒子のシミュレーションあるよね。

思った通り、箱から飛び出すこともなくいい感じに出来た。
ただもうちょっと元気よく弾んでも良さそうだ。

高いところから一気にスーパーボールを箱に入れればもうちょっと激しくなりそうだ。

飛び出そうとしても大丈夫なように、急きょフタをつけた。筒から箱らしくなった。
牛乳パックをつなげてスーパーボールの投入経路にする。自分の工作、すぐに牛乳パックが出てくるな。
投下!
この弾み方はいい感じ!

箱に入れるのに若干失敗して外で弾んだのもいたが、かなり楽しい見た目になった。

これはスーパーボール遊びの正解が出たんじゃないか。
ただ弾ませるだけで楽しい。

子どもも気に入ってしまい20回くらい繰り返す羽目にはなった。

箱の中にものを入れたら弾む方向がランダムになるのでは?と思って色々入れてみたがあまり変化はなかった。ただ積み木を入れたらおもちゃ箱のようになってビジュアルが良くなった。

ノーモア手切り、ギブミー工作機械

スーパーボールは弾んだが、箱を作るところの試行錯誤で難儀した。
もうちょっと工作機械を揃えてさっくり作りたい。

ただ今回のイレクターパイプを使う方法なら結構簡単に作れるので、よかったらチャレンジしてほしい。

すぐにバラせるのもいいところ。
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