「好き」という軽い気持ちを大切に
その道を極めている方々を見ると(本当ににわかのにわかファンなので、本気の鉄道ファンの方に会う機会すらないのだが)、まぶしい。羨ましい。好きなことに囲まれて、人生たのしそうだ。
私の場合、好きという気持ちはあれどその好きがそれほどスパークせず、いつも道を究めるまでにはいたらない。新幹線だけじゃなく、何に関しても中途半端だ。
でも、中途半端でもやっぱり「好き」という気持ちはある。
その小さな「好き」をもっと尊重したい。それで今日は新幹線0系車両を見に行くことにしました(敬礼!)。
「にわか」に優しいインターネット
簡単に言えば私のような者のことは「にわかファン」というのだろうか。いや、多分 にわか までも行っていない。
私には「ほら、あの新幹線、あれ、いいよね! かわいいよね!」くらいの意識しかないのだ。知識は本当に全くない。あるのは意識だけだ。
で、ここからが大事なことなのだが、そのふんわりした意識しか持っていなくても、今ならブラウザの検索窓に「新幹線」と入力して、お弁当のごはんにフリカケでも振りかけながらちょちょっと調べると、どこに行けば私の好きなあの青い新幹線が見られるかが分かってしまう。
青梅線に乗れば、昭島と青梅の2ヵ所で新幹線0系の保存車両が見られることが分かった。昭島と青梅ならどちらも青梅線沿線。これは軽い気持ちでも行きやすい。
この胸の高鳴りよ、どうだ
よし明日は新幹線を見に行くぞと決めた前日はそわそわしたし、現場近くに到着して木陰から車両がチラッと見えたら、私、なんと小走りしていた。
好きなのだ。
上の写真は小走りで来た道を戻って徐々に近づいているように撮影しなおしたのだ。
新幹線だ。かっこいい、かわいい、いいぞ、いいぞ、結構でかい! うわー、そうか、そうか。
昭島市民図書館(2020年3月27日 閉館)
※新幹線図書館はつつじヶ丘分室です
この感動はなんなのさ
いや、興奮しきりだ。興奮しすぎて何がなんだか分からなくなって、この近所にあったマクドナルドで20年ぶりくらいにマックシェイクを買ってそわそわ飲んだ。祭りのテンションになってる。
なんだろう、この興奮は。
「懐かしい!」と反射的に思ったのだが、実際乗車したことがあったかと思うと、覚えがない。シートの柄に覚えがあったのでもしかしたら乗ったことがあるかもしれないが、きっちりした記憶はない。
だから、かつての親友との再会というような種類の興奮とはちょっと違うのだと思う。どちらかというと、「これぞ新幹線」という新幹線を見たから、芸能人に会ったみたいな感じだろうか。
なお、大人になってから初めて飲んだマックシェイク、ぬるくなって甘くなりすぎる前に全部飲めて驚いた。子どもの頃は最後の強烈な甘さが辛かったんだ。大人の吸引力すごいぞ。
もしくは、それぐらい新幹線に興奮していたということか。
さらに本気の施設へ
青梅鉄道公園は青梅駅から山道を登って登って行ったところにあった。新幹線だけじゃなく、鉄道開業時に使われた蒸気機関車やらなにやら貴重な11車両が展示されているそうだ。
公園内は家族連れが多かった。そうか、鉄道は子どもが幅をきかすジャンルでもあるのだった。
ならぶ機関車を流し見するのは多分すごくもったいないことだと思うんだけど、新幹線に急ぎますよ。
じゃーん!
2ヵ所目とあって、うかれてマックシェイクを買うほどの興奮はもう起きなかったが(マックシェイクを買うには一旦下山して駅前まで行かなくちゃいけないしな)冷静にうきうきした。
そうなんだ。冷静だけど、すごくうきうきするのだ。
夜寝る前に思い出すとちょっと笑っちゃう、そういう体験を今してるのだと思った。
違いは、分かりません!
中に入るステップの前に案内板が出ている。この車両は22形式、という種類らしい。ほほう、この0系という系統の車両にもいろいろと種類があるのか。
ということは、さきほど見た昭島のものと違いがあるのだろうか。
……(じーっと見ています)……。
だめだ、分からない!
さすが鉄道公園だけあって、車両以外にも展示やジオラマの模型でも新幹線の姿を見ることができた。
来るまでは全部見たら途中で「もうお腹一杯だすー」って具合になることを予想していたのだが、のんびりじろじろ眺めて歩いていたらただただ楽しいままで時がすぎていた。
車両の違いが分からないという見る目のなさは発揮したものの、自分の「好き」加減には自信が持ててきましたよ。
いい気分になっての帰り際、にこにこしながら職員の方が声をかけてくれた。
「写真撮ってましたね! 新幹線好きなんですか?」
反射的に「あっ、はい。新幹線、大好きなんです。」と答えた。
最初こんなハンパな知識で「好き」だなんて言っていいのかなくらいに思っていたのに、胸を張って「大好き」発言が自然に出た。
でも、もう大好きって言っちゃってもいいでしょうか。依然として詳しくはないので恐縮です。
好きなら「好き」って言っていい
何人かの、鉄道ファンではない友人に今回のこのぶらり旅を自慢したところ「おお、いいなー新幹線!」というリアクションだった。
結構みんな好きなのだ。好きだけど、詳しいことは知らないだけ。
「0系とか700系っていうのはさ、“のぞみ”とか“はやて”とかそういうのとは違う? よねえ……」
「うーん、なんかこう、くくりが違う気がする……」
これくらいの感じで、でも新幹線ってわくわくするよね、0系ってかわいいよねと思ってる。
ちょっとでも「好き」かなと思う方は機会があったらぜひ車両を見に行くと面白いですよ。自分でもえっと思うほど血流上がるので健康にもいいはずです。