特集 2024年10月11日

地域限定! 宮崎の「鳥刺し」が美味しすぎる

鶏刺しという料理がある。鶏のタタキと呼ばれることもある。鹿児島と宮崎では古くから食べられてきた郷土料理で、その地域では居酒屋はもちろん、スーパーなどでも普通に手に入れることができる。

これがめちゃくちゃ美味しいのだ。しかもスーパーで気軽に買えるので、いつでもどこでも食べることができる。今回は鶏刺しの美味しさをお伝えしたいと思う。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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宮崎で鶏刺し

鹿児島では江戸時代に闘鶏を行っていた。そこで負けた鶏をしめて食べるという文化があった。闘鶏が禁止されたあとも、庭で鶏を飼い、来客があるとしめて食べた。その時の料理の一つが「鶏刺し(鶏のタタキ)」だった。

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宮崎に来ています!(天孫ニニギノミコトの終焉地にて)

鹿児島だけではなく、宮崎でも鶏刺しを食べる文化がある。田の神様が鹿児島や宮崎で共通の概念を持っていたりするように、宮崎と鹿児島は同じような文化を持つこともあるのだ。そもそも隣の県だしね。

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宮崎のスーパーです!

私は鶏刺しが好きだ。鹿児島に住んでいたこともあり、とても身近な食べ物だった。今は東京に住んでいるので、鶏刺しを気軽に食べることはできない。スーパーに行っても鶏刺しを売っているのを見かけないのだ。それが悲しい。

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でも、宮崎のスーパーでは売っているんですね!

宮崎や鹿児島のスーパーに行けば、魚のお刺身を売っているように、鶏刺しが並んでいる。肉コーナーに並んでいる。値段も高くない。東京でも居酒屋などでは鶏刺しを見かけるが、こちらは高い。この地域ではスーパーなら安い場合は200円台で買える。最高ではないか。

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美味しそうでしょ!

鶏刺しはとにかく美味しい。パックには「とりのたたきのタレ」と「生姜」か「にんにく」が入っており、それらをかけて食べる。魚の刺身にはない脂の甘さが鶏刺しの魅力だ。また臭みもない。生姜で食べる場合は臭み消しのことが多いけれど、生姜がなくても私は臭みを感じない。

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ニンニクか、
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生姜が入っています!

 

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薬味自由!

先に書いたように生姜派とニンニク派に大きくは分かれると思う。スーパーのパックにもその2つのどちらかが入っていることが多い。私の好みはニンニクだ。ニンニクの臭みが鶏刺しに合うのだ。そもそもニンニクが好きなのもあるけど。

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カバンに入れています、
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マイニンニク!

宮崎や鹿児島に行く時は、まずスーパーに出かけ、その旅のファースト鶏刺しを買う時にニンニクも一緒に買うようにしている。そして持ち歩く。私の中ではニンニクなき鶏刺しはもはや鶏刺しではないのだ。

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パックには生姜が入っていることが多いように思える!

私がニンニク派だからと言って、生姜派を否定するわけではない。好みなのだ。鶏刺しは自由なのだ。自由の象徴として鶏刺しは存在すると言ってもいいかもしれない。派閥争いなどしないのだ。

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最高でしょ!

さらに私はニンニクでも、生姜でもない時だってある。柚子胡椒だ。この地域では柚子胡椒が名産でもある。もちろん鶏刺しに合うのだ。味変とでも言えばいいのか、鶏刺しの可能性は無限大なのだ。柚子胡椒で食べる鶏刺しも最高に美味しい。

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柚子胡椒で、
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いただきます!

パックに柚子胡椒が入っていることがほぼない。私は出会ったことがない。だから買うのだ。プラスで買うのだ。まだ見ぬ鶏刺しの境地を求めて挑戦する。それが鶏刺しなのだ。私がまだ知らぬ味わいもあるだろう。鶏刺しはいつでも我々を冒険へと誘う。

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最高に美味しいよ!

タレも気になるところではあると思う。基本的にはパックに専用の「鶏のタタキのタレ」が付属する。さらにこの地域のスーパーに行くとタレだけも売っている。鶏刺しのない地域ではまず見かけない調味料だ。

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売っています!

少し酸味があったり、甘かったりする。それはメーカーにより異なるが、どれも美味しいというのが私の感想だ。これいまいちだな、というタレに出会ったことがない。どれも等しく美味しいのだ。ただ酸味がもっと欲しいと思うこともある。

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ポン酢です!

これがまた美味しいのだ。魚に比べれば脂があるので、さっぱりいただける。調味料の組み合わせがありすぎるのが、鶏刺し、あるいは鶏のタタキなのだ。もちろん醤油でも美味しい。その時の気分でいいのだ、正解はないのだ。

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ポン酢もあいます!

 

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鶏刺しのいろいろ

鶏刺しを他の地域で見かけない理由はカンピロバクターの存在だ。カンピロバクター食中毒になると腹痛、下痢、発熱などの症状が現れる。鹿児島や宮崎では「生食用食鳥肉の衛生基準」を策定し、安全の確保をしている。

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その結果、食べられるわけです!!!

鶏刺しには2つのパターンがある。それはムネ肉かモモ肉かだ。どちらもスーパーに行けば並んでいる。ムネ肉の方は脂が少なく、あっさりいただける感じで、モモ肉は弾力のある歯応えを楽しめる。

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モモ肉と、
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ムネ肉

さらに切り方にも種類がある。大きく薄くスライスされたものと、厚切りされたもの2つだ。気分で選ぶことができる。部位に切り方、薬味など自分の好みを見つけ出すのも鶏刺しの楽しみだ。

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薄切りと、
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厚切り!

鹿児島や宮崎のスーパーに行けば基本的には売っている。さらに基本的にどれも美味しい。手軽に買えて美味しい。最高なのだ。東京でも気軽に買えればと思うけれど、食文化だから、現地で食べるのがまた素晴らしいのもしれない。

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何度でも食べたい!

鶏刺しが恋しい

鹿児島や宮崎に行く楽しみの一つに鶏刺しがある。今回は宮崎に行ったので、スーパーに行っては鶏刺しを買い求めた。幸せな時間だった。調味料で味も変わるので飽きることがない。たぶんマヨネーズとかも合うと思う。今後、試してみたい。

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宮崎はマンゴーも美味しいよね!

参考文献
農林水産省「うちの郷土料理」

ささやかなおまけ
記事に使わなかった写真

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