編集部日記 2025年3月24日

“単行本”という概念(2025.3.24 朝エッセイ/石井公二)

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こんにちは。石井です。皆さん、今ちょっと周りを見渡してみて下さい。机、目玉焼き、横断歩道、ビル、電車。色んなものが目に入ってると思います。当たり前ですが、それらすべての物と自分のファーストコンタクトがかつてあったはずですよね。人生のどこかのタイミングで「あ、これは机っていうんだ。色んな物を上に置けるんだな」と理解した瞬間があったのです。

勿論、最初に机という概念を理解した瞬間なんて覚えてませんが、中には「私はあの時に○○の概念を知ったんだな」とはっきり覚えている物もあります。

小学校に上がったばかりの頃、最初に『コボちゃん』を読んだ時は衝撃的でした。あまりに面白かったので、朝起きたらまず新聞を開いて『コボちゃん』を読むのが私の習慣になりました。でも『コボちゃん』を初めて知った時の話をしたいんじゃないのです。

毎朝読んでるうちに何度も繰り返し読みたくなり、四コマだけを新聞から切り抜いてノートに貼り付ける、という習慣も生まれました。

一年ほどその習慣が続いてノートも何冊目かに突入した時、兄が一冊の本を差し出して私に言いました。

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『コボちゃん』の単行本でした。「ええ!漫画がまとまって読めるこんなに便利なものがあるの!」。そう、幼い私はこの時に初めて“単行本”という概念を知ったのです。

一年間積み重ねてきた習慣が無駄だったことを知って悲しくなり、自家製コボちゃんノートはすぐに捨ててしまいました。今考えると勿体ないことしましたね。情熱の塊のようなノート、それこそ記事の題材とかになったのにな。

子供の頃は単行本すら知らなかったのに、大人になるにつれ何かの概念を初めて知ることは少なくなっていきます。でもDPZは未だにそういう経験を届けてくれますよね。ここ数週間だけでも「カワラケツメイ」とか「ETOランド」とか初めて知りました。今週もきっとそんな記事と出会えるはず。

さて、本日の記事ラインナップ。

2月から始まった『あたりまえ入門』特集、べつやくさんが入門するのはなんと歩き方!でも大学の同級生も「どうやって歩いたら良いのか分からない」と言ってたので、悩んでる人は多いのかもしれませんね。

続いても『あたりまえ入門』。鈴木さくらさんが出前に入門です。私もウーバーイーツを利用したことないんですよね。チップの制度とか勉強になりました。

以前、世界をゲームにしてしまう発明をした林さんは、今回それをさらにアップデートしています。途中で出てくる動画、雨が降っているのが個人的に心に沁みました。
 

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