創作物に出てきた架空の路線図、探しています
創作物に出てきた路線図を眺めることによって、私達が「路線図」というものをどういう風に認知しているのか、そしてどのように路線図がデザインされているのかが、ちょっとだけわかったような気がする。
もし、創作物に登場した「架空の路線図」を見つけたら、ぜひお知らせください。
西村:ゲームなんですけど、最近はゲームに路線図がめちゃくちゃよく出てくるんですよ。いろいろあるんですけど、まず『スプラトゥーン』です。これは、過去作にも路線図はいくつか出てました。
井上:あ、これ、ここにも路線図あったんだ。
西村:あるんですよ。落書きで肝心なところが見えないんですが、もうね、路線図に落書きすんなと、マジでうざい。
井上:(笑)
大森:これは地球という設定なんですか?
井上:一応、人類がいなくなった後の地球ということになっていたはずですね。人類の代わりにイカが進化を遂げて文明を作っている……ということだった気がします。
西村:看板に落書きする人類の悪弊は、新しく進化したイカにもなぜか受け継がれたわけですが。まあ、それはそれとして。2022年に出た『スプラトゥーン3』ですが、今年(2024年)の6月にアップデートされたやつをみてください。
西村:リュウグウターミナルというステージにある路線図です。
井上:これよくできてますねー。
西村:これ、まんま京都駅なんですよ。かなりのそれっぽさで再現してある。これ、どうですか? JR西の路線図と比べて。
大森:そうですね……どっちかと雰囲気はJR東の路線図に似てますね。
大森:主要駅をああいう、四角い囲み方をして……。JR西の運賃案内路線図は、ラインもけっこう太めなんですよ。
西村:あー、たしかに。リュウグウターミナルは京都駅がモデルになってはいるけれど、運賃案内路線図はなぜかJR東日本の方に近い……面白いですね。
西村:続いては、発売前のゲームなんですが『Fractured mind』(フラクチャードマインド)というホラーゲームですね。現在、デモ画面などが見られるんですが、その中に路線図がありました。
西村:『8番のりば』という列車内から脱出するゲームありますけど、それと似ているのかな? こちらも無限ループする列車の車内から脱出するというゲームらしいですけど、右上に路線図ありますね。すんでのところで落書きの被害に遭ってない、きれいな路線図です。
井上:黒バックの路線図は珍しいですね。
大森:今はデジタルなのであまり気にならないですけど、昔は紙に印刷するときの製版が大変だったんじゃないですか?
西村:白い紙に印刷する場合、地が墨ベタだとめちゃくちゃ大変ですもんね。
大森:あとは、一長一短はあると思うんです。例えば、黄色いラインカラーの場合、白地だと目立ちにくいんです。だから、色の明るい黄色ってあんまりないんですよ。東京の地下鉄だと、有楽町線は黄土色(※6)ですし。逆に黒地だと、黄色が目立つ。その代わりに、濃い青なんかは目立たなくなっちゃう。
(※6)黄土色……公式には「ゴールド」となっている。なお、銀座線は「オレンジ」。
井上:ラインカラーに依るところが大きいですね。一応、モントリオールとかだと、黒バックの路線図は、ある。
大森:日本だと、札幌……メインじゃないかもしれませんけど。
井上:あと京都の運賃表とかも黒バックですね。
大森:内照式(※7)も一長一短があって、黒のほうがラインの色とかはっきり見えるというのはあるんですが、停電したときに見づらくなるというのもあって、難しいところですね。
(※7)内照式……路線図の後ろから蛍光灯やLEDなどで光をあてて掲示する方式。
井上:京都のは内照式じゃないのかな。
大森:あと、白背景の方が補修などもし易いのかな、というところはありますね。
井上:内照式でなければシール対応とかはしやすいかもしれないですね。
大森:まあ、黒シールで作ればいいんでしょうけど(笑)
西村:ぼくらが「路線図」と言われて想像する「白地にカラフルなラインが引かれた路線図」というイメージは、印刷技術の制約が原因かもしれませんね。
創作物に出てきた路線図を眺めることによって、私達が「路線図」というものをどういう風に認知しているのか、そしてどのように路線図がデザインされているのかが、ちょっとだけわかったような気がする。
もし、創作物に登場した「架空の路線図」を見つけたら、ぜひお知らせください。
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